[KATARIBE 20673] [HA06P] 「どんぶらこっこ」後編

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Date: Sun, 24 Sep 2000 19:48:50 +0900
From: kazuki <aaq45040@hkg.odn.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 20673] [HA06P] 「どんぶらこっこ」後編
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 軍光一@雨に濡れてずぶぬれ です。
 続き。


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エピソード『どんぶらこっこ』(後編)
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登場人物
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来栖せら(くるす・−):地上に撃墜された天使。
西夜一輝(にしよる・かずき):来栖を撃墜した張本人。
小影(こかげ):仔猫。

本編
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  来栖    :「ふう、ひどい目にあった」

 ずぶぬれになった来栖は、なぜか用意してあったバスタオルで頭をふき
ながら一息つく。

  来栖    :「でもなんでこんなもの用意していたの?」
  西夜    :「絶対に河に落ちると思っていたからな」

 ひどい男である。

  来栖    :「うー。でもなんで猫が河を流れてきたんだろ?」
  西夜    :「昔から、猫を捨てる方法のひとつだ。見ろ、この猫
         まだ小さくて目も開いていない。生まれたてを手にお
         えなくなって捨てたんだな」
  来栖    :「ひどーい!」
  西夜    :「わたしに言われても困るぞ」
  小影(仮) :(かぷ)
  来栖    :「よく噛む子ねえ。怒ってるのかな?」
  西夜    :「まだ目が開いていないからな、口に入れてものを確か
         めよとしているんだ。人間でも何でも口に入れようとす
         る時期があるしな」
  来栖    :「ふうん。ところで噛まれて痛くないの?」
  西夜    :「痛いぞ」
  小影(仮) :(かぷかぷ)

  来栖    :「ところでさあ」
  西夜    :「駄目だ」
  来栖    :「この猫飼って良い?ってなんで先に答えてるのよ」
  西夜    :「うちはもう大きいのがいるし、規則で飼っちゃいけな
         いことになってるんだ」
  来栖    :「なんでよぉ!ってまた先に答えてる……」
  西夜    :「隠して、押し込めて育てるのか?ストレスで死ぬし、
         例えそうでなくても見つかった後に別の場所に行った
         時、適応できなくなるぞ」
  来栖    :「見つからなきゃいいじゃ……ぐう。じゃあ、どーすれ
         ばいーのよー!」
  西夜    :「もう一回河に流すという方法もあるな」

 どげしっ!!

  来栖    :「いいもん!もらってくれる人探してくるから!」
  西夜    :「なるべくきちんと家を持っている人をあたれよ」

 巨大十字架の下敷きになりながら、アドバイスする西夜を尻目に、来栖は
仔猫を抱いて走っていった。

  来栖    :「家持かあ。風見アパートの人たちじゃ駄目だろうしな
         あ……」

  西夜    :「釣りの道具は片付けて行けよ……」

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