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Date: Tue, 25 Jul 2000 22:12:30 +0900
From: 小西 朱水 <akami_k@livedoor.com>
Subject: [KATARIBE 20264] Re: [HA06P] エピソード『花見(仮)』暫定編集版
To: kataribe-ml@trpg.net
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こにゃにちわ。小西でしゅ。
個人的に好みの「花見」エピソードをちょろっと整理してみました。
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エピソード『花見(仮)』
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登場人物
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翡翠(ひすい)
:水島緑の負の部分から生まれたとされる生命体
平田阿戸(ひらた・あど)
:働かない事では他に類を見ない吸血鬼ハンター
染木 忍(そめき・しのぶ)
:謎多き幽霊美人教師、現在、吹利高校に勤務中
琴羽 愛(ことは・あい)
:外見13歳の超かわいい(爆)保険の先生(男)
雅楽(和琴)の伝承者、呪奏の達人
水無瀬 香子(みなせ・きょうこ)
:鉄道マニアな吹利高校2年生。水泳部では翡翠の
表人格=緑の直属の後輩。
三橋 徹 (みつはし・とおる)
:水無瀬香子の恋人。
ついにこの季節が来た!
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春である。
翡翠 :「春だねぇ(ぐいっ)」
陽気な天気の元水島亭の縁側で升酒をあおる翡翠
と、そこにひらひらと一枚の桜の花びらが飛んでくる。
翡翠 :「桜……はっ、そうかっついにこの季節が来たのか!」
と、おもむろに地下迷宮の方へと急ぐ翡翠
少し行ったところで、一つの部屋の前で止まる。ドアには「燃料庫」と書かれ
た札が掛けてある。
SE :「ぎぎぃ」
翡翠 :「ふっふっふ、この日のために集めた酒……くくくく」
聖書協会
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SE :「ドンドンドン」
平田 :「なんだ?まだこんな時間か……寝直そう(ぐぅ)」
SE :「ドンドンドンドン!」
平田 :「ええい、誰だこんな時間に」
といってもまだ午前10時である
ドアは未だ強く叩かれ続けている
SE :「ドンドン!ドバキャ!ガランガラン、ドシャン!」
ノックの強さに耐えきれなかったようだ
SE :「ドタドタドタ」
翡翠 :「おいっ、平田起きやがれ、花見で宴会だ!」
平田 :「んぁ?」
翡翠 :「いいから早く起きろ、まぁなにを言おうが引きずって
:行くけどな」
平田 :「わかった、着替えるから外で待て」
翡翠 :「早くしろよ」
再び水島亭
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翡翠 :「うし、これだ」
平田 :「こ、こんな部屋があったのか」
先ほどの燃料庫である
あたりには樽やら瓶やらがあちこちに並べられている
平田 :「ぐっ、これが全部酒なのか……どこまで続いてるんだ」
翡翠 :「細かいことは気にせず、酒を運べ」
平田 :「ま、まさか……全部運び出すつもりか?(汗)」
翡翠 :「ばぁか。いくらなんでも、そんなに飲めるわけねえだろ。
:それとも、お前飲むか?」
平田 :「(ぶるぶる)冗談ではない」
翡翠 :「とりあえず、さっさと選べ。それを持って出発だ」
平田 :「はてさて………ん?」
呆れ顔で辺りの膨大な酒類を見回す平田の目が、一本の瓶にとまった。
平田 :(マッカラン…25年……)
翡翠 :「ん? なんだ?」
平田 :「これでいいぞ。絶対これだ。これを飲ませないと暴れて
:やる」
まるで駄々っ子である。
翡翠 :「へぇ……そんなに飲みたいか?」(ニヤリ)
平田 :「こんな銘酒、飲む機会を逸すれば一生飲めんかもしれん
:からな」
翡翠 :「そーかそーか。じゃあ、遠慮しないで、今日中に一生分
:飲め」(ぽんぽん)
と、平田の肩を叩きながら翡翠が指差した樽には、しっかり『MACALLAN』と
焼印が押されていた。
平田 :「ま、まさか……」
翡翠 :「気合入れて飲めよ。くくく」
平田 :(や、薮蛇…)
数分後、軽々と酒樽を担いで鼻歌交じりに出て行く翡翠と、ごろごろと酒樽
を転がしながら複雑な表情で出て行く平田の姿があった。
一方、その頃の吹利高校職員室
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かちゃっ、かちゃかちゃ………
外からは運動部の掛け声が聞こえてくる中、今日も染木の机では作業する音が絶え
ない。普通なら過労で倒れてもおかしくないほどの作業を次々とこなしていく。春
休みだからと言って、彼女は忙しいのだ。
自他ともに認める優秀な教師である彼女は文部省をはじめ、多岐にわたる方面か
ら仕事の以来が来る。別に仕事が多いことに対して別に不満はない。特に無理もし
ていない。なぜなら、彼女は人ではない。幽霊だ。幽霊は疲労しない。そして、彼
女は教師になるためだけに存在しているといっても過言ではないのだ。次から次へ
と休む暇なく来る仕事であろうと断る理由はない。
ぶわっ!
ふいに突風が職員室内を駆け抜けた。
「あ!ごめんなさい!……どうもすいません」
同僚の木下先生が同僚のみんなに謝りながら、あたりに散らばった紙をかき集め
ている。
どうやら、外の空気を入れようと窓を開けた瞬間、突風が吹いたようだ。
染木の机のものも飛ばされていた。用紙拾いを手伝うために立ち上がる。
「先生、手伝いましょうか?」
後ろから、年若い声で話し掛けられる。どこか笑いを含んだ声だ。
生徒かしら……?
一瞬、そう思ったが明らかに聞き覚えがある声だ。霊的気配にも高校生のような
若さがない。どこか達観したような気配だ。思い当たるのは一人しかいなかった。
「ありがとうございます、琴羽先生」
少しだけ振り向いて会釈を交わして、散らばった用紙を拾い始める。琴羽と呼ば
れた先生もまたそれを手伝う。
彼の名は琴羽 愛(ことは あい)。彼の父親はどうしても女の子がほしかった
らしく男が生まれたにもかかわらず。<愛>と言う名前をつけたらしい。彼にとっ
ての幸いは名前がすむほどに彼が可愛かったことだ(いや、逆に不幸なのかもしれ
ないが)。なんにせよ、彼は可愛く、若く見えた。今年で25歳にもかかわらず中学
生にしか見えない。体は男にしては華奢だ。普通に考えれば(考える必要もなく)、
異常である。これは彼の家系に由来するものだろう。彼は和琴奏の伝承者の家系に
のうまれだ。ただの和琴奏ではない。祭りを行うための雅楽、つまり、神を奉るた
めの雅楽だ。その演奏には呪力が込められている。その奏者は愛を含めて必ずいつ
までも若く、愛らしい姿をしていた。琴羽流奏術に何らかの秘密があるといわれて
いる。もっとも、今までは女性のみがこの神技を受け継いできたから問題はなかっ
たのだが…………。
片付けはすぐに終わった。が、琴羽は一向に動こうとしない。
「私に何かご用ですか?たしか、昨日の書類は1週間後まででしたよね」
「あ、いや、そうではなくて。今年、和琴の演奏会があるんですけどね。それにお
誘いしようと思いましてね」
「それでどこでやるのです?」
「ええ、折角の春ですから、桜の木下でやるそうですよ。生徒さんでもつれて、見
学しにきませんか?」
「お花見しながら、和琴の演奏会を見る……。そうね、たまの生き抜きも必要ね。
ところで徹二君は元気?彼は弾き手になるのかしら」
徹二と言うのは愛の祖父の名前だ。彼の祖父は染木の教え子なのだ。
「ええ、そうです。おじいさまも先生に会いたがっていましたよ。それでは演奏会
楽しみにしてくださいね」
自分の祖父を君付けされる奇妙な違和感を覚えつつ、琴羽は職員室をでていった。
「さて、遊びに行くためにも今しっかりやっとかないとね!」
トントンとさっき拾った用紙の束をそろえる。
その用紙の隙間からひらひらと桃色の破片が落ちた。
桜の花びらだった。
水島邸玄関
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玄関には先ほどの酒樽が詰まれている
平田 :「ぜーはー、してこれをどこに持っていくのだ?」
翡翠 :「そういや考えてなかったな」
平田 :「……」
翡翠 :「……」
沈黙すること数秒……
倫子 :「あらあら、翡翠ちゃんたらこんなに樽を積み上げて、な
:にかするの?(にこにこ)」
翡翠 :「花見だよ、花見。いい場所知ってる?」
倫子 :「そうねぇ……」
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この間に花見会場へ移動します。
要増補(手遅れ)
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危険な食物
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香子 :「こんにちわ〜」
翡翠 :「あぁ?」
香子 :「長野みやげで〜す」
翡翠 :「なんだてめぇ?」
香子 :「最高級野沢菜と、蜂の子の佃煮と、……」
翡翠 :「おい……」
三橋 :「蚕のさなぎの佃煮です」
翡翠 :「けっ、そんなもの食えるか!」
平田 :(もともとお前は食えないだろ)「まあ、もらえるものは貰っ
:ておくが……コイツの知り合いか?」
香子 :「水泳部で水島緑さんにお世話になってました〜」
平田 :「へえ。」
香子 :「忙しいんで、差し入れだけです。」
三橋 :「さようなら〜」
平田 :(…………虫関係は大学生組にでも黙って食わせよう)
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いまのところ以上です。
しかし、見事に止まっちゃってますね。
参照ML番号:
エピソードの増補・修正関係
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18778 18799 18907 18915 18919 18950
関連ログ
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それでは。
小西 朱水
mailto:akami_k@livedoor.com
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