[KATARIBE 20227] [HA06P] 夏涼み

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Date: Sat, 22 Jul 2000 01:56:43 +0900 (JST)
From: "E.R" <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 20227] [HA06P] 夏涼み 
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <200007211656.BAA86502@www.mahoroba.ne.jp>
X-Mail-Count: 20227

2000年07月22日:01時56分42秒
Sub:[HA06P]夏涼み:
From:E.R


こんにちは、E.Rです。

ふっと一行からもらったネタです。
白雲さんとことらんくんお借りしました>ご両所

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エピソード『夏涼み』
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登場人物
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 ことらん
 瑞鶴の猫:周囲の環境を昼寝にもってこいな状態に整える。名前は無い。
 白雲

本文
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ことらん登場
------------

 というわけで、のっけからことらんが歩いていたりする。
 白い小さな虎は、けれどもいまいち虎らしく見えなかったりする。

 SE     :ぺとぺとぺと

 虎の歩みは重厚にして柔軟、ばねを内に秘めるようなものである……筈、な
のだが。

 SE     :ぺとぺとぺと☆

 ことらんの名誉の為に言う。小なりと言えども虎、まさかアスファルトの上
で足音を立てるようなそんな不器用な真似はしない。
 ……しかし、そう形容したくなるような足取りだったりする(汗)。
 ので、結果……やはり虎には見えないのは……一般常識の観点から見て、幸
なのか不幸なのか。

 SE     :ぺとぺとぺとぺと……ぺと☆

 と。
 歩みが止まる。

 ことらん   :「えぅ?」


瑞鶴の猫
--------

 瑞鶴の猫   :「…………(ぐー)」

 瑞鶴のシャッターに半身をべっとりとくっつけて、猫が眠っている。

 瑞鶴の猫   :「………………(ぐー)」

 瑞鶴の内部は出て行く前の花澄の懇請により、常にほぼ一定の温度と湿度に
保たれている。勿論その環境は店内に限られるのだが、現在、夏の盛りには、
シャッターの内側で冷房が常時働いている状態に等しい。
 その結果、硝子が冷え、その外側のシャッターもひんやりする。
 ……そして、猫がシャッターに張り付くという図が完成する。
 顔半分を無理無理にシャッターに押し付けているので、結果妙に顔が潰れ、
とても見目良いとは言えないわけだが……
 ……心地よさこそ、この場合の最優先課題である。

 瑞鶴の猫   :「…………(ぐー)」

 と。
 シャッターに張り付いていない側の耳がぴく、と動く。
 
 ことらん   :「えぅ?」


第一種遭遇?
------------

 瑞鶴の猫   :「なう?(なんだいお前は)」
 ことらん   :「がぅ」
 瑞鶴の猫   :「…………」

 いつの間にやら、瑞鶴の前にいる白い塊を、不機嫌そうに猫は見やったが、

 瑞鶴の猫   :『おや』

 くん、と匂いを嗅ぐ。
 以前ここに居た空調係と、どこか似た匂いがする。

 瑞鶴の猫   :『涼しいじゃないか』

 むくり、と置きあがる。
 白い塊……もとい、猫族らしい相手は、てん、と座り込んでこちらを見てい
る。……否。

 瑞鶴の猫   :『こっちを見てんのかい』

 視線の先には、瑞鶴。
 同じような空気の、ある場所。

 瑞鶴の猫   :「……(ふすん)」

 ああそうかい、と、なーんとなく納得して……さてその内容については、本
猫も判然とはしていないだろうが……眠り……かけて。

 瑞鶴の猫   :「なう(おいで、こっちに)」

 ちょいちょい、と、前足で招く。
 
 ことらん   :「えぅ」

 てこてこと近づく。
 ふわりと涼しい大気が一緒にやってくる。

 瑞鶴の猫   :「なおぅ(そこ、おすわり)」

 えい、と前足を下ろす。
 てこん、と、ことらんが座り込む。

 瑞鶴の猫   :「…………(ぐう)」

 ……おい(汗)

 ことらん   :「…………(座っている)」
 瑞鶴の猫   :「…………(ぐー)」
 ことらん   :「…………(尻尾の先がぴこぴこ動き出す)」
 瑞鶴の猫   :「…………(ぐーー)」
 ことらん   :「…………(尻尾ぱたぱた)」
 瑞鶴の猫   :「…………なぅ…(なんだい……ねむいんだよ)……」
 ことらん   :「…………(尻尾で猫の背中をぱたぱた)」
 SE     :ぱちっ
 瑞鶴の猫   :「ふがあっ(あーうるさいっ)」
 ことらん   :「がぅ(びっくり)」

 ……勝手ここに極まれり(苦笑)

 と。

 瑞鶴の猫   :「…なう?」
 白雲     :「へっ、へっ、へっ、へっ(大汗)」


白雲来る
--------
 
 もかもかの白い毛。
 冬こそ暖かだが、これは夏は……相当くる。

 白雲     :『……仕方が無いとは言え、暑い……』
 
 黒い毛でなくってまだ幸い……とは、この状態ではとてもとても(苦笑)。
 と。

 瑞鶴の猫   :「なう」
 白雲     :「おんっ」

 顔を上げる。
 未だ、シャッターの閉まったままの書店の前に、いつもの猫と。

 白雲     :「…………?」

 白い、猫……でもない。

 瑞鶴の猫   :『難儀そうだね』
 白雲     :『毛皮を脱いでも暑いらしいから、しょうがなかろうよ』
 瑞鶴の猫   :『毛皮……ああ、人間のことかい』
 白雲     :「……ふすん」

 白くつややかな毛が、暑さでくたびれて見える。

 瑞鶴の猫   :『丁度いい。涼んでいきな』
 白雲     :『涼む?』
 瑞鶴の猫   :『涼しいのが来たんでね』
 白雲     :『……?』

 行儀悪く、あごで示す先を、白雲は小首を傾げて見やる。

 ことらん   :「えぅ(首かしげっ)」
 白雲     :『しかし、これは……』
 瑞鶴の猫   :『涼しかろう?』

 ……いやそーゆー問題ではなくって(汗)

 白雲     :『この子の正体を、知っているのかい?』
 瑞鶴の猫   :『知らないよ(あっさり)』

 琥珀の眼が、きろんと見開かれて。

 瑞鶴の猫   :『涼めればいいのさね』
 白雲     :『…………確かに(苦笑)』
 ことらん   :「……がぅ……(しっぽぴこぴこ)」

 では、と、日陰に白雲が入る。
 すう、と涼気が走る。

 白雲     :『なるほど』
 ことらん   :「……(白雲の尻尾見てる)」
 

お昼寝日和
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 ことらん   :「…………(じーーと見てる)」
 白雲     :「……おん(なんとなくやな予感)」
 ことらん   :「……がるるるるる……」
 白雲     :「…………(汗)」
 SE     :はしっ☆
 白雲     :「おんっ(予感的中)」

 ふさふさの尻尾というのは、魅力だったようで(苦笑)

 白雲     :『……で、これをどうしろと(汗)』
 瑞鶴の猫   :『丁度いいから遊んでやっておくれよ。涼しいよ』
 白雲     :『……そちらはどうする積りなんだろう?』
 瑞鶴の猫   :『寝るのさね(きっぱし)』

 …………おいーーーー(汗)

 白雲     :『はじめから、子守りの目的で声をかけたな(憮然)』
 瑞鶴の猫   :『おや、そこまで根性が悪くは無いさね(しれっ)』
 ことらん   :「えぅ」
 瑞鶴の猫   :『んじゃお休み(ごろんっ)』
 白雲     :『…………………』

 閉じたシャッターの前に、一列に。
 猫と虎と犬と。

 ことらん   :「がぅ(白雲の尻尾にじゃれている)」
 白雲     :(嘆息)
 瑞鶴の猫   :「…………(ぐーー)」

 とりあえず、夏真っ盛りの午後の二時。
 まだまだ暑い日は続きそうである。

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 ちうわけで。
 …うーむう(汗)

 んではでは。



    

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