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Date: Tue, 09 May 2000 20:13:06 +0900
From: 銀佳 <ginka@mutt.freemail.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 18932] [HA06P] 『とある日の実験科』
To: 語り部ML <kataribe-ml@trpg.net>
Message-Id: <20000509111352.2610.qmail@mutt.freemail.ne.jp>
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銀佳@逃避力は利用しよう です。
新規EP♪
皆々様、紹介文に訂正などお願いします。
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エピソード『とある日の実験科』
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登場人物
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雪丘望(ゆきおか・のぞむ):
白月悠(しらつき・はるか):
:吹利学校高等部の二年生。心配性。
水瀬璃慧(みなせ・あきえ):
:言霊使いの高校生。最近どうも、体調不良。
火撫楓(ひなず・かえで):
琴羽愛(ことは・あい):
時間と勝負
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体育の時間、マット運動を終わらせて。
悠 :「どする、璃慧のとこ、行ってみる?」
この直前の休み時間に『う〜〜っ、保健室行ってくる〜〜』と言って保健室
のほうへと消えた璃慧。体育の時間に現れなかったことを考えるに、そのまま
寝ているのだろう。
望 :「う〜ん、時間があぶないけど……ちょっとくらい様子見
:てった方がいいかなぁ」
悠 :「じゃ、急ごっ」
急いで、体育館から校舎に戻る。目指すは一階東側、保健室。
と。
?? :「うわ」
悠 :「あっ、ごめんなさいっ」
昇降口から飛び込んだところで、危うく誰かとぶつかりそうになる。
楓 :「びっくりした……」(ぼ〜っ)
望 :「きゅ?」
悠 :「……て、火撫先輩かぁ」
望 :「……ああ」(ぽむ)
短期的記憶喪失
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なんとなく『心ここにあらず』状態の楓。
楓 :「あれぇ……変だなぁ……」
悠 :「……どうしました?」
楓 :「いや……」
望 :「ほえ?」
楓 :「……あれ、ここって一階?」
望 :「!!」
絶句。
楓 :「あれぇ……何しに来たんだろ……」
悠 :「……(^^;;;」
望 :「あう」
楓 :「ほんとに、なんでかなぁ」
望 :「(^^;;;;;」
悠 :「……とりあえず、ちょっと急ぐのでっ」
なんだか悩んでいる楓を放っておいて、当初の目的通り、保健室へ。
保健室にて
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悠 :(そっと保健室のドアを開ける)「あの……」
琴羽 :「あ、どうしました?」
望 :「きゅ……と」(中を覗き込む)
悠 :「璃……えと、水瀬さん、大丈夫でしょうか?」
苗字を呼んだのは、ずいぶん久しぶりのような感覚。
琴羽 :「ああ……けっこう、辛そうだけど……」(と言って奥へ)
保健委員 :(二人に)「あ、ちょっと待っててね」
半開きにした保健室のドアから、なかば身を乗り出すようにして中を覗く望
と悠。
廊下側から見たら、けっこう面白い光景かもしれない。二人とも、まだ体育
のジャージのままだし。
琴羽 :「大丈夫、水瀬さん?」
璃慧 :「ええ……」
琴羽 :「今、どんな感じ?」
璃慧 :「う〜ん……」
カーテンで仕切られた、ベッドの並んでいる空間。琴羽先生の消えたあたり
から、話し声が途切れ途切れに聞こえてくる。
璃慧が身を起こしたらしい、微かな衣擦れの音もした。
望 :「ま、だいじょうぶかなぁ?」
悠 :「そだね」
楓 :「う〜〜」
望&悠 :「!!」(びっくり)
急げっ
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どうやら、まだ一階を彷徨っていたらしい楓。
悠 :「……」
楓 :「ほんとに何しに来たんだろう」
望 :「あう(^^;;;」
悠 :「次の時間、英語2だけどいいの?(汗)」
楓 :「あ」(ぽむ)
望 :「??」
楓 :「体育から帰ってきて、教室戻ろうとしたら階段昇り過ぎ
:て上まで行っちゃって、で教室に戻ろうとしたら、今度は
:降り過ぎちゃったんだ」
沈黙。
悠 :「早く教室まで戻ってねっ……て……」
楓の服装と自分たちの服装を見比べて、悠は再度絶句。
楓はごく普通の私服。望と悠は、未だにジャージにTシャツといういでたち。
時計を見ると、チャイムが鳴るまで、あと二分強。
望 :「やば」
悠 :「着替えないとねえ……」
再度保健室を覗くと。多少危なっかしい足取りではあったものの、璃慧がベ
ッドから起き上がって、こっちに歩いてきているところだった。
望 :「次の時間から来るのかな? どっちにしろもう平気だね」
悠 :「うん……じゃあ先生、とりあえず無事を確認したので失
:礼しますっ」
琴羽 :「あ、はい、遅刻しないようにね」
ドアを閉めて。くるりと向き直ると、もう楓の姿はない。
時計は、無情にもあと一分半ほどと告げている。
悠 :「じゃあ、ね」
望 :「うん、せ〜の」
悠&望 :「急げ〜〜っ!」
更衣室までダッシュ。
……けっきょくこのあと、次の時間の英語教師(=担任)を捕まえ、「体育
が長引いたんですっ」と言ってくれた人がいた模様で。
誰も遅刻扱いされることなく、授業に臨めたのだった。
時系列
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2000年5月の初めころ。
解説
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とある日の実験科。
保健室で寝こむ人がいれば、短期記憶喪失を患う方もいらっしゃいます。
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ではではっ
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銀佳
ginka@mutt.freemail.ne.jp
http://www.geocities.co.jp/Bookend/4229/