[KATARIBE 19733] [WP01P] 『基督』

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Date: Wed, 21 Jun 2000 17:13:34 +0900 (JST)
From: 久志  <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 19733] [WP01P] 『基督』 
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <200006210813.RAA04524@www.mahoroba.ne.jp>
X-Mail-Count: 19733

2000年06月21日:17時13分34秒
Sub:[WP01P]『基督』:
From:久志


 ノってる久志はコワいぞー(いつ失速するかは未定)

#奏雅の話を続けてみる。

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エピソード『基督』
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登場人物
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 碓氷奏雅(うすい・そうが)
    :終末の住人、水神に祟られている。フリーライター
 殿間篤史(とのま・あつし)
    :奏雅の仕事仲間のカメラマン
 松田耕作(まつだ・こうさく)
    :奏雅の知り合い?の刑事

悪い女
------

 幕間、いつもの渋谷での待ち合わせの店の名前。雰囲気にはそぐわないかも
しれないが、その名前は気に入っている。そろそろここを切り上げて向こうに
いかないといけない。
 駅前の居酒屋、隣の席においた鞄をとりあげた。

 奏雅     :「では、松田さん。今日はお忙しいところ取材に協力して
        :いただいてありがとうございました」
 松田     :「え、はい、お役に立てて」

 わたわたと伝票をつかんで立ち上がる。取材の協力をお願いして食事に誘っ
たはいいが、この少し浮かれた顔を見ているとなんだか騙しているようで少し
気がひける。
 最近の渋谷界隈の少年犯罪の状況、補導された子達、薬物検挙者の未成年者
の比率。雑誌のライターとして最近の若者の動向を知りたい、との依頼で幾つ
かの情報を調べてもらった、さすがに詳細までは聞き出せないが今の段階で全
く手がかりが無い以上少しでも手がかりになる情報が必要だ。

 奏雅     :「また、何かありましたらご連絡してよろしいでしょうか?」
 松田     :「はいっ、いつでも。えっと……その、また一緒にお食事
        :でも、いっ、いかがですか?」
 奏雅     :「ええ、ぜひ(にこ)」

 ずるい女だ。


幕間にて
--------

 駅前で松田刑事と別れ電車に飛び乗る。何時の間にか暗く湿った空から無数
の雨粒が降り注ぎ、列車の窓に斜めに筋をつけた。
 渋谷について本降りになってきた雨の中を小走りに抜けて店へと足を運んだ。

 奏雅     :「おまたせ、殿間くん」
 殿間     :「奏雅さん、どうでした?」
 奏雅     :「正直、あまり情報はなかったわね。……すいません地獄
        :の黙示録お願いします」
 店員     :「かしこまりました」

 殿間     :「やはり、あまり情報は流れてないんですね」
 奏雅     :「ええ、最近の補導状況や薬物の摘発でもなかなかひっか
        :かってこないみたいね」
 殿間     :「口をつぐんでるんでしょうか?」
 奏雅     :「おそらくね」

 十代の子達なら、自分らを理解しない大人の警察よりも同年代の憧れの少年
の方が遥かに大切だろう。

 奏雅     :「ああ、あとこんな情報が入ってたわね。最近、家出した
        :子達の中で、自分で自分の小指を傷つけていた子が何人か
        :いるみたい」
 殿間     :「それは……」
 奏雅     :「幸い、それほどの度胸はなかったのか皆切断までは至っ
        :てなくて、皆軽い怪我で済んでるそうよ」
 殿間     :「やはり……トシヤの影響なんでしょうね」
 奏雅     :「少しでもトシヤに近づきたい、けれど、自分の指を切断
        :するほどの度胸はないってところかしらね」
 殿間     :「……こっちもあまり実りはないですね、トシヤの行動が
        :なかなか把握できなくて、居場所の絞りようがないんです。
        :ファンの子達曰くでは閉ざされた卵の中の世界に生きてい
        :ると主張しているらしいですけど」
 奏雅     :「閉ざされた卵の世界?」
 殿間     :「現実と違う空間……とか言ってる子がいましたけどね、
        :なんだか言ってることが怪しいんですよ」

 現実と違う空間。
 殿間くんは端から信じていないが、自分には覚えがあった。
 ………結界?

 殿間     :「そう、もう一つあるんですけど。奏雅さん聖痕現象って
        :知ってますよね?」
 奏雅     :「スティグマ……キリストの傷と同じ場所から原因不明の
        :出血をするっていうあれのこと?」
 殿間     :「そうです、それがトシヤの身にも起こってるっていうん
        :ですよ、しかも傷痕の一つもなく血を流すらしいです」
 奏雅     :「自分で傷をつけているんじゃないの?」
 殿間     :「俺もそう思いますが。でもその子はハッキリ見たと言っ
        :てるんです。両手の血を拭った後に傷が残っていない所を」
 奏雅     :「まさにファンにとって奇跡の人なのね」
 殿間     :「ええ、色んな噂がまことしやかに言われてます。ライブ
        :の時のトシヤはいつも白の衣装で、だんだん血で赤く染ま
        :っていくとか、現実離れした噂があるそうです」

 話題性だけの噂なのか、はたまた真実なのか。
 今はまだ知るよしもない。

 奏雅     :「この件……かなり深いわね」

解説
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 トシヤの情報を集める奏雅と殿間。いくつかの奇妙な噂を耳にする。
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いじょ

 ヒキが弱いのぉ
なんか勢いオンリーで話を書いている……


    

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