[KATARIBE 19211] [WP01P]EP: 『未来への覚醒』

Goto (kataribe-ml ML) HTML Log homepage


Index: [Article Count Order] [Thread]

Date: Tue, 30 May 2000 19:37:44 +0900 (JST)
From: ji-guy@dike.dricas.com
Subject: [KATARIBE 19211] [WP01P]EP: 『未来への覚醒』
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <200005301037.TAA03721@mailsv1.dricas.com>
X-Mail-Count: 19211

 吉GUYです。
 
 なんだかWPのことが頭から離れません。
 という訳で書いてしまいました。
*****************************************************
エピソード『未来への覚醒』
=====================
登場人物
------------
 厳侠児(げん・きょうじ):
    :災厄に備え行動をとる男。過去の経歴は一切不明。
 八島一角(やしま・かずすみ):
    :古流武術八島流兵法の伝承者。
 八島小次郎(やしま・こじろう):
    :一角の息子。父より八島流兵法を学ぶ。
 
 
惨劇
-----------
 広い敷地に大きな日本家屋…………があった。
 だが、その屋根は潰れ、柱は折れ、庭石は砕け散っている。
 庭だった場所に血塗れの死体が転がっている。
 傍らには抜き身の太刀を手にした男が立っている。
 
 侠児     :「…………こんなことが……」
 
 侠児は呆然と死体を見下ろしていた。
 死体の胴には穴が開き、首は何処かへ飛んでいた。
 
 
出会い
------------
 SE      :タンタン……
 
 表の石段を何者かが駆け上がってくる音が聞こえる。
 侠児は我に返って足音の方を振り向いた。
 そこには、二十歳に満たない少年が立っていた。
 
 小次郎    :「……!?」
 
 見慣れた我が家が瓦礫に化した光景が目に入り、小次郎の思考は止まる。
 
 侠児     :「君は……?」
 
 声をかけられ小次郎は我に返った。声の方へ振り向く。
 
 侠児     :「……まさか……君は……小次郎君か?」
 小次郎    :「人の名前を気易く呼ぶんじゃねぇ。……てめぇこそ」
 侠児     :「(一角さんの話では、小次郎君は……)」
 小次郎    :「ナニモン……!」
 
 小次郎は侠児が手にする家伝の宝刀を見てとった。
 
 小次郎    :「それはウチの……」
 侠児     :「(……小次郎君は既に死んでいる筈…………もしや!)」
 小次郎    :「!」
 
 小次郎は侠児の傍らに転がるもっと驚異的なものを見た。
 血に染まっていたが見慣れた着物。首は無かったが見覚えのある背格好。
 
 小次郎    :「………………親父。」
 
 
覚醒
-----------
 瓦礫となった我が家。
 首の無い肉親の死体。
 見知らぬ男が握る家伝の太刀。
 
 小次郎    :「てめぇぇぇの仕業かぁぁぁぁぁぁぁ!」
 侠児     :「待て! 誤解だ! 私は……」
 
 SE      :リュィィィィィィィィ……
 
 侠児     :「(……耳鳴り?)」
 
 身体が熱い、血が煮立つような感覚を覚える。
 
 侠児     :「覚醒!? 私が!? ……そんなことが有り得るのか!?」
 
 小次郎    :「があぁぁぁぁぁっっっっ……」
 
 小次郎が吠えた。
 
 SE      :キィィィィィィィィ…………
 
 小次郎の手に太刀が現れる。その形は侠児が手にするものと同じ。
 
 侠児     :「……そして……小次郎君が……対!? ……狩人!?」
 小次郎    :「があぁっっっっ……!」
 
 SE      :ガッッッ……
 
 小次郎が打ち込んで来た。侠児は手にした太刀で受ける。
 
 
未来へ
-----------
 ……八島一角の死。
 ……八島小次郎の生存と狩人への覚醒。
 
 小次郎    :「ぐがあぁぁぁぁっっっっ……」
 侠児     :「(……そして私自身が今ここに居る……それこそが!)」
 
 SE      :ギィン…キィン…ギィン……
 
 侠児     :「(イレギュラーなんだ!)」
 
 連続する小次郎の打ち込みをいなし続ける。
 
 侠児     :「(……筋書が変わるんだ。)」
 小次郎    :「ぐっ……」
 
 一瞬の鍔競り合いから、侠児が太刀の力の方向を変え、
体を入れ換えるように擦れ違い、振り向き様に小次郎を突き飛ばす。
 小次郎、つんのめる。
 
 侠児     :「(いや、変えてみせる。やはり可能性は有る!)」
 小次郎    :「なめるなぁぁぁぁっっっっ……」
 侠児     :「(今度こそ未来を手に入れる!)」
 
 小次郎、立ち上がり再び侠児に向かってゆく。
 
 
 侠児が抱く未来への希望。
 小次郎に芽生えた憎悪と殺意。
 
 二人の因縁が繋がった……。
 
 
時系列
----------
 2回目の1999年
 
解説
----------
 父の死亡をきっかけに覚醒する小次郎(狩人)とその対、侠児(住人)。
 侠児と小次郎の初対決。
****************************************************
 とゆーわけで、侠児の正体はこんな感じにEPでネタばらしをしていきたいと思
います。
 
 
 吉GUY
 ji-guy@dike.dricas.com
    

Goto (kataribe-ml ML) HTML Log homepage