[KATARIBE 19634] Re: [HA06P] エピソード『ビーカーとジュース』

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Date: Fri, 16 Jun 2000 23:14:11 +0900
From: k-sasaki@tg7.so-net.ne.jp (k-sasaki)
Subject: [KATARIBE 19634] Re: [HA06P]     エピソード『ビーカーとジュース』
To: kataribe-ml@trpg.net
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こんばんわ。
ぼ〜みんです。

gallowsさん、いろはさん、ありがとーございます〜。
火撫のセリフと地の文に修正をいれました。
とりあえずまとめてみましたので、最後の確認お願いします。
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エピソード『ビーカーとジュース』
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登場人物
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 比企玉緒(ひき・たまお)	:吹利高校実験科の二年生。化学部にはごくた
             	:まに顔を出す程度。やや悪趣味。
 染木忍(そめき・しのぶ)	:謎多き美人教師。化学部顧問。
 火撫楓(ひなず・かえで)	:吹利高校実験科の二年生。化学部の部長。

本文
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 いつもより早めにホームルームが終わったある日のこと。火撫が意気揚々と
化学実験室の扉を開けるのだが。

 火撫     :「比企さん、ビーカーでトマトジュース飲むのはやめてぇ」

 目に入ってきた光景に力なく呻く。
 薄暗い化学実験室で独りジュースを飲んでいたのである。

 玉緒     :「トマトジュースに……見えるのね?」
 火撫     :「おいっ、まさか、生き血じゃないだろうなっ!?」

 真っ赤で、トロリとしている液体……。トマトジュースではないとしたら、
生き血の他に何がある?

 玉緒     :(窓の外を見て)「……もうすぐ、梅雨ね」
 火撫     :「話、そらすし(しくしく)」
 玉緒     :「気にしないで、そのうちいいことあるわ……たぶん」
 火撫     :「あうぅ〜、もう生き血でもなんでもいいから他の人が来
        :る前に飲んじゃって……。化学部が変な目で見られかねな
        :いからぁ……」

 ビーカーの中の液体はまだかなり残っている。

 玉緒     :「わかったわ……」

 そう言って、玉緒が飲みだすと同時に。

 SE     :がちゃっ

 謀ったかのように、実験室の扉が開かれた。

 染木     :「んー、ビーカーをコップ代わりに使うのはいいけどしっ
        :かり洗ってから使いなさい。何がついているかわからない
        :んだから」
 玉緒     :「お気遣いどうも」
 火撫     :「先生? おどろかないんですか?」
 染木     :「ビーカーの中身のこと? まあ、好みは人それぞれだか
        :ら、あまり立ち入るのもね」
 玉緒     :「おいしいのよ。先生もおひとつどうですか?」
 火撫     :「勧めんなよ、おい」
 染木     :「比企さん。教師がビーカーでジュースを飲むわけにもい
        :かないでしょう?」

 染木先生はいつものように穏やかな物腰でにこりと微笑む。

 玉緒     :「わかります?」
 染木     :「これでもね、長年教師をしてれば血液とトマトジュース
        :の差くらいわかるものよ」
 火撫     :(どういう理屈だ、それは)

 火撫は内心つっこむ。

 染木     :「それじゃ、ちょっと職員室にいってくるから今日の実験
        :始めるのはもう少し待っててね」
 火撫     :「あ、はーい」

 化学室。再び二人だけでのんびりと。

 火撫     :「なんだ、やっぱりただのジュースだったんじゃないかぁ。
        :比企さんのことだからてっきりさ〜」

 安心した途端に少し喉が渇く。火撫はにこやかにビーカーに手を伸ばし、残
った『ジュース』をごくごくっと軽快に飲み干す。

 玉緒     :「癖に、なるのよね」

 その味は、まぎれもなくタバスコのそれ。冷水機へと走る火撫の目からは、
ぽろぽろと涙。

 神様は残酷だね。
 いつだって僕に過酷な運命を用意してるんだ。


時系列
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 2000年梅雨入り直前のお話

解説
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 これが日常なんです。

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 このEP、本体の似たような体験を思い起こさせます。
 あのときは「ワサビせんべい」だったなぁ〜(笑)

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 ぼ〜みん
 E-mail : k-sasaki@tg7.so-net.ne.jp
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