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Date: Tue, 20 Jun 2000 12:07:36 +0900 (JST)
From: 久志 <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 19716] [WP01P] 『己の領域』
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <200006200307.MAA48886@www.mahoroba.ne.jp>
X-Mail-Count: 19716
2000年06月20日:12時07分36秒
Sub:[WP01P]『己の領域』:
From:久志
久志@ケケケ です。
こじちゃん、愛い奴よのう(愛い奴と書いていぢめがいのある奴と読む)
#作中でトシヤが結界のことを領域と呼んでいるのは彼独自の呼び方っす。
いぢめてやろうそうしよう(笑)
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エピソード『己の領域』
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人物紹介
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呉敏也(くれ・としや):
:終末の住人、「指」のトラウマに囚われた男
八島小次郎(やしま・こじろう):
:覚醒したばかりの終末の狩人。
結界修行
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小次郎 :「くっ……」
結界を張る。
水稚やあの男はいとも簡単に作り出していたというのに、どうも自分はうま
くいかない。
教わった通りに力を使っていても、力を入れすぎて壊れてしまったり、吹け
ば飛ぶような弱い結界になったりしてしまう。
耳の奥深くに響くような透き通った音。
しかし、それは徐々に尻すぼみになり消えていった。
小次郎 :「………また駄目か」
時間が経てば経つほど集中力が欠いていく、己の焦りをあらわすように結界
もまるで形をなしてくれない。
小次郎 :「畜生!」
焦る程うまくいかないのはわかっている、だが、続けるしかなかった。
あの男に追いつく為に。
捜索者
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近い。
かすかに耳に届いた音と、五感を越えて届いた奇妙な感覚。
領域だ。
トシヤ :「まだ張り方が甘いな、慣れてない。……とすれば、ここ
:最近覚えた奴か」
自分自身もこの力を得てから一年しか経っていないが、それまでの間に何度
となく領域を作りその力を知ることに力を注いできた。ただ率直に、この領域
の正体が何なのか、何ができるのかを知りたかったからだ。
トシヤ :「あーあーまた壊れた、焦ってやがんな」
作りかけては壊れ、また張っては壊れる。
当人の焦りとイラつきが手に取るように伝わってくる。
トシヤ :「……見てみるか」
同じ力を持つ者なら関わって損はない。うまくいけば仲間として自分の味方
につけることもできるかもしれない。
再び
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トシヤ :「なんだ、アンタか」
小次郎 :「お前は……」
ようやく張られた小さな結界の中で、見覚えのあるいつぞやの奴がいた。
小次郎 :「……トシヤだな、一体何の用だ?」
トシヤ :「用ってわけでもねえけどな。領域を作る奴を探していた
:ら、偶然アンタんとこに出くわしたってとこだな」
小次郎 :「………なるほど」
胡散臭げに見ていた目がふっとおとなしくなる。良くも悪くもストレートな
奴だ、領域の張り方を見ていてもすぐに理解できる。
トシヤ :「それにしても………アンタ」
逆に、そういう奴にかぎってちょっとつついただけで面白いように噛みつい
てくるだろう。
トシヤ :「ヘタだな」
小次郎 :「…………(むかっ)」
トシヤ :「見ときなよ」
奴の領域を握り潰し、辺りを一瞥する。耳の奥に音が響き、自分の周囲があ
たりから切り取られていく。
トシヤ :「こうやって張るんだぜ(にやり)」
小次郎 :「…………くっ(怒)」
トシヤ :「ムラっ気があるから割れんだよ」
小次郎 :「うるせぇ!」
指先を激昂した奴の鼻先に伸ばす。
トシヤ :「いーか、まずはテメエの周りをみるんだぜ。そしたら、
:領域作ることだけに集中しろ」
小次郎 :「………?」
トシヤ :「途中でチョッカイだされてもからかわれても、キレんじゃ
:ねえぜ。いいな?」
小次郎 :「…………」
トシヤ :「練習の邪魔したな。ま、せいぜい精進しとけよ」
小次郎 :「………」
指をならして領域を消し、黙ったままの奴に背を向けて立ち去った。
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いじょ
……創作意欲とはイヂめ欲と正比例すると見つけたい(おい)
台詞修正とかあったらお願いしまっす。