[KATARIBE 20278] [IC01P] エピソード 002 『教室放浪記』

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Date: Wed, 26 Jul 2000 14:27:38 +0900
From: KATARIBE Designer  FURUTANI Shun-ichi <sf@kataribe.com>
Subject: [KATARIBE 20278] [IC01P] エピソード 002 『教室放浪記』
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エピソード002『教室放浪記』
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登場人物
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 鈴掛真一(すずかけ・しんいち)	:メガネの男子高校生。いつも平静な語り手。
 赤碕大悟(あかさき・だいご)	:ごっつい男子高校生。鈴掛の友人。
 加賀見みよし(かがみ・‐)	:女子高校生。鈴掛の友人。

ある朝、扉の前で
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 いつものように校門を突破し、いつものように廊下ビルに入り、教室への扉
に向かう。ここ数ヶ月ほど教室への入り口として利用されていた扉の前には、
人だかりが出来ていた。クラスメイトたちだ。
 横開きの扉の向こうには、いつもの教室の姿はない。どうやら、昨晩のうち
に、体育倉庫へと扉の接続が変わってしまっていたらしい。

 みよし    :「今回は、長かったわよねー」
 真一     :「ああ、これで扉の平均安定接続時間記録が伸びたな」

 そんななか、遅刻寸前で大悟がやってくる。

 大悟     :「よお。なにやっとんのや」
 真一     :「見てのとおりだ。我らが教室は、長き旅に出た」
 みよし    :「扉のリンクが外れちゃったから、今までの教室は使えな
        :いって言いたいのね(冷めた目)」
 大悟     :「みょーなもんでも食うたか?」
 真一     :「たまには、かっこうをつけてもいいだろう。と思っただ
        :けだよ」
 大悟     :「ま、えーか」

教室捜索隊
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 担任     :「さて、新しい教室を占拠しに出発するぞ」

 連絡要員三名を旧教室への扉の前に残して、ぞろぞろと廊下を歩きはじめる。
 みんなでクラス名の貼っていない扉をがらがらと、あるいはぎしぎしと開き、
中を覗き。使えそうな教室がないか探して歩くことになったのだ。

 担任     :「授業中失礼しました」

 使用中の教室だったらしい。

 みよし    :「あ。こんなとこにカラオケボックスがっ☆」
        :(紙を貼ってマーカーで書き書き)

 みんなが廊下ビルと呼んでいる、この建物は。薄い壁で仕切られた、迷路の
ような構造になっている。そしてみっしりと、扉が続いているのだ。どの扉が
どこに繋がっているかは、あけてみないとわからない。

 大悟     :「ここはドーム球場らしいの。野球部が使うとええんちゃ
        :うか?」
 真一     :「貼り紙貼っとくか。たまには草野球するのもいいだろう
        :し」
 みよし    :「ソフトボールがいいな〜」

 扉の幅と中のサイズはまったく無関係。だからだろうか、廊下ビルの壁面は
扉でびっしりと埋められている。

 担任     :「よーし、からの教室みつかったぞ〜。みんな早く来い、
        :ホームルーム始めるぞ〜(大声)」
 SE      : がらがら
 別の教師   :「授業中ですから静かにしてくださいっ」
 みんな    :(げらげら)


次の日の朝
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 いつものように校門を突破し、いつものように廊下ビルに入り、教室への扉
に向かう。昨日みつけた(その翌日に私が死んだのでなければ)はずの教室への
入り口として利用されていた扉の前には、人だかりが出来ていた。クラスメイ
トたちだ。

 みよし    :「今回は、短かったわねー」
 真一     :「ああ、これで扉の平均安定接続時間記録が縮んだな」

 そんななか、遅刻寸前で大悟がやってくる。

 大悟     :「よお。なにやっとんのや」
 真一     :「見てのとおりだ。我らが教室は、長き旅に出た」
 みよし    :「扉のリンクが外れちゃったから、今までの教室は使えな
        :いって言いたいのね、また(肩をすくめる)」
 大悟     :「みょーなもんでも食うたか?」
 真一     :「たまには、かっこうをつけてもいいだろう。と思っただ
        :けだよ」
 大悟     :「どこが、たまにや(呆)」

解説
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 扉の機能解説と廊下ビルの概観をしめすための話です。

基本構想
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意図:扉の接続が変わることを示す
舞台:廊下ビル(壁に扉が並んでいる廊下が迷路状に無限に存在するビル)
異常:いままで利用していた教室が開かなくなる
日常:別の教室をもとめて放浪する
落ち:繰り返しギャグ

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sfこと古谷俊一 / 奈良県香芝市在住 / ICQ # 6549565
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