[KATARIBE 20442] [HA06P] エピソード『電話勧誘にもきをつけよう』(再送)

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Date: Tue, 15 Aug 2000 13:41:17 +0900 (JST)
From: 冬縲  <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 20442] [HA06P] エピソード『電話勧誘にもきをつけよう』(再送) 
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <200008150441.NAA88018@www.mahoroba.ne.jp>
X-Mail-Count: 20442

2000年08月15日:13時41分16秒
Sub:[HA06P]エピソード『電話勧誘にもきをつけよう』(再送):
From:冬縲


こんにちわ冬縲です

 回線のトラブルで送信中に切断されて、途中までしか送れていなかった
 ようですのでもう一度送ります
 直前に送った物は削除して下さい


[HA06P]エピソード『電話勧誘にもきをつけよう』
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登場人物
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 川村暁(かわむら・あきら)
    :流されやすいお年頃のしゃかいじそ。
 黒木和宏(くろき・かずひろ)
    :川村の先輩
 根元裕市(ねもと・ゆういち)
    :日本実務促進協議会に所属する人
 石塚亮平(いしずか・りょうへい)
    :日本実務促進協議会の契約相談センターの人
 清水誠(しみず・まこと)
    :吹利市役所消費者センターの人


初日(7月27日PM13時)
---------------------

 それは一本の電話から始まった

 SE     :「ぷるるるる ぷるるるる」
 川村     :「はい川村です」
 根元     :「私、日本実務促進協議会の根元と申します。
        :先日送りました資料はもう目を通されましたか」
 川村     :「いいえ」
 根元     :「あれ?ご実家の方に送信したのですが……」
 川村     :「届いてませんよ」
 根元     :「ではこの電話で説明させていただきます。
        :川村さんは宅地建物取引責任者、通称宅建という資格を
        :ごぞんじでしょうか」
 川村     :「いいえ」
 根元     :「国家資格の一種で、これを取得しますと建物や土地の
        :取引をするときなどに大変役にたちます」
 川村     :「はぁ、……私不動産とは関係ない職種なのですが」
 根元     :「今は関係のないかもしれませんが、国家資格です
        :から生涯に渡って使用できますので、とりあえずとっ
        :ておかれて、例えば将来独立しようとかいった場合等
        :いざというときに備えようといわれる方が大勢いらっ
        :しゃいますよ」
 川村     :「ふむ」
 根元     :「それにもし資格をとれば、現在の仕事についたまま
        :名義だけを貸し出して副収入を得るという使い方
        :も可能になります」
 川村     :「ははぁ」
 根元     :「ただ現在宅建の資格者が不足しているのが現状なの
        :ですよ。そこで、先日送りました資料には工学部卒業の
        :川村さんには講座をうけて簡単な試験を受けてもらえ
        :ば資格が取得できるということがかかれてあったのです」
 川村     :「はあ」
 根元     :「今回は、その講座の受付最終申込日が本日になって
        :いまして、他の皆様は入会希望をだしておられますが、
        :川村さんだけお返事がなかったので特例で川村さんに
        :講座を受ける意思があるのかどうかの確認でお電話を
        :さしあげたのです」
 川村     :「はあ」
 根元     :「ただ、これを受講するのに37万円の費用がかかる
        :わけなのですけど大丈夫でしょうか」
 川村     :「そんなお金は払えないのですが」
 根元     :「月々7,500円の45回に分割して払う方法もありまして
        :この方法を使用して払われる方も大勢いらっしゃいます。
        :それに資格をとれば月々5〜6万円の副収入が入って
        :きますので、一年目を辛抱して、2年目で一括返済をな
        :さる方が多いですよ。それにもし万が一試験に落ちても、
        :規定により収めた金額の三分の二にあたる24万円を返還
        :する保証がついてますので安心してください」
 川村     :「はあ」
 根元     :「川村さん資格習得に興味はございますよね」
 川村     :「ないよりはもっていたほうがいいですよね」
 根元     :「資格は習得したいと。では今から郵送する内容を
        :説明しますのでよく聞いて下さい」
 川村     :「はあ」
 根元     :「郵送物の中には会員証と受講証と弁護士に相談する
        :ことのできる相談券と返還証明書、ローンの申込書と
        :申込書をこちらに返送する封筒が入ってます。ローンの
        :申込書の期限が7月29日になってますので、必ず
        :7月29日にこちらに届くように記入して投函して下さい」
 川村     :「…………(よく話す人だな)」
 根元     :「何か質問がありましたらおっしゃって下さい」
 川村     :「電話だけの説明だけでは信用できないのですが」
 根元     :「ですから、明日届く内容物を説明しているじゃないで
        :すか。もし今説明した通りの物が明日届けば問題ない
        :と思いますよね」
 川村     :「はあ(段々受け答えが面倒になってきた)」
 根元     :「では川村さんには受ける意思があるとみなしてよろ
        :しいのですね」
 川村     :「興味はありますけどね。口頭で説明を受けただけで
        :信用しろというのが無理な話ではないですか」
 根元     :「川村さん、騙されているかとか思ってます?
        :私のところは一般の専門学校や通信教育とは違い
        :人材の育成を目的としています。
        :それに、騙すつもりなら書類とか送るわけないじゃな
        :いですか。」
 川村     :「……じゃー資料だけおくっておいてください。
        :それから考えますので」
 根元     :「でしたら本人確認を致します」

 住所氏名年齢生年月日を聞かれれ電話が終了する

 川村     :(謎の電話だったな……。まー別段契約したわけじゃ
        :ないし資料が送られてきてから考えよう)

 この考えが大甘であったことは後日知ることになる


文面受理初日(7月28日PM20時)
-----------------------------
 
 何事もなく一日が終わり帰宅した川村を待っていたのは
 見慣れぬ速達の郵便物であった

 川村     :(日本実務促進協議会?……昨日ののか……)

 中には、たしかに根元氏が説明してあった通りの物が入ってある
 一点を除き……

 川村     :「申込確認書?」

 そこには、『“宅地建物取引主任者”国家資格習得の教材への申し込みに
対し、貴殿の申告を受理した旨通知致します』とかかれてある

 川村     :「もうしこみをじゅりした???」

 ついついひらがなモードになる川村

 川村     :(いつのまにか契約したことになってる?
        :月曜日になったら……クーリングオフ制度ってやつを
        :利用してこんな無茶苦茶なとことのやつは破棄したる)

 このときもわりと軽く考えていたのであった


知らないって怖いね(7月31日PM12時)
-----------------------------------

 申込確認書には契約についてのお問い合わせやクーリングオフの適用に
 ついての問合わせ先についてのフリーダイヤルがかかれてあった

 川村     :(ん〜。契約の相談センターって書いてるからまずは
        :こっちに相談してみよう)
 SE     :(ぷるるるる)   
 石塚     :「はい中央契約相談センターです」
 川村     :「クーリングオフについて相談したいのですが」
 石塚     :「どういった内容で」
 川村     :「7月27日に電話がかかってきて、国家資格をとりま
        :せんかと言われましたので、資料だけ送ってください
        :と伝えたら、申込確認書が送られてきました。これを
        :クーリングオフしたいのですが」
 石塚     :「本当に資料だけを送ってくださいという内容だけ
        :だったのですか?」
 川村     :「……違うとはいえません」
 石塚     :「印鑑やサインをしていないからといって買い物が
        :できないというわけではないですよ。そんなことをし
        :たら世の中の人はお店で買い物をする時にみんな印鑑
        :を持ち歩かなければなりませんよね。だから口約束で
        :も立派な契約になるのです。これは電話であっても
        :同じことですよ」
 川村     :「はあ」
 石塚     :「クーリングオフをすると先方にお伝えしましたか?」
 川村     :「いいえ、まずは相談センターに電話をしてからと
        :思いましたので」
 石塚     :「クーリングオフは両者の合意が必要になりますので
        :まず先方とお話になって、トラブルになったら
        :もう一度かけなおして下さい」
 川村     :「わかりました。ありがとうございます」

 (注意)
 クーリングオフは、契約を交わしたという通知が送られてきて8日以内に
 書面で相手に通達することによって、無条件に契約の申込の撤回又は解除
 を行うことができます。この場合申込者は不利になるようなどんな経費も
 支払う必要がありません。

 つまりこの段階で騙されているのであった(^^;;

交渉……敗北(7月31日PM12時30分)
---------------------------------

 SE     :(ぷるるるるる)
 受付     :「はい日本実務促進協議会です」
 川村     :「川村と申しますが根元さんをお願いしたいのですが」
 受付     :「少々お待ちください」

 展覧会の絵が流れる

 根元     :「はいお電話かわりました根元です」
 川村     :「先日資料だけ送ってほしいといったのに、申込確認書
        :というものがが送られてきたのですが、どういうことで
        :しょうか?」
 根元     :「あれ?今回の申込の締切が7月27日であったので特例
        :でしたが電話で本人が受講をする意思があるかどうかの
        :確認であると言いませんでしたか?」
 川村     :「えっと(たしかに……)私としては書類で確認した
        :かったのですが」
 根元     :「送付しました書類にこの間私が言った物以外の物が
        :入ってましたか?」
 川村     :「いいえ」
 根元     :「川村さんは説明した条件なら問題ないとおっしゃって
        :いたじゃないですか」
 川村     :「……」
 根元     :「またその際に川村さんに受講の意思を何回も確認
        :していますよね」
 川村     :「……」
 根元     :「こちらと致しましては川村さんに受講の意思がある
        :とみなし手続きをとったしだいなのですがなにか
        :問題でもありましたか」
 川村     :「契約になるとは思ってなかったのですけど」
 根元     :「質問しなかったじゃないですか。思っていても言葉に
        :しないと、こちらとしては判りませんよ」
 川村     :「……(詐欺やん)じゃー契約したことでいいです」
 根元     :「契約したことでいいって、川村さん何を被害者ぶって
        :いるのですか?国家資格をとって得をするのはだれです?
        :川村さんじゃないですか。私は貴方に不利な話をして
        :いるわけではないですよね」
 川村     :「契約の解除はできないのですか?」
 根元     :「通事故にあったとかやむおえない場合を除いて
        :原則として解除できなくなっていますし、今まで
        :解約した人というのはいません」
 川村     :「原則ということはできるということではないですか」
 根元     :「ですから、交通事故とかやむおえない理由の場合に
        :限ってです」
 川村     :「……クーリングオフを利用したいのですが」
 根元     :「理由をおっしゃって下さい」
 川村     :「理由が必要なのですか」
 根元     :「当然じゃないですか。契約を解除するのに理由もなく
        :解除ができると思っているのですか?」
 川村     :「気が変わったからです」
 根元     :「気が変わったと……。いいですかたとえば貴方の会社
        :が商品の発注をうけたとしますよね、それで先方の人が
        :気が変わったから取引は無しにしてくれといって通ると
        :思いますか?」
 川村     :「……」


 (注意)もう一度書きます
 クーリングオフは、契約を交わしたという通知が送られてきて8日以内に
 書面で相手に通達することによって、無条件に契約の申込の撤回又は解除
 を行うことができます。この場合申込者は不利になるようなどんな経費も
 支払う必要がありません。


 根元     :「そういうわけですので、川村さんも契約をなさった
        :からにはがんばって試験に受かるよう、努力なさって
        :下さい」
 川村     :(納得いかないけど、こっちの負けっぽいな〜)
 根元     :「さしあたりまして、7月29日までにこちらの方に
        :振込み用紙が届くようにお願いしていたはずなので
        :すが、まだ届いてないのですが」
 川村     :(クーリングオフする予定だったもんな)
 根元     :「さしあたりまして当社の方で立て替えておきますの
        :で大至急ローンの用紙を記入の上投函して下さい」
 川村     :「……(高い授業料になりそうだの〜)」

 電話が終了する


相談する人は選ぼうね(7月31日PM13時)
-------------------------------------

 川村     :(うーむ)
 黒木     :「難しい顔してどーしたの?」
 川村     :「詐欺にあいまして、37万円ほどもってかれそーな
        :感じです」

 経過を説明する

 黒木     :「ふーん。消費者センターに相談したら?」
 川村     :「これに書かれてあるのに相談したら、両者の合意が
        :ないとできないといわれたのですよ」
 黒木     :「こんなの、裏でつるんでるにきまってるじゃん
        :市役所の方の消費者センターに電話してみれば?」
 川村     :「(駄目元かな)やってみます」


消費者センターの対応(7月31日PM13時30分)
----------------------------------------

 清水     :「吹利市消費相談センターです」
 川村     :「私川村と申しますが……」

 現在の状況を説明する

 説明が終わって

 清水     :「クーリングオフというのはですね、消費者の一方的な
        :通達で契約を解除できるので今なら契約の解除が可能で
        :すね」
 川村     :(騙されてたのか……)
 清水     :「これから読み上げることを葉書に書いて下さい」
 川村     :「はい」
 清水     :「平成12年7月27日に貴社の根元裕市様より、宅地建物
        :取引主任者の資格をとらないかとお電話をいただき書類
        :を送っていただきました。平成12年7月28日に申込確認
        :書等が届きましたが、この申込についてはクーリングオ
        :フ致します。この文章のあとで、今回の契約による商品
        :と金額そして日付と貴方の名前を書いて下さい」
 川村     :「はい」
 清水     :「書きましたら郵便局に持っていって配達記録を使って
        :郵送して下さい。これでクーリングオフの手続きは終わ
        :りになります」
 川村     :「それだけでいいのですか?」
 清水     :「8月2日までに必ず配達記録で郵送して下さいね。
        :さもないとクーリングオフの期間が切れますので」
 川村     :「ありがとうございました」

 
 その後言われた通りに葉書をかきクーリングオフの申請をしたため37万円
 (ローンに換算して約53万円)の話はなくなって事なきをえたのであった



時系列
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 2000年7月27日〜7月31日にかけて

解説
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 人生経験になりました
 適当にはいはいいっていると勝手に契約されたりして、困ることに
 なります。友人や仕事関係以外の身元がはっきりしない電話の場合
 は「私には必要ありません」と言って切りましょう

 この話は現実を元に作成されていますが、登場する団体や人名等は
 実際の団体や人名とは全くかかわりがありません

$$

 ほぼ実話です(^^;;;
 実際はこの後向こうから電話がかかってきて、クーリングオフをすること
 に対して社会人としての自覚が足りないだとか、こっちの苦労が水の泡で
 損害をどうしてくれるんだとか、かなり酷いことを言われました(;;)

 繰り返しいいます
 みなさまこういった手口にきをつけて下さいね

でぁでぁ
冬縲でした


    

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