[KATARIBE 20857] [HA06P] 『真夏の夜の夢を見る』

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Date: Fri, 27 Oct 2000 02:21:48 +0900 (JST)
From: "E.R" <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 20857] [HA06P] 『真夏の夜の夢を見る』 
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <200010261721.CAA66527@www.mahoroba.ne.jp>
X-Mail-Count: 20857

2000年10月27日:02時21分47秒
Sub:[HA06P]『真夏の夜の夢を見る』:
From:E.R


こんにちは、E.R@風邪回復 です。

昨日、IRCから抜けて、こんぴたの電源を切ろうとした瞬間、ふっと風景が
浮かびまして。
大慌てでもう一度IRCに繋いで、許可だけ取って、電源消して、
……手書きであらすじを書きとめて寝たという(汗)
#流石に完成させるには眠すぎた。

というわけで、そのえぴそどです。

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エピソード『真夏の夜の夢を見る』
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登場人物
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 比企玉緒(ひき・たまお) :怪奇女子高生。一見お嬢様かも。
 瑞鶴の猫(ずいかくのねこ):傍若無人な野良猫。名前は無い。
 富良名裕也(ふらな・ゆうや):大学生に見えない大学生。瑞鶴猫の友(兼餌係)
 平田阿戸(ひらた・あど):ヴァンパイヤ・ハンターらしい。詳細は不明(おいこら)

本文
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 某日。
 午後二時半。
 日差しはまだ暖かい。

 玉緒     :「…………」
 瑞鶴の猫   :「…………(ぐーーー)」

 既に閉店して半年以上。
 しかして……風景は大して変わっていないのだが。
 
 玉緒     :「…………」
 瑞鶴の猫   :「…………(眠る幸福を一身に集めたよーな寝顔)」

 ……まあ、猫の寝顔なんてそんなものなのだが。

 玉緒     :「…………」

 無言のまま、手を伸ばして猫の頭にそっと触れる。

 玉緒     :「真夏の夜の夢…………(ふらふらと去ってゆく)」
 瑞鶴の猫   :「…………(ぐーーーー)」

 ……人間に触れられても、起きようともしない。
 野良猫失格というべきか……相手が悪かったというべきか。

 瑞鶴の猫   :「…………(ぐーーーー)」

 判断すべき対象は……何と申しましても夢の中。


 そして、……四半刻ほど、後。

 平田     :「…………(汗)」
 瑞鶴の猫   :「……(ぐーー)」

 さほどに目を引くわけでもないが……一度目に止まったら足を止めたくなる
風景、というものがある。
 
 平田     :「…………(ううむこの花は(汗))」

 べちゃんと潰れて、ごく気持ちよさそうに眠る、瑞鶴の猫の頭の上にすっく
りと茎を高く伸ばして。
 草が、一本。
 丁度、彼岸花のような細い茎の先には、長細い蕾が一つついている。
 色は濃藍。

 平田     :「……(冬虫夏草)」

 …………確かに似ているかもしれない(汗)

 瑞鶴の猫   :「……(ぐー)」

 と。

 SE     :ててててててて☆
 フラナ    :「っと、こんにちはっ」
 平田     :「……おぁ(汗)」
 フラナ    :「どーしたのっ?」
 平田     :「んむ……怪奇花娘の花が……(汗)」
 フラナ    :「かいき?」

 ひょこ、と、首を伸ばして平田の視線の先をたどって。

 フラナ    :「……わー花だー」
 平田     :「…………(なんとなく脱力)」
 フラナ    :「へー……それでも起きないんだ」
 SE     :ひょいっ(と、手を伸ばす)
 平田     :「う、うわやめるのだ、どんな怪異が起こるかっ(汗)」

 と………
 
 フラナの伸ばした手が、花に触れた途端。

 するするする、と、蕾が、まるで風車のように回った。
 回りながら、花びらをほどいた。
 ほどけた花びらは細く長く、やはり彼岸花に似ていた。

 それが、ゆうるりと天を見上げるように向きを変える。

 SE     :ぽ………ぽん……

 その中心から、やはり藍色のまあるい光が、ゆるゆると浮き上がり、見物人
(なのだろうか?)の目の高さまで上昇した、と思うと。

 SE     :ぷう………(膨らんでいる)
 平田     :(汗)
 フラナ    :(興味津々)

 膨らむにつれ、色はだんだん淡くなり。
 そして同時に、光を帯びて…………

 SE     :ぷしんっ
 平田     :「うわっ」
 フラナ    :「わぁっ」

 破裂。
 光の破片は重なり合って…………

 玉緒     :「……たーまやー」
 平田     :「うわあっ(汗)」

 ……背後から、至極陰気な声で言われるとやはり怖いかもしれない(汗)

 玉緒     :「真夏の夜の夢は打ち上げ花火なのね」
 フラナ    :「あ、これ夢なんだー」
 平田     :「……(何故納得できるっ(汗))」

 いつのまにやら、花はほろほろと散っている。
 猫は、眠りつづけている。

 フラナ    :「いい夢、見てるんだね(にこにこ)」
 瑞鶴の猫   :「…………(ぐーー)」

 まだ明るい日差しが、それでもかすかに黄色がかる。

 ゆっくりと、秋が深まってゆく。


時系列
------
2000年10月もそろそろ終わる頃。
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 という話です。
 gallowsさん、久志さん、総統さん、
それぞれ、キャラクターさんお借りしましたー(礼)
 あ、人物紹介てけとですんで手直し宜しく。
 ついでに、修正加筆訂正却下等々、宜しくです。

 いあ。
 眠る瞬間に、何故か、瑞鶴猫の頭から、花火がぽんと上がった風景が
目の前に浮かんだので(爆)
 こういう話になりました。

 であであ。


    

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