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Date: Wed, 31 May 2000 22:05:43 +0900 (JST)
From: ji-guy@dike.dricas.com
Subject: [KATARIBE 19252] [WP01P]EP: 『侠児、怒る！』
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <200005311305.WAA10571@mailsv1.dricas.com>
X-Mail-Count: 19252
吉GUYです。
侠児の話を一つ。
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エピソード『侠児、怒る！』
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登場人物
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厳侠児（げん・きょうじ）：
：終末の住人。経歴、行動に謎が多い。
：異能は地面にできた影の上を高速で移動する"疾影"
加賀清彦（かが・きよひこ）：終末の住人。侠児の旧知の人物？
都内某所
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結界を張って駅の改札を跳び越える。
駅を出て……
侠児 ：「……！」
異変を肌で察知する。
侠児 ：「堕とし子か！ 何処だ!?」
知覚を尖らせる。
侠児 ：「この方角……何てこった！」
結界を解く。
通りに通行人たちが現れる。
侠児 ：「しまった……」
現在の時刻は12時半。太陽が南中高度に上がりはじめている。今は日中で最も
影が小さくなってゆく時間。
通行人や建物が地面に落とす影は点々としている。
侠児 ：「！」
また一つ状況の変化を感じとる。
侠児 ：「……結界が張られた!? 戦闘を始めたのか！」
堕とし子の出現した方角に結界の起動を感知する。
侠児 ：「くそっ！」
"疾影"は使えない。侠児は駆け出した。
侠児 ：「間に合ってくれっ！」
相打ち
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SE ：ボヒュュゥゥォオォォォ……
堕とし子の死体が大量の塵となり中に舞い上がる。それが空気に溶けて消えて
ゆく。
加賀 ：「……ぅ」
住人が一人、地面に寝転がったまま苦痛に呻いた。辺りにはガラスの破片やビ
ルの瓦礫が散っていた。
加賀 ：「……」
誰かがこの空間に侵入したのを感じた。だが、加賀にはそれに備えて動くため
の力はもう無い。
足音が聞こえ始める。
侠児 ：「加賀さんっ！」
侠児が駆け寄って来る。
加賀 ：「……ぅ…………だ…れ……だ……」
侠児 ：「しっかり！」
加賀は侠児を知らない。だが侠児は加賀を知っている。
手向け
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侠児が"旅立つ"前、加賀は侠児に言った。
加賀 ：「いよいよ行くのか。」
侠児 ：「はい。」
加賀 ：「お前の行く末を占ったが……」
加賀は口を重くした。
侠児 ：「悪い結果でも？」
加賀 ：「旅立ちの前に言うには相応しいことではないが……」
侠児 ：「どうぞ（苦笑）」
加賀 ：「『力の後退』『孤独な戦い』『人を頼れば仇を成す』」
侠児 ：「『敗北』でなければ十分です（苦笑）」
加賀 ：「（苦笑）諦めるなよ。」
宣戦布告
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侠児 ：「(骨折３ヶ所、裂傷８ヶ所、全身打撲、出血多量…………
：だめだ、手遅れなのか……)」
加賀 ：「ぅ……ぁ……弓子……」
命の散り際に想い人の名が口からこぼれる。
侠児 ：「加賀さんっっ！ しっかりっ！」
加賀の目から滴が流れ落ちた。それは如何なる無念の一筋か。
加賀は息をひきとった。
侠児 ：「………………………………………………………………」
SE ：ドゴッッッ
侠児の拳が大地を打つ。
侠児 ：「(……これで３人目だ。)」
竹刀袋の上から"天降太刀"を握り締める。
侠児 ：「(……そうか……そういうことか……)」
ゆっくりと立ち上がる。
侠児 ：「(筋書を変えても、こっちの都合良くは動かさない……と
：でも言うかっ！)」
天を仰ぐ。
侠児 ：「(……俺の考えが甘かったのか。)」
奥歯を噛む。
侠児 ：「("災厄"が、俺を狙うだけでなく、俺が接触しようとする
：住人にまで手を回すのなら……)」
天を睨む。
侠児 ：「作戦は変更だ！ 俺一人で止めて見せるっっ!! 俺一人
：で貴様ら堕とし子と司を虱潰しだ!!!」
侠児が叫ぶ。
その言葉は、あまりに無謀な宣戦布告。
時系列
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２回目の1999年
解説
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これ以後、侠児は誰を頼りにすることもなく、唯一人で災厄に立ち向かいます
。
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とゆーわけで侠児のネタばらしEPでした。
ソードさん、チェックをお願いします。
吉GUY
ji-guy@dike.dricas.com