[KATARIBE 19722] [WP01P] エピソード『熱波』

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Date: Tue, 20 Jun 2000 18:24:03 +0900 (JST)
From: "E.R" <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 19722] [WP01P] エピソード『熱波』 
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <200006200924.SAA62398@www.mahoroba.ne.jp>
X-Mail-Count: 19722

2000年06月20日:18時24分02秒
Sub:[WP01P]エピソード『熱波』:
From:E.R


 こんにちは、E.Rです。
 エピソードです。
 顔つなぎばっかやってる気がしますが、エピソードです。
 ……奇子ちゃんお借りしました。

 #……イメージで判断したけど、ジャックフロスト人形って、何?(爆)
 ##「大きな森の小さな家」では、ジャックフロストって、霜の精なんだもん。

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エピソード『熱波』
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登場人物
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青天目譲(なばため・ゆずる):エンパスの狩人。方向音痴。
六条奇子(ろくじょう・あやこ):ジャックフロスト人形を抱えた少女。

本文
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 本来。
 道に迷わなければ、そんなところに行く筈も無かった。

 譲      :「…………」

 昼の一番長い季節にも関わらず、あたりは既に薄暗い。
 熱気だけが、変わらずに渦巻いている。

 譲      :「(まいったなー)」

 梅雨の合間の、晴れた日。夕刻になっても、人通りは多い。それも、彼より
も年下に見える…つまりは学生達が、奇怪な服装に包まれて歩いてゆく。
 どこか、同じ色の空気に包まれて。
 
 譲      :「……?」

 そのうちの一人に、ふと、視線を惹きつけらて、譲は瞬きをした。
 片手にはめた手袋。放たれるのは鈍痛。そして………
 熱狂。仲間意識。心酔。依存。

 譲      :「(……いやだな)」

 捧げるものが大きければ大きいほど、彼らは熱狂する。これだけのものを、
捧げることが出来るのだ、と。相手の為に捧げて惜しまないのだ、と。
 透き通るほどの心酔。
 そして、その裏に有る……心酔に応える何かを要求する心。
 どこか当然のように。
 ごく、自然なものとして。

 譲      :「…………」

 見えてしまう感情への嫌悪と、見えてしまう自分への嫌悪で、一度譲は頭を
振り……そして、ふと、その動きを止めた。

 彼だけでは、無い。
 
 全員ではない。けれどもこの通りを歩く数人から、やはり同じような感情が
零れ出している。艶やかな、薄紫の触手のように。
 嫌悪。そして…同等の、好奇心。
 心酔する者達の歩む方向を、見る。先鋭化した期待と願いの向う先……

 譲      :(?)

 さほど大きい、とも思えない建物の、扉の向こう……
 惹きつけるもの。魅するもの。
 その、核ともなる存在……そして。

 いくつもの、異様な

 譲      :「……っ」

 背筋を、きいんと音が走るような感覚に、思わず譲は振りかえった。

 ??     :「キミは、行かないのかい」
 
 少女。
 ウェーブのかかった髪。うつろな瞳。抱えられた人形。
 見せかけの静けさの中に、よどむような……衝動?

 人形     :「その為にここに来たんじゃないのかい」

 御伽噺の老婆に似た笑い。キイキイ声。そしてその度に人形の口がかくかく
と動く。オレンジ色の感情が、口から鮮やかなまでに溢れ出して。

 譲      :「……僕は、ああいうのは苦手なので」

 少女の感情は、少女の腕の人形を発露の道具としているようだった。
 だから、人形にではなく、少女に応える。
 
 人形     :「じゃ、何でここにいるのさ」
 譲      :「道に、迷ったので……申し訳無い、近くの駅ってどっち
        :かな」
 人形     :「方向違いだね。ライブハウスの向こう」
 譲      :「ありがとう」

 一礼する。

 譲      :「(と、言うことは…あそこの前を通るわけだ)」

 覚えず、溜息をついてしまった譲の横を、すい、と少女が歩いてゆく。
 人がいることさえ気がついていないような、無頓着な歩みで。

 一瞬。
 心のどこかを、何かが掠めるような感覚があった。
 反射的に……何かを斬った、ような気が、した。

 譲      :「…………」

 少女は、そのまま歩いてゆく。
 小さな姿が扉の向こうに消えてから、譲は初めて歩き出した。

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 ちうわけで。
 最後のほう、奇子ちゃんから意識の糸が来て、
それを譲が自律で切ってます(笑)
 もし、そういうことはしないようでしたら、斬って下さい。
 つか……かなり、IRCの印象だけで書いてますので(爆滅)
 駄目だこれわ、ということならば、まとめて取り下げますので>はりにゃ

 ……しかし、トシヤ氏には、会えなかった(^^;;;

 んでは、また。


    

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