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Date: Tue, 30 May 2000 19:37:44 +0900 (JST)
From: ji-guy@dike.dricas.com
Subject: [KATARIBE 19211] [WP01P]EP: 『未来への覚醒』
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <200005301037.TAA03721@mailsv1.dricas.com>
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吉GUYです。
なんだかWPのことが頭から離れません。
という訳で書いてしまいました。
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エピソード『未来への覚醒』
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登場人物
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厳侠児(げん・きょうじ):
:災厄に備え行動をとる男。過去の経歴は一切不明。
八島一角(やしま・かずすみ):
:古流武術八島流兵法の伝承者。
八島小次郎(やしま・こじろう):
:一角の息子。父より八島流兵法を学ぶ。
惨劇
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広い敷地に大きな日本家屋…………があった。
だが、その屋根は潰れ、柱は折れ、庭石は砕け散っている。
庭だった場所に血塗れの死体が転がっている。
傍らには抜き身の太刀を手にした男が立っている。
侠児 :「…………こんなことが……」
侠児は呆然と死体を見下ろしていた。
死体の胴には穴が開き、首は何処かへ飛んでいた。
出会い
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SE :タンタン……
表の石段を何者かが駆け上がってくる音が聞こえる。
侠児は我に返って足音の方を振り向いた。
そこには、二十歳に満たない少年が立っていた。
小次郎 :「……!?」
見慣れた我が家が瓦礫に化した光景が目に入り、小次郎の思考は止まる。
侠児 :「君は……?」
声をかけられ小次郎は我に返った。声の方へ振り向く。
侠児 :「……まさか……君は……小次郎君か?」
小次郎 :「人の名前を気易く呼ぶんじゃねぇ。……てめぇこそ」
侠児 :「(一角さんの話では、小次郎君は……)」
小次郎 :「ナニモン……!」
小次郎は侠児が手にする家伝の宝刀を見てとった。
小次郎 :「それはウチの……」
侠児 :「(……小次郎君は既に死んでいる筈…………もしや!)」
小次郎 :「!」
小次郎は侠児の傍らに転がるもっと驚異的なものを見た。
血に染まっていたが見慣れた着物。首は無かったが見覚えのある背格好。
小次郎 :「………………親父。」
覚醒
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瓦礫となった我が家。
首の無い肉親の死体。
見知らぬ男が握る家伝の太刀。
小次郎 :「てめぇぇぇの仕業かぁぁぁぁぁぁぁ!」
侠児 :「待て! 誤解だ! 私は……」
SE :リュィィィィィィィィ……
侠児 :「(……耳鳴り?)」
身体が熱い、血が煮立つような感覚を覚える。
侠児 :「覚醒!? 私が!? ……そんなことが有り得るのか!?」
小次郎 :「があぁぁぁぁぁっっっっ……」
小次郎が吠えた。
SE :キィィィィィィィィ…………
小次郎の手に太刀が現れる。その形は侠児が手にするものと同じ。
侠児 :「……そして……小次郎君が……対!? ……狩人!?」
小次郎 :「があぁっっっっ……!」
SE :ガッッッ……
小次郎が打ち込んで来た。侠児は手にした太刀で受ける。
未来へ
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……八島一角の死。
……八島小次郎の生存と狩人への覚醒。
小次郎 :「ぐがあぁぁぁぁっっっっ……」
侠児 :「(……そして私自身が今ここに居る……それこそが!)」
SE :ギィン…キィン…ギィン……
侠児 :「(イレギュラーなんだ!)」
連続する小次郎の打ち込みをいなし続ける。
侠児 :「(……筋書が変わるんだ。)」
小次郎 :「ぐっ……」
一瞬の鍔競り合いから、侠児が太刀の力の方向を変え、
体を入れ換えるように擦れ違い、振り向き様に小次郎を突き飛ばす。
小次郎、つんのめる。
侠児 :「(いや、変えてみせる。やはり可能性は有る!)」
小次郎 :「なめるなぁぁぁぁっっっっ……」
侠児 :「(今度こそ未来を手に入れる!)」
小次郎、立ち上がり再び侠児に向かってゆく。
侠児が抱く未来への希望。
小次郎に芽生えた憎悪と殺意。
二人の因縁が繋がった……。
時系列
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2回目の1999年
解説
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父の死亡をきっかけに覚醒する小次郎(狩人)とその対、侠児(住人)。
侠児と小次郎の初対決。
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とゆーわけで、侠児の正体はこんな感じにEPでネタばらしをしていきたいと思
います。
吉GUY
ji-guy@dike.dricas.com