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Date: Sun, 26 Mar 2000 19:14:00 +0900
From: 瑠璃夢 <lurimu@geocities.co.jp>
Subject: [KATARIBE 18387] Re: [HA06P] 「璃慧ちゃん、前野さんと会う(仮)」
To: kataribe-ml@trpg.net
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こんにちは〜、瑠璃@未完成EP整理中〜♪ です。
えーっと、はりにゃ、ごめんなさい(汗)
ようやく続き流します〜。
修正個所もちょっとあったので、(時間がたちすぎてるし)最初から流しな
おします〜。
あ、それと。
題名どうしよー。チャットログ流すときに適当につけた奴なんで(ぉぃ
もう一ひねりくらいあったほうがいいかも。
あ、人物紹介と、解説よろしくっ♪
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エピソード『璃慧ちゃん、前野さんと会う』
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登場人物
--------
前野浩(まえの・ひろし):
:
水瀬璃慧(みなせ・あきえ):
:小説書きが趣味な女子高生。時間がない〜と騒ぐこと多々。
:ちょっと人見知りする。
無道千影(むどう・ちかげ):
:
前野の目
--------
ここ吹利駅前商店街も、年の瀬が近づくに連れてその賑わいを増している。
年末商戦向けの POPや、クリスマス向けのレイアウトなどがショーウィンド
ウを飾り、活気のある売り声があちこちから聞こえてくる。
もっとも、私の今日の買い物は、あまりそれらには関係ない。
実際、一つ二つが値引きしていたくらいのものだった。
店員 :「ありがとうございましたー!」
店員の声に送られて店を出る。
さて、どうしたものか…
人込みに揉まれるのは好きじゃないが、そこまで混雑しているわけじゃない。
それに、少し店を覗いていくのも良いだろう。
クリスマスのこともあるし……
前野 :(お……)
本屋から、一人の女学生が出てくる。
高校生くらいか……どこかで見た顔だ。
学校帰りらしく、手には鞄を下げている。
本の包みは無いようだが、買わなかったのか、鞄の中か……
女学生 :「……あ」
顔を上げたところで目が合う。
向こうも、なんとなくどっかであったことが在ると思ったのだろうか。
名前も思い出した。
確か、水瀬璃慧。美樹さんのChat仲間だ。
前野 :「こんにちわ」
璃慧 :「……こんにち……は…………」
おずおずと返事を返してくる。
前野 :「おかいものですか?(笑)」
璃慧 :「……ええ…………」
露骨に怖がられてるな。
声をかけない方がよかったのかもしれない……
前野 :「あっ……と……買い物の邪魔しちゃったかな?」
璃慧 :「あ、いえ。別に急いでたわけでもないですし……」
前野 :「夕飯のお買いものかな?」
とりあえず、話は続いてしまう。
璃慧 :「あ、べつにそうゆうわけじゃないです
:料理はあんまり好きじゃないんですよね……」
前野 :「そうなんだ……苦手とか?」
こうして、ついつい詮索してしまうんだな……
嫌な奴だ。
璃慧 :「うーん……別に、苦手って訳じゃないと思うんですけど
:……もっと他にやりたいことがあるから……、かな」
前野 :「へぇ…いいね。やりたい事があるってのは(笑)」
璃慧 :「そう……ですか?」
前野 :「うん。やりたい事も無くぶらぶら過ごしてるよりか、ず
:っと健全でいいよ(笑)」
ま、実際よっぽどマシだ。
璃慧 :「健全……かなあ(苦笑)?」
やりたい事で無駄に出来る時間が在るだけ幸せだと思うが、実感は湧かないだ
ろうな。
前野 :「私なんか、高校の頃は碌にやりたい事も無かったから
:なぁ……」
璃慧 :「そうなんですか……
:わたしはなあ、時間が足りなくて……(苦笑)」
前野 :「やりたい事が多すぎて?(笑)」
璃慧 :「そんなに多いつもりはないんですけどね(^^;」
少し羨ましい。
熱意を持って取り組んだ記憶が薄いからかな。
何か手助けでも出来ればいいんだが…
璃慧 :「要領悪いの……かなあ?」
前野 :「どんなことで時間が取られちゃうんだろ?
:なにか、調べものとか、手に入り難いものとかあるの?」
もっとも、そんなのは身勝手な親切の押し売り。
わかってはいるんだがな(苦笑)
璃慧の目
--------
返答に困って、ちょっと沈黙。
自分でもこれと言って原因がわかっているわけでもなし。
強いて言うならこの性格が問題なのだろうけど……
愚痴めいてしまうのは分かっているから、あまり親しくないこの人に言うの
も悪いだろうし……
悩んでる様子に気づいたのか
前野 :「……あっ、ごめんね(苦笑)
:立ち入ったことまで聞いちゃって……(^^;;」
と。
気づかってくれてる優しさが嬉しかった。
璃慧 :「あ、いえ……」
反射的に出た声は、我ながらとてもか細い。
璃慧 :「えっと……前野さん、でしたよねえ?
:買い物、ですか?」
前野 :「えぇ、おつかいのようなものです(笑)」
璃慧 :「おつかいって……(笑)」
外見とその言葉のミスマッチに、ちょっと笑ってしまった。
でも、そんなあたしに怒る風でもなく、にこっと笑ってみせた。
外見はちょっと怖いけれど、こうしていると、すごく優しいんだろうという
ことがよく分かる。
前野 :「ほら(笑)」
そういって手に持った紙袋の中を見せてくれた。
中には缶詰やら、お砂糖、猫缶やメディア類まであった。
璃慧 :「なんていうか…………」
前野 :「ん?」
璃慧 :「統一性ないってゆ〜か……(苦笑)」
親しくもない人に、失礼かな、とは思ったけれど。
いつの間にか、緊張もほぐれてきていたようで、思わず口にしていた。
前野 :「まぁ、そうだねぇ(苦笑) みんなに頼まれているからね。
:ま、自然統一性もなくなるよ」
璃慧 :「あれ、一人暮らしじゃないんですか?」
前野 :「ん? 美樹さんから聞いてないかな?」
ちょっと首を傾げて見せながらも、ごそごそと懐から名刺を名刺を差しだす。
黒い金属質のものでできている、ちょっと変わったそれには、この近くだろう
住所と、「前野浩」という名前が書かれていた。
前野 :「一応、このお屋敷で働いているんだ」
璃慧 :「そーなんですか……」
お屋敷、という現実世界ではなじみの無い言葉に。嘆声を返す。
璃慧 :(……なんかすごいなあ)
無道邸の地図
------------
前野 :「そうだ、何か調べ物をしてるって言ってたけど……
:ここの書庫も色々と在るから、参考になるかもしれないよ」
そんな、思いがけない申し出に、ちょっと驚いたけれど。
璃慧 :「あ、ありがとうございますー」
前野 :「道は分かるかな?」
璃慧 :「……(汗)」
さしてひどい方向音痴というわけではないと思うけれど。出歩かない性格の
せいもあってか、どうも土地勘と言うものがまったく無い。
ちょっと困ったような顔をしていたのだろう。向こうから、
前野 :「地図もあげようか(苦笑)」
と、言ってきてくれた。
璃慧 :「……お願いしま〜す」
えへへ、と苦笑いと共に返す。
前野 :「じゃ、さっきの名刺をちょっと借りるね」
璃慧 :「あ、はい」
そう言って、差し出された彼の手に、さっきの金属を渡す。
思わず手元を覗き込んでみると、何かを擦り付けるように貼っている仕草が
窺えた。
前野 :「これでどう?」
そういって再び差し出された名刺には、裏に白略地図が書かれている。
璃慧 :「……え??
:あ、どうも……」
いったい何をしていたのだろう。どんな手品だろうか?
困惑しながらも、とりあえず礼を返した。
そんなあたしの様子には気付かないのか、それとも故意に無視しているのか。
何事も無かったかのように、彼は話を続ける。
前野 :「この名刺を見せれば、すぐに通してもらえると思うよ」
璃慧 :「……って、そんな押しかけて平気なんですか(汗)」
前野 :「おやつ食べに来る人も居るくらいだからね(笑)
:来客は嫌がらないよ」
璃慧 :「おやつを食べにって……(汗)」
人付き合いが苦手な親のせいもあって。来客はせいぜい年に一、二度あるか
ないかという環境で育ったあたしには、ちょっと理解しがたい感覚だ。
でも……。楽しそう、だな……
前野 :「それじゃ、長々引き止めて悪かったね」
璃慧 :「あ、いえ。じゃ、また」
そういって、お辞儀を返した。
ちょっと珍しいことが続いたせいか、しばらく呆けた様子でその場に立ちど
まっていたらしい。不意に、吹きつける風で、体が冷たくなっていることに気
付いて、急いで帰路についた。
璃慧 :(今度、暇なときにでも……行ってみようかな)
無道邸にて
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その後、無道邸にて。
前野 :「千影さ〜ん」
千影 :「ん、なぁに?」
前野 :「美樹さんの友達が、近々書庫を見に来るかもしれません
:ので一応、報告しておきます」
千影 :「美樹さんのお友達なら本を大切にしてくれそうだしいい
:わよ。その人、前野さんは面識あるの?」
前野 :「水瀬璃慧さんという、高校生の方です。
:この間、町であったときに調べ物をしていると言うことを
:聞きまして……」
千影 :「うちの書庫で調べもの? おもしろそうな娘ね☆(クス)」
前野 :「小耳に挟んだ話では、“その手”の資料を探していると
:いうことでしたからね。“色々在る”って紹介しておきま
:したから、来たらお願いします」
千影 :「ふ〜ん、わかったわ……なににしても楽しみね☆(クス)」
時系列
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1999年12月末。
解説
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ではっ
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翼ひろげて 〜夢幻界への誘い:
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"If you can dream, you can do it!"