[KATARIBE 20962] [HA06P] 『夏涼み』完成版

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Date: Mon, 13 Nov 2000 00:35:58 +0900 (JST)
From: "E.R" <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 20962] [HA06P] 『夏涼み』完成版 
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <200011121535.AAA43738@www.mahoroba.ne.jp>
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2000年11月13日:00時35分58秒
Sub:[HA06P]『夏涼み』完成版:
From:E.R


こんにちは、E.Rです。
…ああ、夏になったな(謎)

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エピソード『夏涼み』 
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登場人物 
-------- 
 ことらん:白虎であることを疑われる外見の主。うたたねが好き。
 瑞鶴の猫(ずいかくのねこ):周囲の環境を昼寝にもってこいな状態に整える。名前は無い。 
 白雲(はくうん):霊的五感にも優れた仙犬。とっってもふかふかな毛並み。

本文 
---- 
ことらん登場 
------------ 

 というわけで、のっけからことらんが歩いていたりする。 
 白い小さな虎は、けれどもいまいち虎らしく見えなかったりする。 

 SE     :ぺとぺとぺと 

 虎の歩みは重厚にして柔軟、ばねを内に秘めるようなものである……筈、な 
のだが。 

 SE     :ぺとぺとぺと☆ 

 ことらんの名誉の為に言う。小なりと言えども虎、まさかアスファルトの上 
で足音を立てるようなそんな不器用な真似はしない。 
 ……しかし、そう形容したくなるような足取りだったりする(汗)。 
 ので、結果……やはり虎には見えないのは……一般常識の観点から見て、幸 
なのか不幸なのか。 

 SE     :ぺとぺとぺとぺと……ぺと☆ 

 と。 
 歩みが止まる。 

 ことらん   :「えぅ?」 


瑞鶴の猫 
-------- 

 瑞鶴の猫   :「…………(ぐー)」 

 瑞鶴のシャッターに半身をべっとりとくっつけて、猫が眠っている。 

 瑞鶴の猫   :「………………(ぐー)」 

 瑞鶴の内部は出て行く前の花澄の懇請により、常にほぼ一定の温度と湿度に 
保たれている。勿論その環境は店内に限られるのだが、現在、夏の盛りには、 
シャッターの内側で冷房が常時働いている状態に等しい。 
 その結果、硝子が冷え、その外側のシャッターもひんやりする。 
 ……そして、猫がシャッターに張り付くという図が完成する。 
 顔半分を無理無理にシャッターに押し付けているので、結果妙に顔が潰れ、 
とても見目良いとは言えないわけだが…… 
 ……心地よさこそ、この場合の最優先課題である。 

 瑞鶴の猫   :「…………(ぐー)」 

 と。 
 シャッターに張り付いていない側の耳がぴく、と動く。 
  
 ことらん   :「えぅ?」 


第一種遭遇? 
------------ 

 瑞鶴の猫   :「なう?(なんだいお前は)」 
 ことらん   :「がぅ」 
 瑞鶴の猫   :「…………」 

 いつの間にやら、瑞鶴の前にいる白い塊を、不機嫌そうに猫は見やったが、 

 瑞鶴の猫   :『おや』 

 くん、と匂いを嗅ぐ。 
 以前ここに居た空調係と、どこか似た匂いがする。 

 瑞鶴の猫   :『涼しいじゃないか』 

 むくり、と置きあがる。 
 白い塊……もとい、猫族らしい相手は、てん、と座り込んでこちらを見てい 
る。……否。 

 瑞鶴の猫   :『こっちを見てんのかい』 

 視線の先には、瑞鶴。 
 同じような空気の、ある場所。 

 瑞鶴の猫   :「……(ふすん)」 

 ああそうかい、と、なーんとなく納得して……さてその内容については、本 
猫も判然とはしていないだろうが……眠り……かけて。 

 瑞鶴の猫   :「なう(おいで、こっちに)」 

 ちょいちょい、と、前足で招く。 
  
 ことらん   :「えぅ」 

 てこてこと近づく。 
 ふわりと涼しい大気が一緒にやってくる。 

 瑞鶴の猫   :「なおぅ(そこ、おすわり)」 

 えい、と前足を下ろす。 
 てこん、と、ことらんが座り込む。 

 瑞鶴の猫   :「…………(ぐう)」 

 ……おい(汗) 

 ことらん   :「…………(座っている)」 
 瑞鶴の猫   :「…………(ぐー)」 
 ことらん   :「…………(尻尾の先がぴこぴこ動き出す)」 
 瑞鶴の猫   :「…………(ぐーー)」 
 ことらん   :「…………(尻尾ぱたぱた)」 
 瑞鶴の猫   :「…………なぅ…(なんだい……ねむいんだよ)……」 
 ことらん   :「…………(尻尾で猫の背中をぱたぱた)」 
 SE     :ぱちっ 
 瑞鶴の猫   :「ふがあっ(あーうるさいっ)」 
 ことらん   :「がぅ(びっくり)」 

 ……勝手ここに極まれり(苦笑) 

 と。 

 瑞鶴の猫   :「…なう?」 
 白雲     :「へっ、へっ、へっ、へっ(大汗)」 


白雲来る 
-------- 
  
 もかもかの白い毛。 
 冬こそ暖かだが、これは夏は……相当くる。 

 白雲     :『……仕方が無いとは言え、暑い……』 
  
 黒い毛でなくってまだ幸い……とは、この状態ではとてもとても(苦笑)。 
 と。 

 瑞鶴の猫   :「なう」 
 白雲     :「おんっ」 

 顔を上げる。 
 未だ、シャッターの閉まったままの書店の前に、いつもの猫と。 

 白雲     :「…………?」 

 白い、猫……でもない。 

 瑞鶴の猫   :『難儀そうだね』 
 白雲     :『毛皮を脱いでも暑いらしいから、しょうがなかろうよ』 
 瑞鶴の猫   :『毛皮……ああ、人間のことかい』 
 白雲     :「……ふすん」 

 実際は、そういう問題ではないのだが(汗)。
 白くつややかな毛が、暑さでくたびれて見える。 

 瑞鶴の猫   :『丁度いい。涼んでいきな』 
 白雲     :『涼む?』 
 瑞鶴の猫   :『涼しいのが来たんでね』 
 白雲     :『……?』 

 行儀悪く、あごで示す先を、白雲は小首を傾げて見やる。 

 ことらん   :「えぅ(首かしげっ)」 
 白雲     :『しかし、これは……』 
 瑞鶴の猫   :『涼しかろう?』 

 ……いやそーゆー問題ではなくって(汗) 

 白雲     :『この子の正体を、知っているのかい?』 
 瑞鶴の猫   :『知らないよ(あっさり)』 

 琥珀の眼が、きろんと見開かれて。 

 瑞鶴の猫   :『涼めればいいのさね』 
 白雲     :『…………確かに(苦笑)』 
 ことらん   :「……がぅ……(しっぽぴこぴこ)」 

 では、と、日陰に白雲が入る。 
 すう、と涼気が走る。 

 白雲     :『なるほど』 
 ことらん   :「……(白雲の尻尾見てる)」 
  

お昼寝日和 
---------- 

 ことらん   :「…………(じーーと見てる)」 
 白雲     :「……おん(なんとなくやな予感)」 
 ことらん   :「……がるるるるる……」 
 白雲     :「…………(汗)」 
 SE     :はしっ☆ 
 白雲     :「おんっ(予感的中)」 

 ふさふさの尻尾というのは、魅力だったようで(苦笑) 

 白雲     :『……で、これをどうしろと(汗)』 
 瑞鶴の猫   :『丁度いいから遊んでやっておくれよ。涼しいよ』 
 白雲     :『……そちらはどうする積りなんだろう?』 
 瑞鶴の猫   :『寝るのさね(きっぱし)』 

 …………おいーーーー(汗) 

 白雲     :『はじめから、子守りの目的で声をかけたな(憮然)』 
 瑞鶴の猫   :『おや、そこまで根性が悪くは無いさね(しれっ)』 
 ことらん   :「えぅ」 
 瑞鶴の猫   :『んじゃお休み(ごろんっ)』 
 白雲     :『…………………』 

 閉じたシャッターの前に、一列に。 
 猫と虎と犬と。 

 ことらん   :「がぅ(白雲の尻尾にじゃれている)」 
 白雲     :(嘆息) 
 瑞鶴の猫   :「…………(ぐーー)」 

 とりあえず、夏真っ盛りの午後の二時。 
 まだまだ暑い日は続きそうである。 

時系列
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2000年7月半ばの暑い日。

解説
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書店瑞鶴。
主がいようがいまいが、どうやら様々な種族が集まるようで。
……しかし、各自の性格の方向性が……(汗)
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であであ。


    

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