Goto (kataribe-ml ML) HTML Log homepage
Date: Sun, 1 Oct 2000 18:54:57 +0900 (JST)
From: "E.R" <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 20741] [HA06P] 『濃染月深閑』
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <200010010954.SAA05911@www.mahoroba.ne.jp>
X-Mail-Count: 20741
2000年10月01日:18時54分56秒
Sub:[HA06P]『濃染月深閑』:
From:E.R
こんにちは、E.R@ぐう です。
DVDに移しては戻し、の合間に書いておりました。
*************************
エピソード『濃染月深閑』
=======================
長かった夏が終わりを告げると同時に、紅い花が咲いた。
佐古田 :「…………」
瑞鶴猫 :「……なう(こんばんは)」
既に周りはとっぷりと暮れている。
ついこの前までまだ明るかった時刻なのだが。
逢魔ヶ刻は、人工の灯りの元で、故意にか偶然にかやたらに引き延ばされる。
佐古田 :「……(懐紙に包んだ煮干を出して、瑞鶴猫の前に置く)」
瑞鶴猫 :「なぁご(おや、ありがとうね)」
佐古田の首からぶら下がったサボテンが、丁度猫の頭の斜め上辺りで揺れて
いる。
瑞鶴猫 :「…………(ふと目を上げて、サボテンを見る)」
サボテン :「…………(汗)」
瑞鶴猫 :「……ふがぅ(まずそうだねえ……)」
佐古田 :「……(僅かに苦笑)」
サボテン :「…………(ちょっと安堵)」
とりあえず餌にならないと見切ったところで、瑞鶴猫は下を向き、また煮干
に集中する。
佐古田(とサボテン)は、その隣に座る。
まだ、人通りは多い。
と。
瑞鶴猫がふいと頭を上げた。
さあ、と、流れる風。
夕餉の時刻の様々な匂いを圧して、一瞬花の馨が鼻腔を突いた。
佐古田 :「……」
猫の視線の先に、見慣れた顔がある。
花澄 :「…………こんばんは」
佐古田 :「…………(目礼)」
長い髪が、風に沿うように揺れて。
花澄 :「餌、ありがとう」
佐古田 :「…………」
ふがぅ、と、猫が欠伸をする。
花澄 :「それじゃ」
佐古田 :「…………(ぺこり)」
微かに笑うと、そのまま歩み去っていく。その姿を何となく見送ってから、
佐古田は横の猫を見やった。
瑞鶴猫 :「……(もっかい大欠伸)」
すう、ともう一度風が吹く。
誘われるように見上げた空に、細い月が一つ、間の抜けた顔で浮いている。
濃染月もほぼ終わりに近づいた、ある宵の風景である。
*********************************************
ええ、以前出した、「拈華微笑」の対の話です。
いあー。
言われるまで、全然気がついてなかったんですけど。
拈華でああ出たということは。花澄はこの時、吹利にいたのねっ(自爆)
(…………書く前に気付け(汗)>己)
一番、さらんと見送ってくれそうな、佐古田君に登場願いました。
……ひさしゃん、佐古田君お借りしましたー(礼っ<先に言え)
昨日、そういえば彼岸花を見ました。
……ああ綺麗だなあ。
であであ。