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Date: Mon, 19 Jun 2000 02:24:27 +0900
From: k-sasaki@tg7.so-net.ne.jp (k-sasaki)
Subject: [KATARIBE 19670] Re:[HA06P] エピソード『ビーカーとジュース』完成版
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <200006181726.CAA16368@mail.tg7.so-net.ne.jp>
X-Mail-Count: 19670
こんばんわ、ぼ〜みんです。
gallowsさん、いろはさんありがとうございますですぅ〜。
完成版流します〜。
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エピソード『ビーカーとジュース』
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登場人物
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比企玉緒(ひき・たまお) :吹利高校実験科の二年生。化学部にはごくた
:まに顔を出す程度。やや悪趣味。
染木忍(そめき・しのぶ) :謎多き美人教師。化学部顧問。
火撫楓(ひなず・かえで) :吹利高校実験科の二年生。化学部の部長。
本題
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いつもより早めにホームルームが終わったある日のこと。火撫が意気揚々と
化学実験室の扉を開けるのだが。
火撫 :「比企さん、ビーカーでトマトジュース飲むのはやめてぇ」
目に入ってきた光景に力なく呻く。
薄暗い化学実験室で独りジュースを飲んでいたのである。
玉緒 :「トマトジュースに……見えるのね?」
火撫 :「おいっ、まさか、生き血じゃないだろうなっ!?」
真っ赤で、トロリとしている液体……。トマトジュースではないとしたら、
生き血の他に何がある?
玉緒 :(窓の外を見て)「……もうすぐ、梅雨ね」
火撫 :「話、そらすし(しくしく)」
玉緒 :「気にしないで、そのうちいいことあるわ……たぶん」
火撫 :「あうぅ〜、もう生き血でもなんでもいいから他の人が来
:る前に飲んじゃって……。化学部が変な目で見られかねな
:いからぁ……」
ビーカーの中の液体はまだかなり残っている。
玉緒 :「わかったわ……」
そう言って、玉緒が飲みだすと同時に。
SE :がちゃっ
謀ったかのように、実験室の扉が開かれた。
染木 :「んー、ビーカーをコップ代わりに使うのはいいけどしっ
:かり洗ってから使いなさい。何がついているかわからない
:んだから」
玉緒 :「お気遣いどうも」
火撫 :「先生? おどろかないんですか?」
染木 :「ビーカーの中身のこと? まあ、好みは人それぞれだか
:ら、あまり立ち入るのもね」
玉緒 :「おいしいのよ。先生もおひとつどうですか?」
火撫 :「勧めんなよ、おい」
染木 :「せっかくだけど、遠慮するわ。ビーカーでジュースを飲
:むのは私の好みじゃないのよ」
染木先生はいつものように穏やかな物腰でにこりと微笑む。
玉緒 :「わかります?」
染木 :「ま、教師の感ってやつね」
火撫 :(教師の感でわかるものなのか?)
火撫は内心つっこむ。
染木 :「それじゃ、ちょっと職員室にいってくるから今日の実験
:始めるのはもう少し待っててね」
火撫 :「あ、はーい」
化学室。再び二人だけでのんびりと。
火撫 :「なんだ、やっぱりただのジュースだったんじゃないかぁ。
:比企さんのことだからてっきりさ〜」
安心した途端に少し喉が渇く。火撫はにこやかにビーカーに手を伸ばし、残
った『ジュース』をごくごくっと軽快に飲み干す。
玉緒 :「癖に、なるのよね」
その味は、まぎれもなくタバスコのそれ。冷水機へと走る火撫の目からは、
ぽろぽろと涙。
神様は残酷だね。
いつだって僕に過酷な運命を用意してるんだ。
時系列
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2000年梅雨入り直前のお話
解説
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これが日常なんです。
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火撫、振り回されました(笑)
でわでわ〜っ☆
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ぼ〜みん
E-mail : k-sasaki@tg7.so-net.ne.jp
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