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Date: Fri, 16 Jun 2000 19:32:46 +0900 (JST)
From: ji-guy@dike.dricas.com
Subject: [KATARIBE 19616] [WP01P] エピソード 65 『侠児、怒る!』完成版
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <200006161032.TAA29395@mailsv1.dricas.com>
X-Mail-Count: 19616
吉GUYです。
私のキャラしか出ていませんが、完成版として修正したものをMLに流します。
問題無いようでしたら、これをsfさんの所へ送りたいと思います。
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エピソード『侠児、怒る!』
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登場人物
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厳侠児(げん・きょうじ):
:終末の住人。経歴、行動に謎が多い。
:異能は地面にできた影の上を高速で移動する"疾影"
加賀清彦(かが・きよひこ):終末の住人。侠児の旧知の人物?
都内某所
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結界を張って駅の改札を跳び越える。
駅を出て……
侠児 :「(……結界!?)」
自分の張る以外の結界を遠方に察知する。
侠児 :「(……この……独特の張り方……癖……)」
そして場所を考慮に入れ。
侠児 :「(やはり加賀さんだ……。)」
嫌な予感がする。
侠児 :「(……急いだほうがいいな。)」
自分の結界を解く。
そのとき……
SE :バュウウウゥゥゥゥゥゥ……
侠児 :「!!!」
常人では感じることができない衝撃波が侠児の身体を撃った。
侠児 :「戦闘体制!!?」
侠児が感じた結界の波形が強まっている。
侠児 :「(敵がいるのか!? ……確か加賀さんの対は既に……まさ
:か堕とし子!? ……とにかく急いだ……)」
通りに目をむける。
侠児 :「!」
現在の時刻は12時半。太陽が南中高度に上がりはじめている。今は日中で最も
影が小さくなってゆく時間だった。
通行人や建物が地面に落とす影は点々としている。
侠児 :「しまったっっ……」
"疾影"は使えない。侠児は駆け出した。
侠児 :「間に合ってくれっ!」
相打ち
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SE :ボヒュュゥゥォオォォォ……
堕とし子の死体が大量の塵となり中に舞い上がる。それが空気に溶けて消えて
ゆく。
加賀 :「……ぅ」
住人と思しき人間が一人、地面に寝転がったまま苦痛に呻いた。辺りにはガラ
スの破片やビルの瓦礫が散っていた。
加賀 :「……」
誰かがこの空間に侵入したのを感じた。だが、加賀にはそれに備えて動くため
の力はもう無い。
足音が聞こえ始める。
侠児 :「加賀さんっ!」
侠児が駆け寄って来る。
侠児 :「しっかり!」
加賀 :「……ぅ…………だ…れ……だ…………」
加賀は侠児を知らない。だが侠児は加賀を知っている。
手向け
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侠児が"旅立つ"前、加賀は侠児に言った。
加賀 :「いよいよ行くのか。」
侠児 :「はい。」
加賀 :「お前の行く末を占ったが……」
加賀は口を重くした。
侠児 :「悪い結果でも?」
加賀 :「旅立ちの前に言うには相応しいことではないが……」
侠児 :「どうぞ(苦笑)」
加賀 :「『力の後退』『孤独な戦い』『人を頼れば仇を成す』」
侠児 :「『敗北』でなければ十分ですよ(苦笑)」
加賀 :「(苦笑)諦めるなよ。」
宣戦布告
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侠児 :「(骨折3ヶ所、裂傷8ヶ所、全身打撲、出血多量…………
:だめだ、手遅れなのか……)」
加賀 :「ぅ……ぁ……弓子……」
命の散り際に想い人の名が口からこぼれる。
侠児 :「加賀さんっっ! しっかりっ!」
加賀の目から滴が流れ落ちた。それは如何なる無念の一筋か。
加賀は息をひきとった。
侠児 :「………………………………………………………………」
SE :ドゴッッッ
侠児の拳が大地を打つ。
侠児 :「(……これで3人目だ。)」
舞い消えてゆく灰と、場に残った独特の"匂い"から侠児は、加賀の敵を察した
。
侠児 :「(……そうか……そういうことか……)」
ゆっくりと立ち上がる。
侠児 :「(筋書を変えても、こっちの都合良くは動かさない……と
:でも言うかっ!)」
竹刀袋の上から"天降太刀"を握り締める。
侠児 :「(……俺の考えが甘かったのか。)」
奥歯を噛む。
侠児 :「("災厄"が、俺を狙うだけでなく、俺が接触しようとする
:住人にまで手を回すのなら……)」
天を仰ぎ、睨む。
侠児 :「作戦は変更だ! 俺一人で止めて見せるっっ!! 俺一人
:で貴様ら堕とし子と司を虱潰しだ!!!」
侠児が叫ぶ。
その言葉は、あまりに無謀な宣戦の布告。
時系列
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3rd.1999.4.下旬
解説
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これ以後、侠児は誰を頼りにすることもなく、唯一人、災厄に立ち向かいます
。
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吉GUY
ji-guy@dike.dricas.com