[KATARIBE 19020] Re: [HA06][EP] 「噂の幽霊」

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Date: Wed, 17 May 2000 12:25:12 +0900 (JST)
From: 御滝圭介  <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 19020] Re: [HA06][EP] 「噂の幽霊」 
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <200005170325.MAA21111@www.mahoroba.ne.jp>
X-Mail-Count: 19020

2000年05月17日:12時25分11秒
Sub:Re: [HA06][EP]「噂の幽霊」:
From:御滝圭介




 どうも、ケイスケです。
 一応、区切りがついたので流します。

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> 二人はその扉から中に入った。

 圭人     :「しかしまあ、おまえがこんな大胆な行為をするとはねえ」
 健一     :「夜中に学校に入り込むにはこれしかないんだよ。仕事以外
        :ではな」

 そう小声で話しながら奥へ進んでいく。

 健一     :「さて、現場に行く前にちょっと寄るか」
 圭人     :「寄るって、どこにだ?」
 健一     :「ちょうどそこだが」

 健一が指を指し示す先にあった部屋には明かりがともっていた。

 圭人     :「おい、ちょっと待て。ばれちまうじゃねえか」
 健一     :「そう、それが目的だよ。今晩は」

 圭人が止めるのも聞かず、健一はそこの扉を開けた。
すると中から強烈な一撃が放たれるが、健一はそれを何とかそらす。

 健一     :「今晩、尋ねるって伝えといたはずだし、先生達からも許可
        :をもらっているはず何ですけど(苦笑)」
 警備員    :「ああ、すまん。最近見たもののせいで。気が張っていてな。
        :しかし、滝川師匠のお孫さんが、こういう仕事をして
        :いるとはね」
 圭人     :「おい、知り合いなのか?」
 健一     :「まあ、兄弟子だよ。SYSTEMの正社員でもあるけどね」
 圭人     :「それと、先生の許可ってなんだよ」
 健一     :「ああ、それね。皆さん、正体不明なものがこの学校にいる
        :のはあまり好ましい状態じゃないってね。調査するって言っ
        :たら、夜入る許可をもらえたんだよ、ほらここに鍵もある。
        :もっとも最初は胡散臭そうに見られたけど、まあそこはそれ、
        :コネを使って納得してもらったよ」
 圭人     :「………ちょっと待て」
 健一     :「ん、なんだい」
 圭人     :「じゃあ、忍び込まなくても良かったってことか」
 健一     :「あちゃ、ばれちゃった(笑)」
 圭人     :「ばれちゃった、じゃねえよ………」

 圭人は、頭を抱えた。傍らでは、健一がにやにやと笑っている。

 警備員    :(本当にこいつらで大丈夫なんか……)
        :「ところで、本題の調査は……」
 健一     :「あ、すいません。確か見たのはここら辺ですね」

 健一が、取り出した学校の見取り図の一角を指し示す。

 圭人     :「………おい、ここって」
 健一     :「そう、僕らの教室の周辺だよ」
 警備員    :「それじゃあお願いします。私はここ以外の所をいつも通り
        :まわっていますよ」
 健一     :「それじゃあ、また後で」



 圭人と、健一は地図で示した一角へむかう。

 圭人     :「………で? 何で俺を誘ったんだ?」
 健一     :「一応、幽霊以外のものと遭遇したときの保険としてだが、
        :他にも理由はある」
 圭人     :「理由?」
 健一     :「まあ、それは後で話すよ。おっと、ここら辺だな。ゆっく
        :り待ちますか」

 相違って健一は背負っていた袋から水筒を出して、その中身を飲み始める。

 圭人     :「悠長だな、見えないように結界とかは張らなくていいのか」
 健一     :「結界なんか意味はないと思うよ。もうばれていると思うし」
 圭人     :「………おい(汗) それじゃあ、来た意味が無いじゃねえ
        :か」
 健一     :「いや、それがあるんだな、これが。まあそんなに待たなく
        :ていいと思うぞ」
 圭人     :「やけに自信たっぷりだな。正体の目星がついているのか?」
 健一     :「まあね。じゃあ、ちょっと静かにしていよう。幽霊さんも
        :うるさくては出て来にくいだろうからね」

 健一と圭人が静かに息を殺してから三十分もたっただろうか。
健一の霊視とクロトの感覚に何かが引っかかった。

 クロト    :(圭人!)
 圭人     :「(小声で)おい、来たようだぞ」
 健一     :「やっぱりそうか……。今晩は、染木先生」
 圭人     :「?!」

 廊下のはじの方にいた、神秘的な光をまとった女性が健一達に近づいてきた。

 染木     :「今晩は、何しているの。二人とも」
 健一     :「ちょっとばかし、夜の探検をね」
 染木     :「そんな年じゃないでしょ、もう」
 健一     :「まあ厳密に言うと、知的好奇心を満たすためと、仕事のた
        :めの二つですかね」
 染木     :「仕事……。ああ、あそこのバイトのことね。びっくりした
        :わよ最初は、一介の高校生に鍵が貸されて、夜入る許可が下
        :りるなんて」
 健一     :「まあ、その件の理由はそんなところです。こんな面倒なこ
        :とをしたのも、いろいろ紹介していただきたかった人たちが
        :いたのもありますよ」
 染木     :「紹介?誰を?」
 健一     :「この学校によく来る幽霊達をですよ。やはり、こういうも
        :のは気心の知れた人に仲介してもらった方が、うまくいくも
        :んですから」
 染木     :「何のため……。ああ、例の色々な噂の真相を知る為ね」
 健一     :「はい、怪談などの話はデマであることも多いですが……」
 染木     :「中には本当の話も含まれている。ましてや吹利においては」
 健一     :「そのとおりです。だから、この学校で起きたことをよく知
        :っている幽霊さん方とお知り合いになりたいんです。ほって
        :おけば手遅れになるようなものも含まれていますから」
 染木     :「わかったわ。今度来るときまでに話はつけておいてあげる」
 健一     :「それとですね。ええっと……」
 染木     :「人の前にこの姿で現れるなでしょ」
 健一     :「すいません。この前のは事故だったようですけどね」
 染木     :「……何で知っているの?」
 健一     :「いえ、こちらにもいろいろと、その手のつてはありまして」
 染木     :「そう、そういうことにしておきましょう」

 圭人     :「ところで、だ。俺は何のために連れてこられたんだ?」
 健一     :「だから言ったろ、万が一のためだって。それとね……、
        :おーい、クロトさんご挨拶に出てきてくれないか」
 圭人     :「おい(汗)、ちょっとまてぃ」

 圭人の制止にも関わらず、鞄から一冊の分厚い本が出てきた。
 そして、本から光が放たれ、その中に、一人の少女が現れた。
 ギリシャ風のゆったりとした服を着て、幻想的な美しさを醸し出している。
 染木先生と並ぶとまるで姉妹のように雰囲気が似ている。

 クロト        :「………私はクロトの書。工芸の司たるダイダロスに
                :よって作られた、The Fatal Devicesが一つ。始まりを司り
        :しものです。………ちょっと堅苦しいですね(苦笑)」
 染木     :「初めまして、染木忍と申します。たまに圭人君の周りに
        :別の存在が感じられたけど、あなただったのね」
 クロト    :「あら、ばれてました?(笑) 圭人がいつもお世話にな
        :ってます」
 染木     :「いえいえそんなことはありませんよ。けど、今度の中間
        :は頑張るように言っておいて下さいますか。」
 クロト    :「わかりました、よ−く言っておきます」

 二人の刺々しい言葉にぶっ倒れそうになりながら、圭人は健一に尋ねた。

 圭人     :「あー、健一君。まさかとは思うが狙ったんじゃないだろ
        :うね?(怒)」
 健一     :「あーすまん。こんなところじゃなきゃ、クロトさんを
        :染木先生に紹介させられないと思ったんだが……」
 圭人     :「こういう状況が生まれるとは予想していなかった、と?」
 健一     :「すまん、そのとおりだ」

 クロト    :「大丈夫ですよ、この前以来少しは勉強をするようになり
        :ましたから」
 染木     :「それはよかったわ。あのままじゃ危なかったからねえ」
 クロト    :「そうですねえ。さすがに、数学がああだったのはショッ
        :クだったみたいで」
 染木     :「兼澤君は理系が要だからねえ………」
 圭人     :「……………(頭痛)」

 健一     :「えーと、それくらいにしてもらえますか。後で僕が運ぶ
        :はめにはなりたくないんで」
 クロト    :「大丈夫よ、ぶっ倒れたら家まで私が送っとくから」
 圭人     :「家の上空3000mにか?」
 クロト    :「あはははははは(汗)」
 健一     :「ああ、ケルベロスの時のようにね」
 染木     :「話には聞いていたけど、なかなかハードなバイトの様ね。
        :まあ、がんばりなさい。あ、あと、滝川耕介君によろしく」
 健一     :「へえ、祖父と知り合いなんですか」
 染木     :「ええ、かなり長いつきあいね、耕介君とは」
 健一     :「なんか、そうやって祖父を呼ばれると調子が狂いますね」
 染木     :「そう?」
 健一     :「まあね。それではおじゃましました。警備員さんには除
        :霊したと伝えておきますよ」
 染木     :「それじゃあ、おやすみ」
 圭人     :「さよなら」
 クロト    :「それでは」



そして、日常へ
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 そして、次の日の学校。授業中なのに突っ伏して寝ているのがちらほら見え
るいつもの風景。あれ、あそこで寝ているのは……。

 圭人     :(Zzzzz……)
 健一     :(また、眠っているよ、あいつ。まあ、昨日があれだった
        :からしょうがないかな。僕が悪いんだし。あ〜眠い)
 


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 以上です。
 まだ、続くのかな?
 一応、健一のじいさんの名前を耕介としておきましたが、
 このEPの完成版が出来るまでに、最終決定をしておきます.
 いろはさん、修正お願いします。

それではケイスケでした。

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 MITAKI@yahoo.co.jp
 御滝圭介



    

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