[KATARIBE 20549] [HA06] [ EP ]『荒廃の生活』

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Date: Wed, 30 Aug 2000 21:42:57 +0900
From: masaki Yanagida <yanagida@gaia.fr.a.u-tokyo.ac.jp>
Subject: [KATARIBE 20549] [HA06] [ EP ]『荒廃の生活』
To: kataribe-ml@trpg.net
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 どもD16です。
 総統さん、灰枝さん、ハリ=ハラさん、おのもっちこんにちは!
 

 ……。あんまりにも久しぶりなので少しジーンとしてしまった。
 ええと、以前IRCでのキャラチャを総統さんが流してくれたので前と後ろを
つけた上で整形し、EPに起こしました。
 特に変更ない限りこれで完成形にします。


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エピソード『荒廃の生活』
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一十    :風水師&修験者。松陰堂の居候。現在就職活動中
末夜雅俊  :仙人見習い。一の先輩。
平田阿戸  :ヲレ的聖書を持つ吸血鬼ハンター
煌     :電影猫娘、無道家のメイド。
キノエ   :元祟り神の式神で雷使い。キノトの姉 
キノト   :キノト 元祟り神の式神で風使い。キノエの弟。 
八神敦   :無道家食客。食欲魔人。松蔭堂近くの風見アパートに住む


キノトの夏休み日記
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 八月十四日。晴れ。
 朝のテレビのニュースで帰省ラッシュが始まったといってました。
 ミツル兄さんに帰らないのかと聞いたところ、今年は就職活動の結果がお盆
の頃に出るので帰れないと言ってます。
 確かに、二三日ほど朝、大騒ぎをしてネクタイを締めて出かけてたので就職
活動というのはわかるんだけど、それ以外の日はノートパソコンに向かってぶ
つぶつ言ってるんで本当に活動してるのか怪しいです。
 この調子だと、今年は夏だというのにどこにも行かないでしまうのかなぁと
思います。
 つまらないなぁ。

ベーカリー前にて
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 キノエ    :「夏休み……」
 
 灼けたアスファルトが陽炎を立ち昇らせる街角。
 お盆休みを控えて吹利商店街はそのほとんどが店じまいしており、当然ベー
カリーもその例外ではないのだった。

 キノエ    :「そんなぁ、せっかく冷たい麦茶と冷房があると思ってき
        :たのにぃ……」

 Tシャツにショートパンツ、ビーチサンダルという気の抜けた格好でやって
きたキノエは、そのままベーカリーの戸に背を預けるとそこにへたり込むよう
に座った。

 キノエ    :「あっちぃよぉ、なんか冷たいもんほしいよぉ」

 恨めしげに空の太陽を眺めてから頭を垂れる。
 何とも情けない格好ではある。

 SE      :「ぴた(ひやっ)」
 キノエ    :「ひゃうっ!」
 煌      :「やっほー、冴えないぞぉ。キノエぇ(ぴたぴた)」

 頬に押し付けられたのはキンキンに冷えて、びっしりと水滴のついたコーラ
の缶である。
 目を上げたキノエの前にはコンビニの袋を抱えたキノエに勝るとも劣らない
格好の煌がいる。
 
 キノエ    :「なんだぁ、煌さんかぁ……」
 煌      :「んー、なんだぁその可愛げのない言葉はぁ?見つけたか
        :らキノエの分も買ったのに、コーラ」
 キノエ    :「あら、煌さまでしたの?(揉み手揉み手)」
 末夜     :「気をつけんと、あのろくでもない主に似るぞ」
 
 ぬぅと顔を出し、この炎天下で気温を三度、湿度を20%上げるような顔で笑
う。
 引きつった笑いを浮かべるキノエの目に、更に異様なものが映った。
 
 キノエ    :「あの人、……何?」

 その男はこの炎天下黒い軍用コートをまとい、怪しげな長髪は風になびくは
ずもなく、だらりと垂れ下がっている。
 
 煌      :「んー、知り合い。食欲魔人とこに行くついでだったんだ
        :けど」
 キノエ    :「見てたらこっちまで暑くなってきた(かしゅ、ごきゅご
        :きゅ。ぷはー)」
 煌      :「けどどしたの、こんなとこで」
 キノエ    :「蔵ん中の唯一の冷房器具の扇風機はプレステとノーパソ
        :に使ってるから死にそーになってたの」
 末夜     :「……馬鹿か」
 キノエ    :「馬鹿よ」
 煌      :「……馬鹿ね」

にのまえ氏受難
--------------

 煌      :「この廃人め。まーた、更にキノトっちとキエノっちに負
        :担をけかる気かい(踏みっ)」

 結局キノエのたっての願いにより、一行と途中で合流した八神は松蔭堂の土
蔵の中に入ったのであった。

 彼らがそこに見たものは、散乱した洗濯物と書籍、そしてトランクスにTシ
ャツ一枚でディスプレイに向かう一十の姿であった。
 蔵の中は汗と、脱ぎ捨てた衣服と、蚊取り線香と、キンカンの匂いが渾然一
体となり末夜は一瞬、異教の寺院に迷い込んだような錯覚を感じた。
 もちろん、気の迷いである。

 末夜     :「僕にも踏ませてくれ(踏みっ)」
 平田     :「なんだかわからないが虐待されているな」

 踏まれながらも十はマウスから手を離そうとしない。

 十      :「ま、待ってください。もう少しでこのキャラがファイ
        :ヤーボールを……」
 平田     :「……当然の結果か」
 八神     :「見事やな、何日目?」
 十      :「めんどくさいんで一週間ばかり風呂に入らなかったし、
        :飯はいつ食べたっけか?」
 末夜     :(頭に金輪を嵌める)
        :「締まれ」
 十      :「あうあうあうあ(きりきりきり)」
 煌      :「えいっ(ぷち)」
 十      :「ぐはぁっ!(吐血)」

 金輪と、容赦のないニードロップが可愛い荒廃の体を苛む。それでも虚仮
の一念かマウスから手を離そうとはしない。

 平田     :「とはいえ、やりすぎではなかろうか……」
 煌      :「アカウント消しちゃおっか」
 平田     :「それはヒドイ」

 苦笑いする。
 勢いを得て、一が金輪に手をかけつつ訴えた。

 十      :「平田さん、先輩や煌ちゃんにもっと言ってやってくださ
        :い」
 平田     :「いやまあ、他はともかく煌に関してはまだまだこんなも
        :のではないと思うがな」

 そーゆー問題ではない気がする。

 煌      :「キノトっち。この人間兵器庫に、おたくの家計状態を説
        :明してあげて」
 キノト    :「ええと、それじゃ言うね。七月八月分の育英会費は本人
        :が手続き忘れてたんで据え置き」
 キノエ    :「九月までまとまった金がないから、若大家さんに泣きつ
        :いて家賃を待ってもらってるのよね」
 キノト    :「食べ物は米を実家から送ってもらってるから、おかずを
        :一玉百円のキャベツと一袋百円のタマネギ。たんぱく質は
        :卵で補ってる状態……」

 土蔵の中に白けきった空気が流れた。

 末夜     :「たまのことだからと持ってきてやったこの食料だが…
        :…」
 十      :「食いもの?(ぴくり)」
 末夜     :「このアホウにくれてやるくらいならばいっそ……」
        :「本屋の前にいるむくれたネコにでも……」

 うつぶせた一の体が動物的に反応した。

 末夜     :「ネコは鳥唐揚げを食うだろうか(言いつつ出ていこうと
        :している)」
 十      :「しゃぎゃー(飛び掛る)」
 八神     :「俺にくれ(笑)」
 末夜     :「ぬ。ケダモノ!?」
        :「……ひとはここまで退化できるのだな(しみじみ)」
 平田     :「衣食足りて礼節を知る」
 末夜     :「となりからは不穏な会話が聞こえてくる……」

 うーむ、よっぽど肉が足らなかったんだなぁ。

 煌      :「ねーねー、絶食って事は、お腹ぺこぺこ?」
 十      :「結局、本気で就職考えたのも、暇があっても金がない生
        :活に嫌気がさしたってのも在るんですよね(はぐはぐ)」
 末夜     :「しかし例えばこの唐揚げに、僕が薬物を盛っていた場合
        :――」
        :「手もなくイチコロというわけだ(やれやれ)」
 八神     :「絶食しなくても腹は減る」


不穏な会話から
--------------
 平田     :「…………うーむ」
 キノエ    :「本人がこんなだから精気や血を吸ったら、倒れるんじゃ
        :ないかと思って。あたしたちまで絶食状態だし」
 平田     :「血?」

 一瞬平田の目に光が宿る。
 
 キノエ    :「……ど、どーする気?」
 煌      :「あ、言っておくけど、日本の妖怪だからね」
 平田     :「じゃあ対象外だ」
 平田     :「もし、対象物だった場合にはだ。幸い、いい天気だ、鉛
        :弾を体重分ほどプレゼントして日光浴してもらうところだ
        :ったな」
 キノト    :「えっ(絶句)」
 キノエ    :「……そーゆーことなの(虹彩の奥で放電)」

キノト受難あるいは
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 煌      :「さっきも言ったけど、ちょっとなら食べてもいーよ?な
        :んか、殺気立ってるし(w」
 キノト    :「……(赤面)」
 煌      :「きゃ〜、赤くなってかわいー(ぎゅむっ)」
 平田     :「私がいるところではやめてもらいたいな。一応、服務規
        :定があるんでな」<血
 キノト    :「……ミツル以外の人から貰ったことないよぅ」
 キノエ    :「あたしもね、一応」
 八神     :「まー、血の気は余ってそうだな(笑)」
 十      :「(頭を抑えつつ)平田さんって保健所関係の人ですか」
 煌      :「ほれほれ、恐がらなくて良いのよ。優しくしてあ・げ・
        :る(けたけた)」
 キノエ    :「そこぉ、手ェ出すんじゃないよっ(ぺち)」
 平田     :「いや、もうすこし心の狭いところの関係だ」(ニヤリ)
 末夜     :「世の中色々あるものだな」
 十      :「心の、狭い。ね……(国外、イスラムかカトリック?)」
 煌      :「あはははは」
 末夜     :「その服務規定に、怪奇変形生物は含まれるかな?」
 煌      :(なでなで)>抱っこしたキノト
 キノト    :「(ばたじたばたじた)」
 平田     :「さあ、血を吸わなきゃいいという風に個人的に理解して
        :いるが」
 末夜     :「……ふむ。それならば、べつにいいか(本棚あさりに戻
        :る)」
 十      :「血を吸わすのは、こいつらの形相に合わせたんです。伝
        :統ってことで目こぼして下さいよ(きりきり)」
 末夜     :「ああ。それは無理にはずそうとすると――」
 平田     :「観測されない事実は存在しないから安心だ」
 煌      :「ねーねー、おと−とちょーだい」
 キノエ&十  :「やらん」
 平田     :「もらってどうする?」
 末夜     :「――電流が流れるんだが遅かったようだな……」
 煌      :「けちー」
 十      :「そーゆーことは先に言ってください」
 SE      :「しびびびびびび」
 キノエ    :「キノトがいなくなったときに、あたしたちの生活がどー
        :なると思ってんのよ」
 平田     :「そういう問題か?」
 末夜     :「……開け雷電の縛鎖(懐に戻し)」
 煌      :「まー、生活力ゼロだしね〜」
        :「前に、みこねーちゃんから聞いたよ〜。居なくなったと
        :きの話〜(だきだき)」
 末夜     :「……売りに出すには強力だな。倉に仕舞おう」
        :(謎の呟き)

 膝抱っこされたキノトは戸惑うように顔を赤らめている。

 キノト    :「あうあう……」
 煌      :「う〜、ほしーな、ほしーな。おとーとほしーな(ゆさゆ
        :さ)」
 平田     :「黒メガネにつくってもらえ」
 キノト    :「煌ねーさん……」
 キノト    :「本当に?(ちょっとマジ)」
 煌      :「うんっ、ほんとに欲しいよ(にこぱっ)」

 ようやく復活した十が体をほぐしつつ起き上がる。

 十      :「そういや、無道邸には男の子いないもんな」
 末夜     :「……約五分(メモ)」
 煌      :「うん、弟と遊びたいんだ〜(きゅっ)」
 煌      :「キノト君は、うち嫌い?(上から覗き込む)」
 キノト    :「いや、その、えっと……」
 キノエ    :「けどねぇ、キノトの格好ってこれミツルがしろって言っ
        :てるからだよ。ある程度は変えられるんだよ」
 末夜     :「……どこかのタヌキより幸せっぽくはあるな……」
 煌      :「別に、カッコだけで言ってるわけじゃないもんね〜」
 煌      :「ふ〜、でも、いぢめっこな陰陽師が、てばなそーとしな
        :いのね(さめざめ)」
 平田     :「しかし、お前ひとりの判断でもらっていっても駄目だろ
        :う」

だから手を出すなというのに
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 十      :「だれがいぢめっこな陰陽師だ(けりっ)」
 煌      :「おぬしゃっ(合気っ)」
 十      :「ぐむぅ(悶絶)」
 八神     :「……愚かな(笑)」

 見事な上段当て身投げが決まり。土蔵にもうもうと埃が舞い上がる。

 末夜     :「格闘戦を挑むヤツがあるか」
 平田     :「暴力メイドに腕力で対抗するとは……」
 煌      :「うちのほーしんは、来る者拒まずだよ」
 十      :「あいたたた、親交を深めるスキンシップだったのに」
 キノエ    :「でも、千影さんはなんていうの?」
 煌      :「だいじょーぶだと思うよ」
 末夜     :「おや。乗り気なのかな?」
 八神     :「今更1人増えて困るようなら、俺なんざとっくに出入り
        :禁止になっとる(笑)」
 末夜     :「懐がふかい」

 まったくである。

 キノエ    :「……キノト、本気?」
 平田     :「ましてや、俺も出入りしてるしなぁ」(感慨深く)
 煌      :「無理は言わないから、お腹すいたら遊びに来てね(ぽむ
        :ぽむ)」
 キノト    :「……うん(こっくり)」

 肯く弟を見てキノエは小さくため息をついた。

 キノエ    :「(さっき、あたしは何をあんなにためらったんだろう。
        :キノトがこういう風にいろんな人と知り合ってくの、ホン
        :トは喜んであげられなきゃいけないのに……)」
 煌      :「キノエっちもどんどん来てね」
 キノエ    :「えっ、ああ。うん」
 煌      :「廃人外法師は、来たければ来れば〜( ̄▽ ̄)」
 平田     :「あるじはオマケ扱いか(w」
 八神     :「はっはっは、遠慮はいらんぞ(笑)」<お前がゆーな
 十      :「んなふーに言われて、ハイそうですかといけるかよー」
 煌      :「あはは。餓えたらきんさい。栄養補給くらいは出来るか
        :ら」

無道邸についての様々な感想
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 末夜     :「だんだん駆け込み寺みたいになっているな」
 煌      :「そーいやそーだね」
 彩花     :「えらいネ」
 八神     :「駆け込みっぱなしです(笑)」

キノトの夏休み日記
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 八月十八日。晴れ。
 ミツル兄さんの就職がどうやら本決まりになりそうで、今日事前面接に朝か
ら行ってます。これが終わったら結果待ちになるから、その間はどっか海か山
かプールにでも行こうって行ってました。
 残高が三桁の口座でどうするつもりなんだろ。
 おねーちゃんは、誘われたときはあまり乗り気じゃなかったのに、ここ最近
は無道さんの御宅に入り浸ってます。この間僕が迎えに行ったときには、クー
ラーの前でおなか出して昼寝してました。
 おなか壊したのはそうめんの食べすぎじゃないと思います。
 
 部屋は夕方まで誰も帰ってきません。
 掃除しようかと思ったけど、天気がいいから外に出るつもりです。
 今日の晩御飯をなににするか、前野さんと相談しようっと。

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 本当はかけるんも一つ二つツッコミを入れているんですけどキャラチャかど
うかわからなかったので省いてあります。(かけるん御免!)
 なんだったら加筆してください。

 では。

D16
e-mail:d16@trpg.net
URL:http://www.trpg.net/user/D16_Web/index.html
    

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