[KATARIBE 19250] [WP01P]EP: 『イレギュラー』(『未来への覚醒』改題)

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Date: Wed, 31 May 2000 22:00:24 +0900 (JST)
From: ji-guy@dike.dricas.com
Subject: [KATARIBE 19250] [WP01P]EP: 『イレギュラー』(『未来への覚醒』改題)
To: kataribe-ml@trpg.net
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 吉GUYです。
 昨日流したものを若干手直ししました。
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エピソード『イレギュラー』
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登場人物
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 厳侠児(げん・きょうじ):
    :災厄に備え行動をとる男。過去の経歴は一切不明。
 八島一角(やしま・かずすみ):
    :古流武術八島流兵法の伝承者。
 八島小次郎(やしま・こじろう):
    :一角の息子。父より八島流兵法を学ぶ。当年16歳。
 
 
惨劇
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 広い敷地に大きな日本家屋…………があった。
 だが、その屋根は潰れ、柱は折れ、庭石は砕け散っている。
 庭だった場所に血に塗れた死体が転がっている。
 傍らには抜き身の太刀を手にした男が立っている。
 
 侠児     :「…………こんなことが……」
 
 侠児は呆然と死体を見下ろしていた。
 死体の胴には穴が開き、首は何処かへ飛んでいた。
 
 
出会い
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 SE      :タンタン……
 
 表の石段を何者かが駆け上がってくる音が聞こえる。
 侠児は我に返って足音の方を振り向いた。
 そこには、二十歳に満たない少年が立っていた。
 
 小次郎    :「……!?」
 
 見慣れた我が家が瓦礫に化した光景が目に入り、小次郎の思考は止まる。
 
 侠児     :「君は……?」
 
 声をかけられ小次郎は我に返った。声の方へ振り向く。
 
 侠児     :「……まさか……君は……小次郎君?」
 小次郎    :「人の名前を気易く呼ぶんじゃねぇ。……てめぇこそ」
 侠児     :「(?……八島さんの話では、小次郎君は……)」
 小次郎    :「ナニモン……!」
 
 小次郎は侠児が手にする家伝の宝刀を見てとった。
 
 小次郎    :「それはウチの……」
 侠児     :「(小次郎君は死んでいた筈では……?)」
 小次郎    :「!」
 
 小次郎は侠児の傍らに転がるもっと驚愕のものを見た。
 血に染まっていたが見慣れた着物。首は無かったが見覚えのある背格好。
 
 小次郎    :「………………親父。」
 
 
覚醒
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 瓦礫となった我が家。
 首の無い肉親の死体。
 見知らぬ男が握る家伝の太刀。
 
 小次郎    :「てめぇぇぇの仕業かぁぁぁぁぁぁぁ!」
 侠児     :「待て! 誤解だ! 私は……」
 
 SE      :リュィィィィィィィィ……
 
 侠児     :「(……耳鳴り?)」
 
 身体が熱い、血が煮立つような感覚を覚える。
 
 侠児     :「覚醒!? 私が!? 馬鹿な! 既に私は……そんなことが有
        :り得るのか!?」
 
 小次郎    :「があぁぁぁぁぁっっっっ……」
 
 小次郎が吠えた。
 
 SE      :キィィィィィィィィ…………
 
 小次郎の手に太刀が現れる。その形は侠児が手にするものと同じ。
 
 侠児     :「……そして……彼が……私の対!? ……狩人!? しかし
        :鍵が……」
 小次郎    :「があぁっっっっ……!」
 
 SE      :ガッッッ……
 
 小次郎が打ち込んで来た。侠児は手にした太刀で受ける。
 
 
未来へ
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 ……八島一角の死亡。
 ……八島小次郎の生存と狩人への覚醒。
 
 侠児     :「(そして私自身が今ここに居ること……)」
 小次郎    :「ぐがあぁぁぁぁっっっっ……」
 
 SE      :ギィン…キィン…ギィン……
 
 侠児     :「(イレギュラーなんだ!)」
 
 連続する小次郎の打ち込みをいなし続ける。
 
 侠児     :「(……筋書が変わる。)」
 
 SE      :ギィン!
 
 一瞬の鍔競り合いから、侠児が太刀の力の方向を変え、
体を入れ換えるように擦れ違い、振り向き様に小次郎を突き飛ばす。
 小次郎、つんのめる。
 
 小次郎    :「ぐっ……」
 侠児     :「(良い方へ変わるとは限らないが……)」
 小次郎    :「なめるなぁぁぁぁっっっっ……」
 侠児     :「(可能性は有る! 今度こそ未来を手に入れられる!)」
 
 小次郎、立ち上がり再び侠児に向かってゆく。
 
 
 侠児が抱いた未来への希望。
 小次郎に芽生えた殺意と憎悪。
 
 
 二人の因縁が繋がった……。
 
 
時系列
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 2回目の1999年
 
解説
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 父の死亡をきっかけに覚醒する小次郎(狩人)とその対、侠児(住人)。
 侠児は小次郎との出会いで何かを確信する。
 
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 住人の覚醒シーンとか、こんなんでよろしいでしょうか?
 ソードさんチェックをお願いします。
 
 吉GUY
 ji-guy@dike.dricas.com
    

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