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Date: Wed, 19 Jul 2000 04:47:45 +0900
From: KATARIBE Designer FURUTANI Shun-ichi <sf@kataribe.com>
Subject: [KATARIBE 20203] [IC01P] エピソード 001 『窓のむこうの楽園』
To: kataribe-ml@trpg.net
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無限都市コード01:学園不条理コメディもの:《学園》見聞録
の再展開です。
まあ、IC04の参考にもしてやってください。
……ま、こんなノリなのです。
エピソード001『窓のむこうの楽園』
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登場人物
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鈴掛真一(すずかけ・しんいち) :メガネの男子高校生。いつも平静な語り手。
赤碕大悟(あかさき・だいご) :ごっつい男子高校生。鈴掛の友人。
加賀見みよし(かがみ・‐) :女子高校生。鈴掛の友人。
教室にはいると
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いつものように登校。今日は無事に教室にたどりつけた。校門で射殺もされ
なかったし、教室へのドアも見つけられたし。めでたい。
ふと気がつくと、窓のほうで人だかりが出来ているようだ。
真一 :「おーい、どうした」
大悟 :「みろや、えー天気や(大きく腕を回す)」
窓の一つのむこうには。熱帯の海岸が広がっていた。
白い砂浜。サンゴ礁。見たこともないほど澄んだ空と海。陽射しがまぶしい
のはなんだけど、いい景色だった。
授業
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担任がいちばん喜んでしまい、授業は浜辺で行うことになった。とはいえ形
だけだ。みんな泳いでみたり、火をおこして騒いだり。
まあどのみち、あの日光の入るなか、教室で勉強なんて出来るわけもないか
ら、先生の判断は賢明だったのかも知れない。
大悟 :「しかしまあ、こないに快適な場所に繋がるのも珍しいわ
:な(にかっ)」
真一 :「酷い場所に繋がってたら生きてないから覚えてないはず
:なんだが。それでも、ろくな記憶がないからなぁ」
みよし :「水着を持ってこれなかったのが残念ね」
……と。泳いでいた連中から悲鳴が聞えた。
大悟 :「どないした?」
真一 :「快適な場所というわけでもなかったようだな」
悲鳴の砲を眺めると、ワニに似た体の半分ほどもある大口のトカゲがいた。
牙は一メートルはあるだろうか。みんなまとめて食われている。
真一 :「なんだ、中生代につながってたのか」
みよし :「そうみたいだね。記念品拾ってかえろっと」
大悟 :「あいかわらず、ええ根性やな」
翼竜らしいものが飛んでいるのも見えた。
真一 :「世はなべて事もなし」
夕方の浜辺
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日は沈み、乾いた流木をあつめてつくったキャンプファイアも、そろそろ尽
きようとしていた。
みよし :「……帰れないみたいだな」
大悟 :「ああ」
真一 :「食われたれんちゅう、楽したのかもな」
みよし :「そうね。12時になる前になんとかしないと」
しかたなく、みんなで薬をのんだ。
今日の記憶が持ち帰られないのは残念だ。
解説
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たしか1989年ごろに書いていた、無限都市の初期作品のネタをもとにしたエ
ピソード量産計画の試作品。ネタはいっしょでも、料理法や話は別物になって
ますね。
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sfこと古谷俊一 / 奈良県香芝市在住 / ICQ # 6549565
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