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Date: Wed, 22 Mar 2000 20:24:23 +0900 (JST)
From: "E.R" <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 18329] [WP01] :「そして年の瀬」 
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <200003221124.UAA56702@www.mahoroba.ne.jp>
X-Mail-Count: 18329
2000年03月22日:20時24分23秒
Sub:[WP01]:「そして年の瀬」:
From:E.R
    こんにちは、E.Rです。
 ………えっらいなんか、時期はずれですが(汗)
 ついでに、完成できるかどうかすらわからんという(爆)
 んでも。途中なんですけど。
 ここで己が持ってても、どーしょもないな、ということで(苦笑)
 年末に流した、「消えるもの、消えないもの」に続きます。
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「そして年の瀬」
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 消えてゆく。
 ゆっくりと、未来が。
 残像のような未来が。
 志郎     :「……風音?」
 風音     :「え?」
 ぺたんと座りこんでいた風音がふり返る。
 片手に葱、片手に菜箸を持った相手は、それでも辛抱強く繰り返した。
 志郎     :「葱、大丈夫か?」
 風音     :「え……えと」
 志郎     :「年越しそばの」
 風音     :「え、あ、うん……大丈夫」
 去年は……と、考えて、即座に訂正する。
 この前の1999年は……いったいどんな年の瀬だったのか。
 寒い。
 
 時計はゆっくりと、動く。
 動く。
 どうせ繰り返すだけだというのに……
 止まっては、くれない。
 半時間先の未来は、既に見えない。
 未来がどんどんと希薄になり、現在だけが残ってゆく。
 その恐怖自体は、流石に一度目よりは軽くなってはいるものの。
 お盆の上に年越しそばを載せて、志郎が台所から戻ってくる。
 それをただ、風音は見ている。
 志郎     :「のびるから、食べろ」
 風音     :「…………」
 志郎     :「…………」
 やはり、ぼんやりとしたまま座りこんでいる風音の目の前に。
 SE     :かたん
 風音     :「?」
 まず食卓が置かれる。
 そして、目の前に蕎麦と箸が並べられる。
 風音     :「…………(汗)」
 志郎     :「食べろ」
 風音     :「………ありがとう」
 志郎の料理と言うのは、これは確実に風音自身のそれより美味しいのだけれ
ども。
 いなくなる。
 もうすぐ……居なくなる。
 風音     :「……………」
 手に持った箸を眺め……そのまま手を止める。
 ゆっくりと。
 未来が…事実になってゆく。
 志郎     :「……風音」
 風音     :「…………」
 ふっと。
 箸の輪郭がぼやけ、歪んだ。
 自分達が関わる限り、繰り返す筈の時が微妙に狂ってゆくのだ、と聞いた。
 で、あるならば。
 消えて行った相手が、戻ってくる保障はない。
 未来が……見えない。
 志郎     :「何を泣いてる…?」
 風音     :「…………未来……が」
 志郎     :「未来?」
 風音     :「見えない……」
 そうでは、ない。
 本当に言いたいことは……
 風音     :「………なんにも、見えない…」
 未来が見えなくなってゆく。
 未来が、途切れている。
 時間軸方向に降ろしていた錨の綱が、断ち切られてでもいるような……不安。
 風音     :「……なんにも…………」
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 で、切る(極道っ)
 てか、しろーちゃんの反応がわからんだったので(苦笑)
 というわけで。
 お願いしますー>はりにゃ。
 んではでは。