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Date: Tue, 9 May 2000 22:07:15 +0900 (JST)
From: 灰枝真言 <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 18934] [HA06P]:EP 『助けたお礼』
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <200005091307.WAA30163@www.mahoroba.ne.jp>
X-Mail-Count: 18934
2000年05月09日:22時07分15秒
Sub:[HA06P]:EP『助けたお礼』:
From:灰枝真言
こんばんわ、灰枝です。
彩花も民研にまぜてもらお。
久志さん。フラナくんをお借りしております。
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エピソード:『助けたお礼』
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登場人物
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燕彩花(ヤン・ツァイファ):
:紅雀院大学新入生。
:中国生まれだけあって、長幼の序には厳しい(除く末夜)
:よくお腹すいてます。
富良名裕也(ふらな・ゆうや) :
:お気楽な天然系大学生、外見は幼い。
目移りしてます
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春である。
紅雀院大学構内には新入生達と、新入生獲得に燃える各サークルの勧誘員達
がいたるところで見かけられる。
春である。
時折強い風が吹き、桜の花びらが白く渦を巻いている。
彩花 :「キレイネ★」
もちろん中国でも桜は咲く。
でもこんなにまとまって咲いているのは、日本ならではだ。
気分よくニコニコと笑いながら、左右の立て看板をながめ歩く。
彩花 :「なんだか色々あるナ〜」
好奇心の強いたちである。いちいち立ち止まっては舐めるように看板やチラ
シを読んでみたり、勧誘につかまって話を聞かされてみたり。
だからして一向に先に進みはしない。正門をくぐったのは朝方であったが、
いつの間にか日は天頂を過ぎている。
健康的なムスメとしては、当然ながら、腹がへる。
彩花 :(ぐぅ)
彩花 :「お腹すいたネ」
ふとふと辺りを見まわせば、人通りが少し減っている。
勧誘合戦も、中休みといったところらしい。
彩花 :「わたいもお昼にしよー♪」
くんくん、と空気の匂いを嗅ぐようにすると、食べ物の匂いのするほうへと
歩き出す彩花であった。
よこかんばん
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しばらく歩く。
なんだか裏道っぽい建物と建物の間の道である。
食堂の匂いに向けて、最短距離を歩こうとするから、そんなことになるので
ある。
夏場に講義をサボって昼寝するにはよさそうな場所であった。当然ながら人
通りはなく、通りの喧騒とも無縁である。
呼び込みの声も、ここにはない。
??? :「……みんけんで〜す」
声がする。
彩花 :「ふぇ?」
??? :「誰かとおってよ〜」
なんだか困ったような声である。
建物の谷間を時折びゅう、と吹く風に流されて、かすかに聞こえる。
??? :「わ〜ん(じたばた)」
彩花 :「えと。何してるネ」
看板が倒れている。その間から声がする。
ばたばたと時折動く、手足が見える。
看板に挟まったまま、風に吹かれて倒れたようだ。なんだか変な風にひっか
かかったらしく、動けなくなってしまったフラナであった。
彩花 :「なんだかおもしろそーネ」
フラナ :「あんまり面白くないよー」
彩花 :「みんけん……」
フラナ :「読んでないで助けてよぉ」
彩花 :「あいや、ごめんねデス」
どっこいしょといった感じで引っ張り出されて、フラナちょっと一息。
それから何事もなかっとように、おもむろに言う。
フラナ :「というわけで助けてもらったお礼に、民研に入ってね」
転んでもただでは起きない。
というか論理的に微妙におかしい気もするが、彩花はあんまり気づかない。
ふと、亀を助けて宴会に招待されるお話など、思い出している。
彩花 :「お礼?」
フラナ :「お礼お礼」
彩花 :(……たちまち彩花はおばーさん)
フラナ :「どーかした?」
彩花 :「何でもないネ」
フラナ :「ふーん。じゃ、これどうぞ」
とフラナ、ひっくりかえっても離さなかったチラシを取り出して、彩花の手
に握らせて。
フラナ :「ぼく富良名裕也。民研の二年生。フラナでいいよ」
彩花 :「わたいは、ツァイファいいます。
:先輩だったネ。どぅぞよろしくデス」
フラナ :「こっちもよろしく。んーと。じゃ、新歓コンパ来てね。
:来なきゃだめだよ。約束だよ」
彩花 :「約束。わかりましたネ、フラナ先輩」
フラナ :「きっとだからね〜」
なしくずしである。
サークル内容の説明がぜんぜん無いことには、二人とも気がつかなかったよ
うである。
チラシをにぎったまま、何となく首をかしげた彩花だったが、思い出したよ
うに、腹がなった。
彩花 :(ぐぐぅ)
彩花 :「そうそう。お昼にするネ」
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フラナ君にこんなことしちゃってよろしーんでしょーか(汗
セリフその他、チェックお願いいたします。
ばい:灰枝真言