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Date: Thu, 18 May 2000 16:25:57 +0900 (JST)
From: ソード <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 19046] [HA06P] エピソード『演奏会 =御剣司の場合=』
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <200005180725.QAA71177@www.mahoroba.ne.jp>
In-Reply-To: <LOBBLANCNIHAAFDIBFODAEFBCDAA.yumemi@din.or.jp>
References: <LOBBLANCNIHAAFDIBFODAEFBCDAA.yumemi@din.or.jp>
X-Mail-Count: 19046
2000年05月18日:16時25分57秒
Sub:[HA06P]エピソード『演奏会 =御剣司の場合=』:
From:ソード
こんにちは、ソードです。
>誰か乱入してくれないかな〜♪
演奏会、一応参加してみようかなぁ……。
と、思いましたが、これはこれで完成されていて良い感じ。
私は、別EPの方が、分かり易くて良いような気がします。実際にも、会わ
なかったし(笑)
エピソード『演奏会 =御剣司の場合=』
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登場人物
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御剣司(みつるぎ・つかさ):
:音楽家を父にもつプログラマー。本人の音楽能力は無きに等しい。
:高校時代は、一応吹奏楽部員であった。
到着……せず
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今日は、司のネットでの知り合いが、演奏会をする日。
休日という事で、司も見に行く時間が取れた。
演奏会の場所の地図は、事前にネットで検索し、プリントアウトしておいた。
最寄りの駅に1時間以上前に着き、目的地を探し始める。
司 :「えーと……ななめの道がこれで……」
いきなり違う方向に進んでいたりする。
司 :「駄目だ……人に聞こう……すいませーん」
手近な本屋に入り、店員に声を掛ける。
店員 :「はい」
司 :「ここって、どうやって行けば良いですか?」(地図を見
:せて説明)
店員 :「ああ、そこなら、この道を駅の方に戻った右手側です」
司 :「真っ直ぐ行くだけですか?」
店員 :「はい。すぐ分かりますよ」
とうやら、色々曲がった結果、通り過ぎていたらしい。
司 :「ありがとうございました」
ここで、時刻は開場20分前。まだ余裕はあるようだが、本屋を物色すると
間に合いそうにない。
司 :「さて……行こう」
途中の自販機で、最近近くで見なくなった缶コーヒーを買い、先を急いだ。
入場……まだせず
----------------
司 :「あった……」
教えられた通りに行くと、すぐに会場は見つかった。開場10分前。受付で
は準備は出来ているようだが、まだ入る事の出来ない時刻だ。
司 :「すこし、待つかぁ……」
日陰になる柱に寄りかかり、買っていた缶コーヒーを開け、喉を潤す。
飲み干した時に、空の青さが目に入った。
司 :「良い天気だな……」
音楽会に来るのは久しぶりだからか、少し感受性が高まっているようだ。考
え方が詩的になる。
司 :「……」(苦笑いを浮かべる)
自分の思いついた言葉に、照れているらしい。
司 :(携帯の時刻表示を見る)「よし、時間だな」
司は、受付に向かっていった。
開演までの時間
--------------
受付係 :「チケットはもっていますか?」
司 :「いえ、ありません」
受付係 :「では、こっちに名前かいてください」
司 :「はい。(ネットの知り合いは……一般だな)」
一般のところに、本名で書き込む。……まあ、本名を知っている人もいるか
ら、気がつくだろう。まさか、ハンドル名を書く訳にも行かない。
司 :「もう、入って良いんですよね?」
受付係 :「はい」(パンフレットを渡す)
パンフレットを受け取り、ホールに入った。中には、数人の客。
まあ、開場してすぐなのだから、当然である。
司 :「後ろの方に……っと」
後ろの席に使用としてみると、テープが張られ、立ち入れないようだ。
司 :「じゃあ、顔の見れる位置にしようか……」
と、中央の真ん中あたりに陣取った。
くつろいで、パンフレットを眺める。
司 :「あ、アンケートか……」(バッグの中を探り、ペンを取
:り出す)
忘れないうちに書くつもりで、ペンを持ちながら曲を聞く事にした。
開演
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司 :「(しまった……)」
始まってすぐ、司は後悔した。
司 :「(指揮者でメンバーが見えない……)」
中央に席を取ると、真ん中のメンバーは見えなくなってしまうのだ。
司 :「(メンバー表からだと……現役が少ない木管は、誰だか
:分かるな……)」
実は、本名を知らされてなかったのだ。会った事が無い人もいる。
司 :「(あれが……瀬川さんで……翠霞さんはあの人だな。で
:も、指揮者で見えない……。雪野さんは分からないや……
:まあ、次の曲はトップで弾くらしいし、分かるだろ)」
知っている曲でもあり、久しぶりのクラシック。司には、懐かしいものを覚
えた。
アンケートをなるべく埋めてやろうと、気づいた事、思った事をその都度書
いて行く。
普段、字を書かない仕事なので、やたらと見にくい。
やがて、全ての曲目が終了し、開場は拍手に包まれた。
司 :「(ああと、アンコールで終わりか……)」(ぱちぱち)
指揮者は、何度か出入りするものの、指揮を振る気配はない。
司 :「(あら……拍手終わっちゃうよ……)」(ぱちぱち)
演奏者 :(片づけを始め、退場し始める)
司 :「おや、アンコールやら無いのか……。まあ、吹奏楽とは
:ノリも違うしな。さて、残りを書くか……」
開場が明るくなり、客も退席して行く中、司はしばらくアンケートを書いて
いた。
パンフレットを見直し、メンバーの作成したおまけパズルに目を留めるが、
これを解く時間はなさそうだ。
司 :「さて……こんなものか。会いには来るなっていってたし、
:帰るかな」
そのまま、受付でアンケートを提出して帰路に就く。
パズルを解こう
--------------
演奏会の後、人と待ち合わせをしていたため、時間を潰しがてらファースト
フードで休憩する。
その時、パンフレットにあったパズルを解きにかかった。
司 :「えーと……なになに?」
しばらく、問題を読む司。
司 :「だ……だめだ……。曲名から作曲者や作られて時期が分
:からないと解けない……」
さすが、オーケストラ部の問題である。
司 :「仕方ない……専門家の力を借りて見よう」(携帯を取り
:出す)
結局、両親にメールを出し、曲名から作曲者を教えてもらった司であった。
司 :「よしっ……これで解いてやるぜ」
みょうに気合いが入っている。
司 :「ああっ……条件にある奴が二人になったっ」
……どうやら、間違えたらしい……。
結局、そのパズルは未完成のまま、ネットを通じて答えを聞いたのだった。
時系列
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2000年5月上旬
解説
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悠達の演奏会を聞きに行くお話。司偏。
やっぱり実話です(笑)
ではまた〜。