[KATARIBE 18991] [HA06P] 水無瀬の旅行・新潟長野篇

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Date: Tue, 16 May 2000 00:30:19 +0900
From: "小西 朱水" <akami_k@livedoor.com>
Subject: [KATARIBE 18991] [HA06P] 水無瀬の旅行・新潟長野篇
To: "語り部メーリングリスト" <kataribe-ml@trpg.net>
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こんばんわ。小西朱水でございます。
やっと3月末に敢行した新潟・長野旅行のEPを流します。


添削、茶々入れ大歓迎。

ケイスケさん、滝川くんをお借りしました。添削をお願いします。

エピソード『水無瀬の旅行 新潟・長野篇』
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主要登場人物
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 水無瀬 香子(みなせ・きょうこ)
    :吹利高校鉄道研究部副部長。最近は弾き語り通信クラブにも出没
    :する。HNは花咲香織。

 三橋  徹 (みつはし・とおる)
    :水無瀬に萌え萌えの同級生。よくこんな感じで旅行へ行く。

 沢野口 博康(さわのぐち・ひろやす)
    :水無瀬・三橋コンビの共通の友人。知識欲の怪物。三橋いわく、
    :「彼は知識をもっているからすごいというんじゃなくて、どこに
    :どんな知識が転がっているかをすべて知っているから凄いんだ」
    :とのことである。東京都目黒区在住。

 水無瀬 香澄水(みなせ・かすみ)
        :香子の妹。マッドな小学生。将来の夢は新谷ゼミに入ること。学校
    :では「オカルトネタは香澄水に聞け」が合言葉になりかけている。

 滝川  健一(たきがわ・けんいち)
    :数学研究部部員。実は三橋の後輩だったりする。


北関東篇の続き。

新宿駅
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 沢野口   :「僕も行こうかな……」
 香子    :「いらっしゃいよ。実は指定が1枚あまってるのよ」
 三橋    :「払い戻さなかったの?」
 水無瀬   :「払い戻しに行くと面倒くさいじゃん。190円のために?」
 沢野口   :「どこまで?」
 香子    :「どこまでもどうぞ」
 沢野口   :「じゃあ新潟までいい?」
 香子    :「どうぞ」

ひょんなことから新潟までお宅二人と同行する羽目になった沢野口。

 香子    :「あ、そろそろだわ」
 三橋    :「どうしたの?」
 香子    :「香澄水ちゃんが来るのよ」
 三橋    :「君、旅行に連れてく気?」
 香子    :「いいじゃん?」
 沢野口   :「体力大丈夫か?」
 香子    :「よくあちこち連れまわしてますから、大丈夫なはずです」
 三橋    :「それはいいけどねえ……」

みんなで中央快速ホームへ移動。高尾行き特快の待ち客がホームを埋める。

 香子    :「あ、いたいた。香澄水ちゃ〜ん!」
 三橋    :「おっひさっしぶっり〜」
 沢野口   :「あれ? 香澄水ちゃんははじめましてかな?」
 香澄水   :「この方、どなた?」
 香子    :「沢野口さん。ごあいさつするのよ」
 香澄水   :「はじめまして」(ぺこり)
 三橋    :「こういうことか。これで指定4枚取ってたんだな」
 香子    :「これは俊治君の分なんだけど、来れなくなったのよ」
 沢野口   :「そろそろ入線じゃないの?」
 香子    :「そうよね。じゃあホーム移動!」

車内
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快速ムーンライトえちご。東京人にとっては定番の夜行列車だが、吹利在住の
人間にとってはなかなか乗れるものではない。ただしこの状況は実質的には水
無瀬香子によって無効化される。彼女にとってはこれも定番夜行。

 沢野口   :「君はMえちご何回目だっけ?」
 香子    :「たしか17回目です」
 沢野口   :「うわ〜、俺より多いや」
 三橋    :「彼女、M九州とかは100回越えてますから」
 香澄水   :「いっつもお姉ちゃん旅行いっちゃって家にいないの〜」
 三橋    :「そんなに?」
 香澄水   :「私を連れてかないとカバラ十字切っちゃうから〜」
 沢野口   :「おいおい、それはやめとけ」
 香澄水   :「アッテ〜、マルクトゥ〜」
 香子    :「やばい!」(香澄水の頭を叩く)
       :「こんなとこで黒魔術発動するんじゃない!」
 沢野口   :「凄いね、小学生でGD団の儀式を知ってるなんて」
 香子    :「確か香澄水ちゃんはもう内陣入ってます」
 沢野口   :「それって、洒落にならなくない?」
 三橋    :(……ちんぷんかんぷん)
 香澄水   :「秘密にしなさいよ、おねえたん!」
 三橋    :「何の話?」
 沢野口   :「君は知らないほうが身のためだ」
 香子    :「フリーメーソンの話よ」
       :(ふぅっ、うまく誤魔化せた……)

列車は無事定刻に発車。

 香子    :「明日の朝の乗り換え、遅れたらどうする?」
 沢野口   :「乗り換え3分だっけ?」
 香子    :「はい。まともに信越線で柏崎出ちゃいますか?」
 三橋    :「ほくほく乗れない?」
 香澄水   :「いけなかったらそのときよ、お姉ちゃん」
 香子    :「まあ、そうしましょうか」

闇を突いて走るMえちご。とっくに日付は変わり、次の停車駅は高崎。

 香澄水   :「高崎でコンビニ行きたい〜」
 香子    :「そりゃ行くけど、って寝なくて大丈夫?」
 沢野口   :「いま香澄水ちゃん時刻表見てないよね?」
 香子    :「はい?」
 沢野口   :「長時間停車を覚えさせたの?」
 香子    :「だってこれくらい常識でしょ?」

1:00、高崎到着。30分停車。

 三橋    :「コンビニは東口だっけ?」
 沢野口   :「だよね?」
 香子    :「ローソンが24時間なのよ」

 荷物を客席においてみんなでコンビニへ繰り出す。
小学生が混ざっているのは内緒(爆)

お約束のC2H5OH関連アイテム仕入れも完了し、車内へ戻る。

翌朝までは謎ということにしておこう(核爆)
香澄水ちゃんに睡眠薬+アルコールを飲ませ、三人で酒盛り……
してない! 

新潟到着
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 香子    :「もう新潟よ!」
 香澄水   :「えっ、早いね」
 三橋    :(笑)→凍りつく。よく考えたらこんなちっちゃい子が
       :夜行でぐ〜すか寝ていること自体おかしい。
 沢野口   :「乗り換えは階段渡って別ホームよね」
 香子    :「2番線到着、4番線発車です」
 沢野口   :「僕は新幹線で帰るよ。1時間くらい待てばあるでしょ?」
 三橋    :「そんなもんです」
 香子    :「じゃあ私たちは乗り換えがあるんでこれで」
 沢野口   :「また今度ね」

越後線
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このルートだと新潟でちょうど夜が明ける。そして吉田を過ぎて……

 香澄水   :「海がみえない〜」

そのとき、車掌が通りかかる。

 車掌    :「越後線からは海は見えないです。信越線に入らないと」
 香子    :「あ、どうも」
 三橋    :「しかし、君は吹利から東京まで香澄水ちゃんを一人で
       : 来させたわけ?」
 香子    :「吹利から東京なんて近いわよね。ねっ、香澄水ちゃん」
 香澄水   :「うん!」(にっこり)
 三橋    :「まったく水無瀬家は謎だ……」

信越線
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 香澄水   :「駅弁は?」
 香子    :「直江津まで待って」
 三橋    :「このプランって、実は直江津で駅弁買い込まないとピンチ
       : じゃない?」
 香子    :「そうよ」
 香澄水   :「駅弁はお昼ごはん?」
 香子    :「そうね。直江津は立ち食いそばにしましょうか」

そして青海川駅。防波堤併設の駅として知られる。

 香澄水   :「海がきれい!」
 香子    :「そうね。今回は信越線で海は見納めよ」
 三橋    :「泳ぎたくならない?」
 香子    :「鉄道優先」

直江津駅
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 香澄水   :「コンビニないの〜」
 香子    :「直江津にはないのよ。だから立ち食いそばで我慢ね」
 三橋    :「味は?」
 香子    :「う〜ん、そこそこ」
 香澄水   :「じゃあ、モズクそば!」

横には贅沢極まりない編成の快速信越リレー(特急編成!)が停まっている。
しかもかなり空気輸送。

 三橋    :「車両が余ってるのはよ〜く分かるけど、贅沢だね」
 香子    :「後で分かるわよ」

この後、遅れているトワイライトエクスプレス(有珠山噴火による
山線迂回の影響)からの接続待ちで5分ほど遅れて直江津発車。

信越線(続き)
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新井、妙高方面へ向かう快速信越リレー。快速とはいうが、通過駅のほうが
停車駅よりはるかに少ない。

妙高高原。すでに新井あたりでぎっしり乗り込んで空席は消えうせているのに、
まだまだ客が大量に乗ってくる。これでは積み残しが出かねない。

 三橋    :「何これ!」
 香子    :「こういう事なのよ」

豊野駅
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本来は北長野で乗り換えの予定だったが、少々信越線が遅れた関係で
北長野では間に合わなくなり、豊野。

 香子    :「ここは初めてなのよ」
 三橋    :「え? JR全駅完全乗降達成したんじゃないの?」
 香子    :「そんな無茶な!」

飯山線が到着する。1両ワンマン、通路までかなりぎっしり。

 香澄水   :「……」

飯山線
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飯山を過ぎると、車窓に白いものが目立ち始める。

 香澄水   :「わーい、ゆきだ〜」
 香子    :「今年はたいしたことなさそうね」
 三橋    :「てーか、本命は只見線だろ?」
 香子    :「何メートル残ってるのかなあ」

結局、すわれたのは戸狩野沢を過ぎてから。

上越線
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 香子    :「本数が少ないから、座るのも大変よね」
 三橋    :「後ろのほうには空席ありそうだよ」
 香澄水   :「移動しよ〜」

 香子    :「すいません」

さすがにボックス単位では空いておらず、相席。

 地元人   :「どうぞ。旅行中?」
 三橋    :「はい」
 地元人   :「ご一家で?」
 三橋    :「……」
 香子    :「……」
 香澄水   :「はい!」(元気たっぷり)

車内の温度が100度ほど落ちたことはいうまでもない。

 20分間の沈黙の後、小出駅到着。

小出
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 香澄水   :「わ〜い、只見線只見線……」
 香子    :「二両…… これじゃ空気輸送決まりね」
 三橋    :「てゆ〜か、只見線は本数少なすぎ」

そのとき、車内前方から見覚えのある顔が……

 滝川    :「あれ? 『水無瀬徹』さん?」
 三橋    :「?」
 滝川    :「なんで只見線に……」
 三橋    :「射殺するぞ!」
 香子    :「滝川君? おひさしぶり〜」
 三橋    :「しかし、何で君が只見線に?」
 香澄水   :「滝川さんでしたっけ?」
 滝川    :「香澄水ちゃん? おひさしぶり〜」
 香子    :「あれ? どこで会ったんだっけ〜」
 滝川    :「いつかお宅にお邪魔させていただいたことがありまして」
 香子    :「あれ? うちに来たことあったっけ?」
 三橋    :「ほら、あのとき!」
(ここまで設定を詰めていないんで、ぼやかしモード)
 香子    :「ああ!」(思い出した)
 三橋    :「とゆ〜か、何で只見線……」
 滝川    :「書道部の合宿なんです」
 三橋    :「ど〜して只見沿線でやるかなあ〜」(呆)
 香子    :「ひょっとして、山菜共和国?」
 滝川    :「よくご存知ですねえ!」
 香澄水   :「おねーちゃんは日本のことは何でも知ってるの!」
 滝川    :「あっ、そうか」

そうこうしているうちに発車。入広瀬まで約30分。

只見線
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 香子    :「只見線のスジを持ってきたんだけど、結構見事よね」
 滝川    :「スジって……」(汗)
 三橋    :「香子ちゃん、一般人の前でマニア用語は止めようよ」
 香澄水   :「ダイヤグラムです」
 滝川    :「読めないよ〜」(汗)

なんだかんだで、30分をタイムスリップさせることにする。

 三橋    :「それじゃまた学校で〜」
 滝川    :「おせわになりました」

 香子    :「まったく、只見線で吹利学校の人と出くわすとはね」
 三橋    :「全くだ。初めてでしょ?」
 香子    :「う〜ん、山口駅と中央線では一回ずつやったことあるけど、
       : 只見線で出くわすとは…… 今回の旅行では一番確率の低
       : そうなとこだわ」
 香澄水   :「おね〜たん、そろそろ大白川でしょ?」
 香子    :「そうよ」

大白川駅。残雪2.5メートル以上(爆)
そして六十里越。

 三橋    :「何これ! 3メートル越えてるよ!」
 香澄水   :「うわ〜」

何しろ、3月末というのに雪の壁で車窓が見えない(核爆)

六十里越のトンネルを越えるとまもなく田子倉。

 香澄水   :「こんな駅、誰が乗るの?」
 香子    :「山男たちが乗ってくるの」
 三橋    :「それを言うなら雪男だって」

何しろ、この時期は駅へのアクセス道路である唯一の国道が「冬季閉鎖」で
不通。常識的には誰も乗ってこないはずだが…… 乗客約6名。
ついでに駅のホームは人間ではなく、テントで埋まっていた。

 三橋    :「……」(沈黙)

六十里越を越えてしまうと会津若松まで何の変哲もないローカル区間
だから、EPとしては省略。

会津若松駅手前
--------------

 香子    :「夕食、どうする?」
 三橋    :「喜多方だと最大滞在何時間?」
 香子    :「2時間くらいは取れるわよ」
 香澄水   :「ラーメン食べたい〜」
 香子    :(苦笑)

喜多方
------

ラーメン屋にて。

 香澄水   :「おいちい」
 香子    :「よかったわね〜」

 店員    :「どちらからいらっしゃったの?」
 香子    :「吹利からです」
 店員    :「今晩はここでお泊り?」
 香子    :「最終の磐西を捕まえて、新潟から東京回りで帰ります」
 店員    :「大変ねえ!」

喜多方レベルの街だと19時には完全に眠りについてしまう。最終の新津方面
行きは19時59分。

磐越西線は完全に闇の中。山都、咲花、日出谷、五泉と鉄道マニアにとって
聞き覚えのある(SLばんえつ物語関連)駅名が続く。

新津
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 香子    :「さて、どうしようか?」
 香澄水   :「本買いたい〜」
 三橋    :「本屋とか開いてるのか?」
 香子    :「まあ、歩いてみましょう」

ちょうど雨が降り出した。でも駅前にアーケードがあるから大丈夫ということで……

 三橋    :「左!」
 香子    :「あら! 古本屋!」

全くぶったまげた。こんなところに古本屋がこんな時間(22時過ぎてます)まで
開いてるとは……

少し本を仕入れるが、すぐにひまになる。

 香子    :「新潟行っちゃいましょう」
 三橋    :「そうだな。夜行は早いうちに乗れと」

新潟
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 新津とはうってかわって、まだ人ごみが存在する。時刻はすでに23時。

 駅員    :「まだ使うの?」(18切符を指差して)
 香子    :「はい」

 18きっぷは24時までの切符だから、そろそろ普通は使い終わりの時間。
でもこのグループの場合はこれから夜行に乗るからまだまだ使う。

当然のようにC2H5OHなドリンクを仕入れて、車内に持ち込む。

新津駅停車中
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24:00.この瞬間、香子と三橋は正式に高校3年生になった。

 香子    :「進級おめでと〜」
 三橋    :「君に言われる道理はねえよ!」
 香澄水   :「まあ、いいじゃん」
 香子    :「そういえば、火撫くんはだめだったのよねえ」
 三橋    :「彼の冥福を祈って、乾杯!」
 香澄水   :「……」

この先は続編をお待ちください。

時系列
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2000年3月30日〜4月1日。

解説
====
旅行先の水無瀬姉妹と三橋徹。このシチュエーションでは一切異能は登場
しなかったりする。

以上です。

次は山形篇……

5月3日に取材に行きましたので、結構派手なEPになると思います。
今週の土日を使って書くつもりですので、参加したい方はそれまでにレスください。

それでは。

小西 朱水
mailto:akami_k@livedoor.com


    

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