[KATARIBE 260] HA:Letters B/side

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Date: Thu, 06 Mar 1997 21:40:35 +0900
From: Etsuko Nakazono <nakazono@ss.ffpri.affrc.go.jp>
Subject: [KATARIBE 260] HA:Letters B/side
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            こんにちは、いー・あーるです。

  何だかこの二三日、暇じゃないのに暇で・・・・
 小人閑居してなんとやら。(^^;)

 シェイドさんの書いてらした「少女の正体」の
「乗り移った奴」書いてみましたが・・・・・
  いらなかったら切って下さい。

                 **************************************************

『来ぬ人と  知りつつ待ちし 日を数え・・・・・・』


女が、いたという。
ろうたけて美しい女であったが、特にその髪は解けば床へと流れ落ち、
鏡のような光沢であったという。

女には、待ち人がいたという。
都へ行き、会うこともままならぬ男からの文を、女は来る日も来る日も
待っていたという。

文は、日に日に間遠くなり、周りの者達も諦めよと口に出すまでになったが、
やはり女は日に日に髪を梳きつつ、男を、文を待ったという。

やがて。
女は、風の便りに、男が都で妻を娶ったと聞いた。
女は、筆を取り、文を送った。
まことか、と。

文が返る。
まことなり、と。


一夜。

女の黒髪は庵を包み、地を覆い、天に向かってよじれるように延び。
そして、ざん、と地に落ちた。

 翌朝、残ったものは、壊れた庵と何かが這い巡った跡だけであったという。

そして、同じ朝。
男は、己の黒髪にがんじがらめに縛られて息絶えた妻を見出したという。
男の悲鳴に近寄った者達の目の前で、妻の髪はゆるゆると男に巻きつき、
なぶるように、いとおしむように男を包み込んでいったという。
以来、男の姿は消えたという。

そして。
その日より、夜、悄然と立ちすくむ女の姿があったという。
男が声をかければ、待つ人のおいでかと問い返す。否といえばそれまで、
肯えば御主もか、と一声叫び、頭より食らうという。
怪異は人の知るところとなり、そして或る時より、ふつりと絶えた。


  後に、春日の宮の端に埋められたものがあった。
如何にその嘆きの故とはいえ、その罪余りに重し。然れども汝、
同じ痛み持つ者の為に、共に嘆き、共にその痛みを負え、と。
 それは、封じられて有るが故に、益ともなる台詞。


しかし・・・・・

      *********************************************************

日本の姫君は、河で隔てられただけで泣いて諦めるが、
唯一の例外は清姫だ・・・・とか聞いたことがあります。
以来、清姫が好きでして。(で、ずるずる這って行く、と・・・)
蛇にまでなって、最後には取り殺す!いや、最高!
(男性の方々のご意見はどうでしょうか・・・・(^^;;;;)

              いー・あーる(nakazono@ffpri.affrc.go.jp)

    

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