[KATARIBE 18243] [HA06P] 『前野君の誤解を解こう(仮)』

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Date: Mon, 13 Mar 2000 15:23:18 +0900
From: DSSW Miyachi <dssw_miyachi@yasu.screen.co.jp>
Subject: [KATARIBE 18243] [HA06P] 『前野君の誤解を解こう(仮)』
To: kataribeML <kataribe-ml@trpg.net>
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ど〜も。
総統です。

 ログ発掘月間です(ぉぃ
 とりあえず、ログがあるところまで整形してみました。続きどうしましょうかね?

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黒服と再会
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 太陽は照っても、一向に気温の上がる気配のない公園。SSのコートを普段
着にしている例の男がどっかりとベンチに腰をおろしている。

 平田     :(一件終了か……あと日暮れまでに三件………)

 くわえタバコで空を見上げる。

 平田     :(まあ、サボるわけにもいかんからなぁ……)

 チェックシートを取り出して、先刻調査した建物の評価をはじめる。

 平田     :(……地下室が……なかった……窓がふさがれて……いな
        :かった……)
 ??     :「こんにちわ」
 平田     :(ビクッ)

 外気は寒いが、それ以上の寒気が背筋を走る。その声は、クリスマスに出会っ
たあの男のものとそっくりだったからだ。
 意を決して顔を上げる。

 前野     :「御仕事ですか?」

 正解だった。

 平田     :「ま、まあ、そのようなものだ」

 前野はクリスマスの時と同様、黒服にサングラスといういでたちだったが、
今日は細長い包みを手にしていた。

 平田     :(ま、まさかあの包みは……)

 緩やかなカーブを持つ細長い包み……脳裏には月光を反射して鈍く光る、閂
の断面が浮かぶ。
 反射的にベンチから立ち上がった。

 前野     :「どうかしましたか?」
 平田     :「いや、なんでもない」

 怪訝そうな表情を浮かべる前野だが、平田のほうは額にじっとりと脂汗をか
いている。

 前野     :「顔色が悪いですよ?」

 前野が一歩踏み出した瞬間、平田は一歩下がる。

 平田     :「何か用か?」
 前野     :「いえ、用というほどのものは……どうしたんです? 一        :体」

 苦笑しながら前野がもう一歩踏み出すが、平田もまた一歩下がる。はたから
見ると(見なくても)挙動不審である。
 とはいえ、鉄製の閂を切断してのける男が、得物とおぼしきものを持って自
分の前に立っているのだ。一足一刀の間合いに入らせるわけにはいかない。

 平田     :「こちらも別になにもないぞ」
 前野     :「変な人ですねぇ(苦笑)」

 ずいと、前野が踏み出す。今度は大きめに歩幅を取り、踏み込みも速めだ。
 前野にすれば、平田の反応が面白くてからかった程度の事だが、もはや猜疑
心の塊となっている平田は過剰に反応する。

 平田     :「!」

 はじかれたように後ろに跳びすさり……花壇の柵に引っかかってきれいにこける。トム&ジェリーのトムを彷彿とさせる見事なコケであった。

 前野     :「大丈夫ですか?」

 苦笑を浮かべながら前野が右手を差し出す。左手に持ち替えた細長い包みが、
僅かに地面に触れ、かちゃりと音をたてた。

 平田     :「……大丈夫だ」

 平田は左手を出した。右手はいつでもポケットのPPKを抜き撃ちできる構
えである。

救い主登場?
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 無駄に緊張感が高まってきたその瞬間。

 ??     :「まーえのくーん☆ なにしてるのー?」
 前野     :「うわ!?」

 何者かが前野の背中にとびついた。
 前野はバランスを崩して平田のほうに倒れ込む。

 前野     :「いつつ……いきなり何するんですか(汗)」
 平田     :「………」
 ??     :「昼間っから、男の友情? いやん☆」

 前野が平田の顔の横あたりに手をついて身体を支えたため、二人分の体重がかかるのはさけられたものの、重いものは重い。

 前野     :「キモチワルイ事いわんでください。竜胆さん(苦笑)」
 平田     :(こっちのセリフだ)

 まあ、確かに少しアレな図ではある。

 竜胆     :「ばれた?(汗) そんな顔も見てないのに………」
 前野     :「やってる事と声で分かりましたよ(苦笑)」
 竜胆     :「じゃ、今度から声作ってみようかな………」

 考え込む竜胆。

 前野     :「大丈夫ですか?」
 平田     :「………おかげさまで」

 平田は憮然とした表情で、コートの泥をはたき落としながら答えた。

 竜胆     :「で、何してたの?」
 前野     :「知り合いに会ったので、ちょっと立ち話を」
 竜胆     :「このネオナチみたいな人?」

 悪意は無いようだが、平田としては少々心外な評価である。

 平田     :「連中と一緒にするな。私はテロリストではないぞ」
 竜胆     :「そうなんだ(汗)」
 前野     :「こちら、平田さん。こないだふとしたきっかけで知り合
        :いましてね」
 平田     :「………(コイツの知り合いとなれば一般人というわけで
        :もあるまい…)」
 竜胆     :「?」

 値踏みするようにジロジロ見る平田。あまり紳士的とは言えない態度である。

 前野     :「で、こちら豊秋さん」
 平田     :「平田阿戸だ。よろしく」
 竜胆     :「豊秋竜胆です、よろしくね(にこにこ)」

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ではまた。

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DSSW 宮地伸季
E-mail: dssw_miyachi@yasu.screen.co.jp
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