[KATARIBE 19609] [WP01] 『誓約』

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Date: Fri, 16 Jun 2000 11:31:34 +0900 (JST)
From: 久志  <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 19609] [WP01] 『誓約』 
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <200006160231.LAA84792@www.mahoroba.ne.jp>
X-Mail-Count: 19609

2000年06月16日:11時31分34秒
Sub:[WP01]『誓約』:
From:久志


 久志です。
というわけで終末な指くんのお話(というかなんというか)です。

 仲魔に加わる為の儀式……なんだけど、どーもヤバめ。
語り手はだれだか知らず。

小説『誓約』
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 その部屋は隅から隅まで黒く塗られた奇妙な部屋だった。
 部屋の中ほどに小さな木のテーブルがあり、その上には水差し、小型の裁断
機、二つの杯、塩を盛った紙、一本の蝋燭が立てられていた。
 この部屋で一度死に蘇生する、と、自分を案内してくれた男は言っていた。
 テーブルに並べられたこれらのものは仮の死と仮の蘇生のために用意されて
いるものだという。

 テーブルの向かいには黒い頭巾をかぶった男が一人、テーブルの右手には同
じく頭巾をかぶった小柄な……恐らく女、左手には見上げるほどの巨漢、どれ
も揃いの頭巾を被っている。

 握り締めた手の内側がじっとりと汗ばんできた。

 これは自分を認めてもらう為の儀式。
 ただ人気があるから取り入りたいとか、近づきたいというのではない。不思
議と惹かれるものがあった。再三の忠告を受けて、この場でなにが行われるか
を散々聞いて、それを理解できていても、それでも仲間に加えて欲しかった。

 かすかな衣擦れの音を立てて、テーブルの向かいの男が頭巾を脱いだ。
 じっと目を見たままで、男……トシヤ……が口を開いた。

「お前の父は?」

 あらかじめ何度も教わったように、自分の左手を高く上げた。

「お前の母は?」

 腹に手をあて、そっと手を握り締めた。

「お前の兄弟は?」

「赤い魚」

「お前の住む世界は?」

「閉ざされた卵」

 言葉遊びのような掛け合いが続く。最初は緊張で声が震えていたが、だんだ
ん滑り出すように口が動き言葉が出てくる。

「お前の光は?」

 両手で顔を覆った。

「お前の時は?」

「置き去りにされた幼子」

 そこで言葉を切ると、正面の男は背を向けた。テーブルの両脇に陣取った二
人も背を向ける。

「信じるか信じるまいか、盟友としての誓いを」

「誓いを」

 背を向けたままの言葉。
 部屋のドアは自分のすぐ後ろに開け放たれたままにしてある。
 目の前の背中が、まだ逃げることはできる、と無言で告げているのがわかった。

 迷わないわけではなかった。

 ゆっくりとテーブルの上に置かれた裁断機に手を伸ばした。
 裁断機の台の部分に、丁度指一本通るだけの輪が取り付けてあった。ここに
指を通し刃を一気に降ろせば誓いは成立する。
 左手の小指を穴に通す、丁度刃が横断する位置に付け根を合わせた。右手で
裁断機の取っ手を掴んだ。

 最後に教えられた言葉を読み上げ、右手に力を込めた。

「我が心の兄弟として心より誓う、我が同志」

 そのまま、一気に刃を下に落とした……

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いじょ

 なんかみょーーーな話になってるよぅ、あやしいよう(^^;)

あー、この儀式は仲間を集める為&結束をより強くする為のもんです。
トシヤの目的は今起こってる出来事(ループ)の原因を探る為と、なぜ住人と狩人
が存在するかを調べること、の二つです。
 ちなみにトシヤの両脇にいた女と大男は……てっちゃんと奇子ちゃんです。
(総統にゃのキャラとハリにゃのキャラっす)これでいいか見ておくれ。



    

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