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Date: Tue, 10 Oct 2000 00:23:30 +0900 (JST)
From: 久志 <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 20791] [HA06P] 『敗残兵』
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <200010091523.AAA08110@www.mahoroba.ne.jp>
X-Mail-Count: 20791
2000年10月10日:00時23分30秒
Sub:[HA06P]『敗残兵』:
From:久志
久志です。
わーいネット復活ー
というわけでリハビリってことでさくっと話を書いてみます。
好き放題鏡介さん使ってしまいました(^^;)
チェックなどお願いしますー
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『敗残兵』
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登場人物
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富良名裕也(ふらな・ゆうや):
お気楽少年、細かいことや不思議なことをあまり気にしない。
里見鏡介(さとみ・きょうすけ):
不思議青年なネクロマンサー、ちょっと挙動不審。
夕立は突然に
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ぱたぱたと、走っていく影ひとつ。
フラナ :「わひゃあー」
学校帰り、いつものように書店瑞鶴で猫の餌係りの務めを果たして帰
る途中、最初ぱらぱらと降り出した雨は、あっというまに量を増して本
格的に降り出した。湧きあがるようにコンクリートの匂いする。
フラナ :「どっか、どっかないかなぁ?」
雨宿りの場所を期待して、近くの公園へと駆け込む。きょろきょろと
見まわしてコンクリート製のすべりだいをみつけるとその横穴にもぐり
こんだ。
フラナ :「ふわぁ、助かったぁ」
SE :(ごそごそ)
フラナ :「?」
横穴の奥でごそりと何かが動く気配がする。
フラナ :「……誰かいるの?」
返事はない。が、奥に見えるのは確かに人の姿をしている影である。
鏡介 :「………(ぼー)」
フラナ :「………鏡介さん?」
膝を抱えたままぼんやり座っているのは風見アパートの住人、里見鏡
介その人だった。虚空を見つめたまましばらく双方黙っていたが、ふい
に思いついたように鏡介がぎこちなくフラナに向き直った。
鏡介 :「やあ」
フラナ :「鏡介さんも雨宿り?」
鏡介 :「そうだね、湿気は保存に良くないから」
何の?という突っ込みをすべきなのか否かちょっとよくわからない。
フラナ :「もちょっと待ってればやむよね」
鏡介 :「……そうだね」
それ以上いい会話が続かず、フラナはちょんと隣に座り込んだ。
ぱらぱら、と。雨の音が響いている。
狭い横穴の中で、二人、黙ったまま雨の音を聞く。
鏡介 :「………いい音だね」
フラナ :「雨の音?」
鏡介 :「弾幕の音みたいだ」
他に言いようはないのだろうか。
フラナ :「そんな風に聞こえるんだ、僕、そんなこと思った
:ことないなぁ」
言われて、じっとぱらぱらと響く音に耳を傾ける。
鏡介 :「じゃあ、こうしよう。今僕達は徴兵されて戦争で
:戦っている」
フラナ :「………?」
いきなり話が100メートルほどすっ飛ぶ。
鏡介 :「そして激しい戦火の中塹壕に取り残されて、ただ
:敵の攻撃に何もできず立てこもっている」
フラナ :「うん」
鏡介 :「そう思えばいいんだよ」
フラナ :「そう、かぁ。……そう言われると」
そんな風に聞こえるのかもしれない。
ぱらぱら、響く。
まだ銃撃戦は続いている。
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おち
ぐに、即効即書き。
なまってるのぅ