[KATARIBE 19297] [WP01P]EP: 『少女とハンカチ』

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Date: Sat, 3 Jun 2000 16:13:00 +0900 (JST)
From: ji-guy@dike.dricas.com
Subject: [KATARIBE 19297] [WP01P]EP: 『少女とハンカチ』
To: kataribe-ml@trpg.net
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 吉GUYです。
 
 侠児の日常はこんなかんじー(爆)
 というわけで、亮紘さんのお株を奪う寝結界を(w
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エピソード『少女とハンカチ』
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登場人物
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 厳侠児(げん・きょうじ):たった一人で"災厄"と戦い続ける終末の住人。
 
 
裏路地で
---------
 声      :「ねえ。」
 
 声が聞こえる。
 
 声      :「ねえ。おぢちゃん。」
 
 子供の声だ。
 
 侠児     :「ぅ……?」
 
 眠っていたようだ。侠児は頭を振る。
 
 女の子    :「寝てたの?」
 侠児     :「ぁ……あぁ……」
 
 目の前に4、5歳ぐらいの女の子が立っている。
 座っている侠児と目線が同じくらいだ。
 侠児は自分の状況を思い出す。
  ……連日の堕とし子との戦いで……
  ……疲れていた……
  ……仕方無く休もうと……
  ……影が濃いこの裏通りで……
  ……結界を……
  ……そう……結界を……誰にも……
  ……災厄にも……見つからないように……慎重に……巧妙に……小さく…
 
 侠児     :「(結界? そうだ結界だ! 結界を張っていたんだ!)」
 女の子    :「?」
 
 目の前に女の子がいる。
 
 侠児     :「(……寝ている間に解けたのか?)」
 女の子    :「ねえ、おぢちゃん、だれ?」
 
 周囲に気を配る。
 
 侠児     :「!」
 
 辺りに人の気配が無い。侠児と女の子の二人だけ。
 
 侠児     :「(結界が張り直されている!? ここは私の結界じゃない!
        :)」
 
 侠児の記憶にある自分の張った結界より、もっと広い結界に変わっている。
 
 侠児     :「(まさか……目の前のこの子が……?)」
 女の子    :「?(きょとん)」
 侠児     :「(やばい! この子が住人なら"堕とし子"が……!)」
 
 堕とし子は……いない……ようだ。
 
 侠児     :「(狩人か? なら大丈夫か……。)」
 
 侠児は話しかけた。
 
 侠児     :「お嬢ちゃんは、狩人……」
 女の子    :「?」
 
 そこまで言って口を止めた。
 "狩人"というのは、あの月島直人が名付けた名前だ。
 まだ広く知られた名称ではない。
 ましてこんな小さな子供に分かるはずが……。
 
 女の子    :「? かめれよん?」
 侠児     :「は?」
 
 子供の耳の聞き違いは、ときにとっぴょうしもない。
 "かりうど"を"かめれおん"に聞き違えるとは。
 
 侠児     :「(苦笑)」
 女の子    :「おぢちゃんしってるんだー(喜)」
 侠児     :「?」
 
 女の子がポケットからハンカチを取り出す。
 
 女の子    :「いーでしょう(にこにこ)」<ハンカチを広げて見せる。
 侠児     :「……?」
 
 侠児が見ると、小さなハンカチにはステッキを持ったミニスカート姿の少女が
、燕尾服にシルクハットを纏ったカメレオンを踏みつけにしている絵がプリント
されている。
 
 女の子    :「"ひすいん"のハンカチ。かってもらったの(にこにこ)」
 侠児     :「(ああ、テレビか何かのキャラクターの……)」
 
 侠児は軽く笑顔を作った。
 
 女の子    :「ねえ、おぢちゃん。」
 侠児     :「?」
 女の子    :「おともだちがいるの?」
 
 侠児の友、それははるか遠くに……そして二度と会うことはできない。
 
 侠児     :「……」
 女の子    :「だれかくるよ。おぢちゃんのおともだちじゃないの?」
 
 女の子は自分の結界に何者かが侵入したのを察知したようだ。
 
 侠児     :「いかん!」
 
 侵入者が堕とし子の可能性がある。
 侠児は立ち上がり、女の子に言葉を投げる。
 
 侠児     :「逃げろ!」
 
 ……何処へ?
 
 侠児     :「いや、隠れろ!」
 
 ……どうやって?
 
 侠児     :「くっ……おじちゃんの側を離れるなっ!」
 
 SE      :スラン……
 
 天降太刀を引き抜き、構える。
 天地四方に気を張り巡らす。
 
 侠児     :「(何処だ!? 何処から来る!? この裏路地は影が濃いぞ!
        :さあ、来いっっっ!)」
 
 SE      :タタタタタ……
 
 侠児     :「!」
 
 高まる侠児の気迫を恐がったのか、女の子は侠児の側を離れて駆け出した。
 
 侠児     :「待てっ! 危険だ!」
 
 SE      :シュバン……
 
 路地の外へ向かって走る女の子が、宙に舞った。
 そして弾けて、砕けて、紅いものをぶちまけながらミンチになった。
 
 侠児     :「………………………………………………………………」
 
 侠児が呆然と見つめる路地の出口に、異形の怪物が立っていた。
 
 
 少女の張った結界が消えてゆく……。
 
 
 
時系列
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 3rd.1999.
 
 
解説
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 "災厄"にマークされた男、厳侠児。
 侠児と関わる住人、侠児が関わろうとする住人は、堕とし子に抹殺される。
 偶然に起きた住人の少女との出会いは、儚く終わった。
 侠児には頼れる仲間はいない。
 
 しかし……
 
 ……かめれおん……かめれよん……かめりよん……かめりょん……かえりょん
……かぇりょん………………かりゅうど……無理があるよ。やっぱり(爆)
 
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 カメレオンの初登場EPでした(違
 リューさんチェックをお願いします(爆)
 
 とゆうわけで、24時間体制で堕とし子と戦う男、侠児の
日常に起きた一コマです(いいのか?
 
 
 吉GUY
 ji-guy@dike.dricas.com
    

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