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Date: Sun, 04 Jun 2000 13:48:04 +0900
From: 小西 朱水 <akami_k@livedoor.com>
Subject: [KATARIBE 19320] Re: [HA06P] 『れっつ ふぁらんどーるっ☆』
To: kataribe-ml@trpg.net
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こんにちわ。小西朱水@EPストッパー です。
『れっつ ふぁらんど〜るっ☆』演奏篇を流します。
基本的には三橋視点です。
登場人物
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指揮者
:詳細一切不明。しかし確実に存在する。
三橋 徹(みつはし・とおる)
:いちおーチェリスト。世間では作曲家として知られる。
:演奏場所は1プル裏。首席の隣である。
ファランドール・演奏開始
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チューニング。オーボエのAが一発で決まる。
とりあえず一安心。オーボエ1番のソロが少ないとはいえ、管楽器の
仕上がりは曲全体のレベルを左右しかねない。
三橋 :(そういえば、大沢君に編曲してやらなきゃ……)
演奏前に余計なことを考えるでない!
指揮者がステージへ。出方も決まっている。一安心。
三橋 :(まさか客席に大沢いないだろうな……)
:(まてよ、沢野口さんいたらヤバイ!)
指揮者がタクトを振り下ろす。
三橋 :(は、うっ!)
出始めはマエストーソ気味に、決然と……
三橋流・「オールダウン奏法」が火を噴く。といってもこの程度なら
まだまだ甘いが。
三橋 :(コンミス、しっかりしてくれよ!)
弓と弦が接触するタイミングを微調整する。指揮者を見るよりも微妙な
調整にはコンミスのボウイング情報が欠かせない。
10小節経過。金管は最初のトゥッティをうまくこなすことに成功。
三橋 :(よしっ! 次はカノン!)
カノンはアマチュアにとってはそれほど楽なものではない。後ろの
プルトの人たちは「絶対に狂わない」三橋についていれば楽だが、頼られた
人にとっては迷惑。
必然的に、同じ動きをする全員(首席除く)が三橋のボウイングに注目
する。そして三橋は指揮者とコンミスをにらみつける。
15小節経過。
三橋 :(減速、準備!)
rit.の指示に合わせ、指揮者が減速をかける。そして解決する前には少々
リアクションを大きめに取り、次のアレグロへの入りをタンバリンに示す。
暴走開始
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三橋 :(速すぎる!)
アマチュアの常で、指揮者が暴走した。聞いている人には分からないが、
ほんのわずかでも三橋には分かる。そしてこの後どうなるかも。
「オケラ・マジック」が掛かって猛烈な速度のまま一気にすり抜けるか、
もしくは途中で崩壊するか。前者なら大成功、後者なら大失敗。
アマ・オケにとって暴走はギャンブルである。
ピアノ三つ。管楽器にとって楽な音量ではない。
三橋 :(白月くん、がんばれよ!)
乗りがいい。自分は弦に弓を合わせる程度で弾くが、体全体でリズムを
後ろの後輩たちに示す。この微妙な動作でチェロパート全体が締まる。
連続する拍頭の弱音ではアップボウで音に軽さを与える。ピアノ三つなら
手首だけで十分な音が出せる。
だんだんオケが乗る。こうなれば崩壊しない限りぶらぼーが出るだろう。
37小節。ヴァイオリンの小規模難所。
三橋 :(雪丘くん、そのままのりを落とすなよ!)
一気に乗り切る。
53小節。木管が一部追加参入。ついでに自分が八分音符の刻みに入る
のを受けて、ボウイングを普通の交互ボウイングに切り替える。
少し急いでいるかもしれない。責任者は指揮者じゃなさそうだし……
まずい、チェロパートだ!
三橋 :(テンポ抑制! 少し音を重めに)
うまく乗ってくれた。ちょっと乗りを抑える。まだ爆走するには早い。
85小節。チェロパートメロディーに参入。同時に自分のチェロの性能を
全開する。
101小節。弦と管の一部でユニゾンメロディー。オールダウン奏法発動。
チェロ雑魚 :(三橋さん、よく腕が動くな〜)
三橋 :(白月くん、準備OK?)
125小節からのユニゾン+旋律部分ではビオラの補強を頼まれている。
三橋 :(ヴィオラパート移行、準備)
三橋 :(ヴィオラパート移行!)
別にそれほど難易度は上がらない。少々音が高くなるだけだ。
この後超絶技巧のいたずらを一発かましてやろうか……
そろそろクライマックス突入。さて、伝家の宝刀を抜くか……
三橋 :(暴走電波、発信準備……発信!)
156小節。同時に少しずつテンポアップ。
三橋 :(私がテンポを上げれば全員のテンポが上がる)
168小節。最後のトゥッティ。爆走開始。
トランペット、トロンボーンの1番と共謀し、一気にスピードを上げる
ことになっている。ただ、最初のテンポが予定より速かったのが想定外……
まあ、「いたずら」の総監督は私だから、アイコンタクトをかけて
いたずらを止めることもできるし……
トランペット視点
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奏者 :(ここから加速っと、……)
三橋と共謀したとおり、少しずつドライブをかけて加速する。この先の
ファンファーレはどうにでもテンポが上がるが、その前にこの6小節でオケ
をスピードへ駆り立てるのが条件。少し拍点を手前に引っ張れば速度が
上がる。
奏者 :(成功。)
白月悠(フルート)視点
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悠 :(何スピード上げてるの?)
三橋を見る。彼はこういう速度系のトラブルの処理に強く、これまでも
ぶっ壊れかけたときには彼がうまくオーケストラをなだめて収束させる
ケースが多かった。
しかし、彼は笑っている。なぜだ?
悠 :(まさか、仕組んだの?)
水瀬璃慧(クラリネット)視点
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璃慧 :(ペット暴走してる? おし、けり一発!)
指揮者を見る。慌てている。自分の想定外のテンポ加速のようだ。
しかし普段の事故とは雰囲気が違う。
璃慧 :(誰かが仕組んだ? 仕組んだやつは処刑!)
客視点(富良名)
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富良名 :(おい! ペット暴走してる!)
(しかもボーンまで?)
三橋視点
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174小節。予定通りいたずらを決行する。
左手を一気にA線のハイポジションへ飛ばす。
チェロ雑魚 :(三橋さん、音を追加するのかな?)
三橋は音量が要求されるところでは他の弦を使って音を足しこむケースが
多い。基本的に音楽の流れを一切変えないように行うので、指揮者は最悪
でも黙認、場合によっては明示的に要求することもある。
何しろ、彼のハイポジションの音の正確さはほとんど神業である。
三橋 :(ペット、暴走開始! ボーン、暴走開始!)
トロンボーンのメロディーが微妙に本来のメロディーと違うところも、
今回は音を一部変えてトロンボーンもきちんとメロディーを吹くことに
なっている。ということで、これが三橋の餌食になってしまうことに指揮者
は気づかなかった。
三橋 :(よしっ、ファンファーレ!)
:(これじゃ三人の王様というより、三匹のダービーだな)
Aのハイポジションでは弦楽器のメロディーをたどっている。しかも微妙に
超絶技巧的編曲が加えられ、余計ハードになっている。
管軍団をふと見る。木管の人間は全員顔が真っ赤になっている。乗って
いるのはいいが、「仕掛け人、殺してやる!」という文字が顔に書いてある
かのごとく。
三橋 :(これならいける! GO!)
もっと加速。
フィナーレ
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222小節。有名な旋律が終わり、最後の和音へなだれ込んでいく。ホルンの
一本(多分4番)がシングルタンギングの嵐にたえかね、ダブルタンギング
へ移行。まあ、普通は音だけでは分からないからいいか。
最後の和音を飛ばしすぎるとまずいので、このあたりで加速を終了させる。
しっかり弾くが、重くなりすぎないように。難しいテクニックなので、弦の
下の連中には軽く弾き飛ばせと指示してある。その分の重みを前のほうで
つけなければならない。まあ、こういうパート内の音質の使い分けは三橋の
独壇場。
三橋 :(オーケー、加速終了。このまま突進せよ!)
最後の和音まで一気に突進。
客席からはブラボーもでているが、……
三橋 :(冷や汗)(う゛…… 後が怖い…… )
:(璃慧さんに蹴られる……)
璃慧 :(げしげしっげしげしっ)
$$
さて、一曲分の演奏でもEPはこれだけ長くなります。
まあ、軽くこんなところで。
三橋としては一曲くらい振ってみたいのですが、いかがでしょうか?
それでは。
小西 朱水
mailto:akami_k@livedoor.com