[KATARIBE 20591] [HA06P] 厄日の引越し:(修正その 2 )、なおなみさん遅れてごめんなさい

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Date: Sat, 9 Sep 2000 20:48:17 +0900
From: "言葉績樹" <tinuzuka@skyblue.ocn.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 20591] [HA06P] 厄日の引越し:(修正その 2 )、なおなみさん遅れてごめんなさい
To: "語り部メーリングリスト" <kataribe-ml@trpg.net>
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  Guten Abend!  こんばんわ。言葉績樹です。
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 半年以上ぶりです。ごめんなさいほったらかしておいて。
 (8月末まで資格試験の勉強してました)
 いま、毎日往復5時間の通勤していて、なかなか「語り部」まで、手が回らない状
態です。
 何とか、今年中に状況の打開をはかりたいなあと思ってます。
 今年のOFF会の忘年会ぐらい出たいなあ。
 
 というわけで、半年返事をほっておいた、エピソード『厄日の引越し』
 修正その2を流します。変更が無ければそのまま、最終版にしたいなあと思ってま
す。
 
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『厄日の引越し』
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登場人物
------
語部詩織(かたべ・しおり)
    :グリーンハイツ3Fに引っ越してきた、吹利大学部文学部演劇科の
           永遠の学生。
柳直紀(やぎ・なおき)
    :グリーンハイツ5Fの住人。
湊川かなみ(みなとがわ・かなみ)
    :
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 ついてない日、そんな日の始まりはたいていそんなもの。

 ジリリリリリィ ジリリリリリィ
(うるさいなあ。)
 手を伸ばしても、目覚ましにはいっこうに手が届かない。
 やむなく、起きあがった私が最初に目にしたのは、積み上げられた本の津波が私
にかぶさってくる瞬間だった。
 本の山の頂上に置いてた目覚ましの振動が、それとも無造作に伸ばした私の手
が、どちらにしても、溺れかけた本の海から這い出す。
(なんか、最低だな。朝から。)
(今日は引越しだと言うのに。)
 憂鬱な気分を振り払いながら、朝ご飯と昨日の続きの引越しの準備をすませる。

ピンポーン
「すみません。吹利引越しセンターの者です。」
「はいはい。今行きます。」
 慌ててスニーカーにつま先をつっこんで、玄関を開けようとしたら、
プチッ。何かが切れる音??
ゴッン。眼から火花!!
「いたーい。」
 ぶつかった扉の向こうから、
「なにかすごい音がしましたけれど、大丈夫ですか??」
 ぶつけた額をさすりながら、扉の鍵を開ける。
 怪訝そうにみる引越しセンターの人達、
「荷物は奥です。」
 適当にごまかす私。よく見るとスニーカーの紐が切れてる。

 梱包された荷物は手際よく引越しセンターの人達が運び出す。残りはゴミと、後
で取りに来る予定の小物ばかり。
「場所はこの地図のここです。名前はグリーンハイツ吹利。部屋は3Fです。先に行
ってもらいます。後から自転車で追いかけますので。」
 トラックを見送って、部屋の戸締りをして自転車に乗る。
 腰を浮かして、ペダルに全体重をかける。普通に走って20分。全速力なら10
分くらいのはずなのに。
ガクン
 一瞬、足元の感覚が消える。バランスを崩して急ブレーキ
キ、キー
 なんとかこけずにすむ。自転車をよく見てみると、
(えっ。チェーンが切れてる。クラッ) 
(まだ、全然走ってないのに)
 一時呆然としてしまったが、とりあえずタクシーを拾うために大通りへ出る。
 しかし、自転車を持っているので、なかなか止まってくれない。
 ようやく、止まってくれたタクシーも自転車も積んで欲しいと言うと運転手さん
は嫌な顔をした。それでも、トランクを開けっぱなしにして、自転車を積んで走っ
てくれる。

--------------------
 話は少し前に戻る。
 
 少し遅めの朝
 雨戸をがらがらと開けていると、下に中型のトラックが一台止まっていた。
 トラックには『吹利引越しセンター』の文字。

 (あ、誰か引っ越してくるのかぁ。そーいえばこの間不動産屋さんが来てた
もんねえ。)

 窓を閉めようとしたら隣のベランダから声をかけられた。
 
 「直紀ねえさま、おはよっ!」
 「ん?ああ、かなみちゃん。おはよー」
 「今日天気いいんだから早く起きなきゃもったいないよ」
 「はい、ごもっともです(笑)さって、ご飯食べて洗濯すっかぁーー」
 
 しょうがないなぁ、という感じで笑うかなみちゃんに手を振ると、ひとつ伸
びをして窓を閉めた。
 それからしばらくして洗濯物を干そうと再びベランダに出たが、
 
 「あれ?引っ越し屋さんまだいる」

 時折腕時計を見ながら、きょろきょろと周りの道路を見ている。
 どうやら部屋の鍵が開いてなく荷物が入れられないようだ。
 しばらく見ていると一台のタクシーからあわてて女の人がでてきた。
 引越センターの人に謝ってるところを見ると、あの人が新しく入ってくる人
なんだろうな。
 洗濯物は干し終わったが、なんとなくその引っ越し風景を見ていると、ふと
顔を上げた彼女と目があった。

 (わ、美人さんだぁ)

 ずっと見てたのが照れくさくて、思わず笑い掛けてしまう。
 彼女がふわり、と笑い返してくれたとき

 ガラガラ、ガシャーン
 
 と、凄い音がした。人が倒れていて、何か黒い物が散らばっている。
 ベランダの柵から乗りだすように見ていると、

 「すみませーん。救急車をお願いします」
 「え?え? …あ、はいっ!」

 一瞬、誰に言ってるのか分からなくて戸惑ってしまった。
 急いで電話を掛けるとコール一発で出てくれた。慌てないように注意しなが
ら住所と状況を告げる。チン、と電話を切ると、とりあえず上着だけ羽織って
外に出た。

 1Fのエントランスを通り、トラックの方へとぱたぱた走る。
 周りには少し人だかりが出来ていた。

 「救急車、呼びましたよー。5・6分でこっちにくるみたいですー」

 あたしに声を掛けた人にそう告げる。
 ケガをした人の側にプラスチックの破片とスピーカー(らしきもの)が横倒
しになっていた。近くにちょっとボーゼンとした感じの彼女がいたので、思わ
ず話しかけてしまった。

 「引っ越し早々大変ですね(^^;」

 「は、はあ。( ̄□ ̄;;………………」
 「あ、すみません。今度三階に引越ししてきた語部詩織です。」

 「あ、あたし五階に住んでいる柳直紀です。よろしく。」

 「いえ、こちらこそ引越し早々御迷惑かけまして。」

 「ところで、あの散らばっている黒いの。オーディオセットですか。なんか高
そうな感じの??」

 「はあ。」(T_T)

 サイレンの音と共に救急車がやってきて、怪我人を運ぶ。
 怪我人を救急車に任せるとリーダー格の人は、詩織のところまでやってきて、
「壊れたものは弁償します。あとで、そのことで営業の者がやってくると思いま
す。」
と言ったものの。

 「とほほ。」(T_T)「ないより、ましなんだけれどなあ弁償。」

引越しセンターの人達は残った荷物をどんどん運んで、部屋の中に入れると
逃げるように去って行く。

 (チョコっと可哀相だなあこの娘)
 「あのねえ。今晩うちで食べて行かない??詩織さん??」

 「えっ。」

 「どうせ、引越しの後片付けで、晩御飯どころじゃないでしょう。」

 「本当ですか。お願いしますよ〜。」

 「いーよ別に。最近チョットおかず作りすぎちゃってたから、こっちも困っ
ててね(笑)」
 (この間から同じもんばっか練習してたからなぁ)

 「本当にうれしいです。御近所にこんな優しい方がいるなんて。」
 (うわー。なんてラッキーなんだろう。この人ならお金が無くなった時に貸し
  てもらえるかも。メモしておかなくちゃ。)

 「優しいだなんて(^^;;  じゃあ、6時ごろに呼びに行きますね。」


 禍福は糾える縄の如し、それとも塞翁失馬、誰にとっての幸運が誰にとっての不
運になるかは、神のみぞ知る………かな??

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幸運と不運が極端に出る、語部詩織の日常の一コマです。
それでは。

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>一行は71で切ります。
>(だから最初の**********を11コで作っておくと便利だなーと本人は思ってます)
>あと、台詞の最後には句読点はいらないはずですよー。
>……確か(爆)あうう、あってるよね??

いろいろやってみました**********が7コぐらいがベストっぽいです

>しかし…
>
>> (うわー。なんてラッキーなんだろう。この人ならお金が無くなった時に貸し
>>  てもらえるかも。メモしておかなくちゃ。)
>
>ぐはぁ!目ぇつけられたヨー 
>
>「緊急事態、緊急事態!こちら直紀、財布ぴんち!当方に赤貧の覚悟無し(爆)」
>
>……なんだかなぁ
>そんなに大金は出ませんが(^^; 


まあ、運がよければ金回りもよくなるので、その時に返します。
語部詩織本人も、自分の運不運の極端さはよく理解しているので、
金が有るときに、全ての借金は返します。
まるで、宵越しの金は残さないが如くにね。




  AufWidersehen  Viel Gluck !!
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          コトノハツムギ
                言葉  績樹(Tzummgi Kotonoha)
                E-mail   tinuzuka@skyblue.ocn.ne.jp
   ☆ .。・:*:・`★、。・:*:・`☆ .。・:*:・`★、。・:*:・`☆ .。・:*:・`★




    

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