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Date: Fri, 10 Mar 2000 15:15:30 +0900 (JST)
From: 久志 <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 18219] [HA06P] :「微妙?」完成版
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <200003100615.PAA60348@www.mahoroba.ne.jp>
X-Mail-Count: 18219
2000年03月10日:15時15分30秒
Sub:[HA06P] :「微妙?」完成版 :
From:久志
久志です。
風見アパートシリーズEP集とかあったほうがいーんだろうねぇ(--;)
作るのヤダけど(おい)
エピソード「微妙?」
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登場人物
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富良名裕也(ふらな・ゆうや)
:能天気お気楽極楽少年。色々考えてなさそうだけど少しは考えて
:るけどあんまり考えてない大学生。
本宮和久(もとみや・かずひさ)
:苦労性少年、二人のお守り役……だったはずだけど?
本宮麻須美(もとみや・ますみ):もとみーのおかーさん
本編
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まだ、大学ははじまらない春休みの終わり。
本宮宅にいつものようにフラナが遊びに来ていた。
麻須美:「ゆっくりしてってね、裕也くん(にこにこ)」
フラナ:「はぁーい(^^)」
本宮の母手製の焼きたてのアップルパイを遠慮なくほお張る。
フラナ:「へへ、ほほみー(ねぇ、もとみー)」
本宮 :「……飲み込んでからしゃべれよ(汗)」
フラナ:「(ごっくん)ねぇ、もとみー」
ふいにフラナの顔が少しだけ真面目になる。
フラナ:「あのねぇちょっとお願いあるんだ」
本宮 :「なんだ?真面目な顔して。どうしたんだ?」
フラナ:「んとね、僕一人暮らしするんだ」
本宮 :「はぁ?」
一瞬思っても見ないフラナの言葉に思わず、飲みかけのアップルティーを吹
き出しそうになってしまう。
フラナ:「僕だってもう大学生だもん(にこにこ)」
本宮 :「そ…それは……(汗)」
うっかり忘れがちたが、フラナ同い年なのだ。自分が将来についてあれこれ
考えてるのと同じくらいフラナも色々考えているのだろう……自分の半分くら
いかもしれないが。
一人暮らし。
18歳、大学生。確かに親から離れて生活するのもいいことなのかもしれない。
フラナ:「あ、おとーさんとおかーさんにはちゃんとお話したよ(^^)
:おとーさんも一人暮らしするのはいい社会勉強だって言ってくれたし、
:おかーさんも心配してたけど、僕だってもう大学生だもん、一人で生
:活できるようになりたいって言って、許可してもらったんだよ(^^)」
一人での生活……なにげにまともに生活できてない学生連中ばかりが脳裏に
かすめるのは何故だろうか?(汗)
本宮 :「ああ、そうなのか……それで、お願いってなんだ?」
フラナ:「うんっあのねこないだ不動産屋さんに行ってきて、今度アパート
:見に行くことになったんだ。そんときにもとみーも一緒に見に行っ
:て欲しいなぁって(^^)」
本宮 :「ああ……って、アパートまで決めてきたのか?!」
いつのまにやら、一人でそこまで行動している。なんだか寂しいような嬉し
いような、複雑なものがよぎる。
フラナ:「あのね、風見アパートっていうの、安いとこだったよぉ〜(^^)
:今度の日曜日に見に行くから、一緒に来てね」
本宮 :「ああ、俺は構わないよ……」
フラナ:「ありがと、もとみ〜(^^)ねぇアップルパイ食べないのぉ?僕食べ
:ちゃうよ」
笑顔満面で残りのアップルパイをほお張るフラナは何をどう見ても中学生く
らいにしか見えない。
フラナもそれなりにしっかりしてきたのかもしれない。なんでか、それが寂
しくもある。
本宮 :「…(なんだかなぁ)」
これじゃ、まるで親の心境だ。
フラナに気づかれない様に小さく溜息をついて、手にしたカップに残ったア
ップルティーを一気に飲み干した。
解説
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知らぬ間に子は育つ……ていうか同い年。いつも面倒みていたはずのフラナ
が自分で考えて部屋探ししてることに、ちょっと親的な寂しげを感じてる本宮
のお話。
風見アパートシリーズ第三弾。