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Date: Sat, 17 Jun 2000 15:59:19 +0900 (JST)
From: いろは <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 19646] Re: [HA06P] エピソード『ビーカーとジュース』
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <200006170659.PAA34300@www.mahoroba.ne.jp>
In-Reply-To: <200006161416.XAA07434@mail.tg7.so-net.ne.jp>
References: <200006161416.XAA07434@mail.tg7.so-net.ne.jp>
X-Mail-Count: 19646
2000年06月17日:15時59分18秒
Sub:Re: [HA06P]エピソード『ビーカーとジュース』:
From:いろは
>こんばんわ。
>ぼ〜みんです。
いろは です
最終チェックしまする
>**********************************************************************
>エピソード『ビーカーとジュース』
>================================
>登場人物
>--------
> 比企玉緒(ひき・たまお) :吹利高校実験科の二年生。化学部にはごくた
> :まに顔を出す程度。やや悪趣味。
> 染木忍(そめき・しのぶ) :謎多き美人教師。化学部顧問。
> 火撫楓(ひなず・かえで) :吹利高校実験科の二年生。化学部の部長。
>
>本文
>----
> いつもより早めにホームルームが終わったある日のこと。火撫が意気揚々と
>化学実験室の扉を開けるのだが。
>
> 火撫 :「比企さん、ビーカーでトマトジュース飲むのはやめてぇ」
>
> 目に入ってきた光景に力なく呻く。
> 薄暗い化学実験室で独りジュースを飲んでいたのである。
>
> 玉緒 :「トマトジュースに……見えるのね?」
> 火撫 :「おいっ、まさか、生き血じゃないだろうなっ!?」
>
> 真っ赤で、トロリとしている液体……。トマトジュースではないとしたら、
>生き血の他に何がある?
>
> 玉緒 :(窓の外を見て)「……もうすぐ、梅雨ね」
> 火撫 :「話、そらすし(しくしく)」
> 玉緒 :「気にしないで、そのうちいいことあるわ……たぶん」
> 火撫 :「あうぅ〜、もう生き血でもなんでもいいから他の人が来
> :る前に飲んじゃって……。化学部が変な目で見られかねな
> :いからぁ……」
>
> ビーカーの中の液体はまだかなり残っている。
>
> 玉緒 :「わかったわ……」
>
> そう言って、玉緒が飲みだすと同時に。
>
> SE :がちゃっ
>
> 謀ったかのように、実験室の扉が開かれた。
>
> 染木 :「んー、ビーカーをコップ代わりに使うのはいいけどしっ
> :かり洗ってから使いなさい。何がついているかわからない
> :んだから」
> 玉緒 :「お気遣いどうも」
> 火撫 :「先生? おどろかないんですか?」
> 染木 :「ビーカーの中身のこと? まあ、好みは人それぞれだか
> :ら、あまり立ち入るのもね」
> 玉緒 :「おいしいのよ。先生もおひとつどうですか?」
> 火撫 :「勧めんなよ、おい」
> 染木 :「比企さん。教師がビーカーでジュースを飲むわけにもい
> :かないでしょう?」
染木 :「せっかくだけど、遠慮するわ。ビーカーでジュースを飲
むのは私の好みじゃないのよ」
> 染木先生はいつものように穏やかな物腰でにこりと微笑む。
>
> 玉緒 :「わかります?」
> 染木 :「これでもね、長年教師をしてれば血液とトマトジュース
> :の差くらいわかるものよ」
> 火撫 :(どういう理屈だ、それは)
染木 :「ま、教師の感ってやつね」
火撫 :(教師の感ってなんだ?)
>
> 火撫は内心つっこむ。
>
> 染木 :「それじゃ、ちょっと職員室にいってくるから今日の実験
> :始めるのはもう少し待っててね」
> 火撫 :「あ、はーい」
>
> 化学室。再び二人だけでのんびりと。
>
> 火撫 :「なんだ、やっぱりただのジュースだったんじゃないかぁ。
> :比企さんのことだからてっきりさ〜」
>
> 安心した途端に少し喉が渇く。火撫はにこやかにビーカーに手を伸ばし、残
>った『ジュース』をごくごくっと軽快に飲み干す。
>
> 玉緒 :「癖に、なるのよね」
>
> その味は、まぎれもなくタバスコのそれ。冷水機へと走る火撫の目からは、
>ぽろぽろと涙。
>
> 神様は残酷だね。
> いつだって僕に過酷な運命を用意してるんだ。
>**********************************************************************
てな感じで、修正をちびちびとしておきました。
それではー