[KATARIBE 18249] [HA06N] :「風連理」

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Date: Tue, 14 Mar 2000 00:22:04 +0900 (JST)
From: "E.R" <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 18249] [HA06N] :「風連理」 
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <200003131522.AAA24795@www.mahoroba.ne.jp>
X-Mail-Count: 18249

2000年03月14日:00時22分03秒
Sub:[HA06N]:「風連理」:
From:E.R


    こんにちは、E.Rです。

 ふと。
 ……書く(苦笑)
 多分、そんでも書く。
 書かずば……息が出来ないものな(笑)


***********************************
「風連理」
=========

 淡い風の、掌に集まるように。
 その風の、静かに集まるように。


「……おいで」
 
 差し伸べた手に、絡まる風。
 うす淡い紅の……

「おいで」

 風を。
 風を集めることが叶うならば。
 集めた風が、なお風であり続けるならば。

「おいで……」

 ほどいた髪が、風の流れに沿ってやはり流れる。
 幾筋も。
 
 風を見ることは出来ない。
 風と共に流れる、何かを見るだけで。
 風を聞くことは出来ない。
 風が鳴らす、何かの音を聞くだけで。

 ただ……

「おいで」

 目に見えず、音も無いその何かが、くるくると。
 くるくると自分を取り巻き、包む感覚。

(飛んでみたいか?)

 ふと、耳の奥に……声。
 一度首を傾げて。

「……ううん」

 風を集めて、空を飛びたいのだと。
 繰り返し、繰り返し、たとえ歌い続けたとしても。

「いらない」

 風を集めて、それでも空を飛びたいのだけれども。
 飛びたいのだけれども。

 一度、流れる風に目を細めて。
 そして、花澄は。
 笑った。

「いらない。やっぱり」

 ……ざん、と風が流れた。


 風に絡めとられ、風に乗るその感覚も、その喜悦も。
 憶えていることなのだけれども。 

 目を細めて、もう一度風の行方を見やり。
 花澄は……一度こくり、と頷いて。
 そのまま笑った。


 風はまだ、その輪郭を鮮明にしたまま、夜の中を流れている。

 ある日の、風景である。

******************************************

 ううすみません、完全に己だけの話なんだけど、
今、解説とか紹介とか書く気力が無い(爆)

 というわけで。
 ではでは。


    

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