[KATARIBE 17973] Re: [TRPG] 世界の記述に関する感想( Re: [HA06] :書店瑞鶴について)

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Date: Wed, 09 Feb 2000 19:32:39 +0900
From: Masaki Yanagida <yanagida@gaia.fr.a.u-tokyo.ac.jp>
Subject: [KATARIBE 17973] Re: [TRPG] 世界の記述に関する感想(  Re:  [HA06] :書店瑞鶴について)
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 こんにちは、D16です。

 以前MLにポストした、
 [KATARIBE 17886] [TRPG] 世界の記述に関する感想(Re:  [HA06] :書店
瑞鶴について)
 の内容が、その元となった瑞鶴の数値的記述をしたE.Rさんにとってそのメ
イルをポストした真意と違う解釈をD16が行ったことでE.Rさんに著しい不快感
(シェアードワールド運営に関する危機感、不信感)を与えました。

 数日そのことを考えた上で、自分の意見がまとまったので、自分の真意を
述べた上でE.Rさんにいくつかの点で謝罪をします。
 以降はその内容になります。

○上記メイルをポストしたD16の真意

 E.Rさんが瑞鶴で起こるいくつかの現象を数値化して表記したことについて、
D16はこの方式を『語り部』を用いて定点エンカウンター(事件遭遇)を表
記する手法の一つとしてルール的興味から本文を書きました。
 実際に『語り部』をTRPGとしてプレイする時に、プレイヤー間で共通の
世界観が不十分な時、数値データは誤解が生じ難く、背景世界、シナリオ
等での記述方法として有効と考えたのです。
 従って、シェアードワールドとしての『狭間』の話題では無く、TRPGシ
ステム、サプリメントの話題と意識してヘッダサインに[HA]ではなく、
[TRPG]を用いました。

○誤解の生じた理由

 1.数値表記のサンプルとして瑞鶴を引用し、例を示した

 上記内容のルール運用的な例示として瑞鶴を例にとっていくつかのシチ
ュエーションを示しました。このことがE.Rさんにとっての不快感の原因と考
えます。
 で、瑞鶴を例として示した理由ですが、それには深い理由は全くありませ
ん。既に数値データの示されたサンプルとして引用しただけのつもりでした。
 つまり、D16本人には上記数値データを元に語り部ML上で騒動を起こす意
図は全く無く、あれは個人としてのD16が私的にセッションを行う時に想定
するシチュエーションのつもりでした。

> たとえば、自分がマスターorプレイヤーであればこの瑞鶴の状況を以下の
>様に使用します。

 と書いたのはそのつもりでした。

 しかし、そもそもE.Rさんが瑞鶴で起きる事象を数値表記した理由が、「
瑞鶴」を「騒動を起こすような場所として認知して欲しくない」と言う意志
表示であるのに気がつかずに「セッションとして使用する」という「私」と
しての例示を「語り部ML」という公の場ですることは、

・ML読者に瑞鶴での騒動を示唆しかねない危険性
・E.Rさんの意志を逆手に取り意図的に誤解したと捉えられかねない内容

 を含み、E.Rさんの感情を著しく害するだけでなく、シェアードワールドと
しての「狭間」の中で瑞鶴の取り扱われ方に誤解を招く危険性がありました。

 これらの危険性に気付かず例示として瑞鶴を引用したことは軽率な行動で
した。

 2.「パワープレイ」と言う言葉を双方の理解が十分でないままに使用した

 パワープレイと言う言葉は現状では
「ルール面の有利不利に不必要なまでに拘泥し、ルール上の記述をもって状
況を自己中心的に力押しするプレイ様式」
とされ、多くは否定的な文脈で使用されています。

 しかし、コンベンション会場、リリースされてすぐのTRPGシステムなど参
加者の間で世界観の共有が十分でない場合、参加者の間で誤解無く共有でき
るのは数値データと、それの運用法としてのルールです。従って、「PCの行
動に対して公平に結果を示す」ルールはそれ自体が世界観の一部であり、そ
れを遵守した上で行動を解決するのが重要と考えます。
 ストーリーラインの整合性を重要視するあまり、ルール的な処置を軽視し
がちなスタイルに対して、あくまで「基本的にルールに従ってセッションを
運営するスタイル」を「パワープレイ」と言うつもりで、あらかじめ

> TRPGのセッションにおいて基本的にルールに準拠した世界観にのっとり
>PC及びNPCの行動をルールに乗っ取って解決する態度。プレイヤー、マス
>ター双方に使う。

 と断って使ったつもりでした。
 しかし、こうした考えはD16自身が思うほどには一般的では無く、こうし
た言葉を用いたこと自体、更にはこの言葉が一般的には肯定的に使用されて
いないことから、不適切な使用でした。

○謝罪すること

 D16は自分がポストしたメイルにより、E.RさんとD16の上で誤解が生じ、
E.Rさんに不快な想いをさせたのは上記のようなことが原因と考えます。
 つまり、

・ルール的興味から例示を行ったがそれはE.Rさん本人にとり、数値データ
を示した理由を逆手に取られた行動と誤解される行動であった。
・仮にD16にデータを逆手に取る意志は無くとも、ML上の読者に騒動を示唆
しかねない内容であり、シェアードワールドの運営に関して危険な内容であ
った。
・上記の危険性にD16は気がついておらず、そのこと自体がシェアードワー
ルド運営上本来は侵してはならない過ちであった。
・双方で共通の理解が得られていない言葉を使用し、それを持ってE.Rさん
の行動を形容した為、誹謗中傷と受け取られた。
(補・文中で定義は行っているがそれだけでは共通理解は成立しにくいこと
を考慮すべきであった)

 D16は以上のことについて、これらが自分の不注意により生じたことで、
結果としてE.Rさんに深刻な危機感、不信感を与えたことを謝罪します。
 謝罪の気持ちの証はこれからの語り部MLへのD16の態度で判断していただ
きたく思います。
 D16は今回の件を以上のように理解しました。

 以降、E.Rさんの返事に対する回答となります。

"E.R" <furutani@mahoroba.ne.jp> さんは書きました:
>   こんにちは、E.Rです。
>  D16さん、こんにちは。
>
> 正直、ルールのことは全然分からないんですが。
>
> 一つだけ、非常に大事な一点を、忘れておられる気がするので。
>
>> TRPGにおいて世界を設定する方法はいろいろあります。
>> が、その方法は二つに分割できると考えます。
>> それは、
>> 数値データによる設定。(システムメカニクス)と、
>> イメージ規定による設定。(フレーバー)
>> です。
>
>> で、パワープレイヤーにとって意味のある情報は(極論すれば)前者のみ
>>なんです。
>
> と、あって。
> E.R的な瑞鶴の記述がパワープレイヤー、とあったのですが。
>
> えとですね。
> 狭間06の大前提は、そもそも
>「日常回帰」なのですね。
>
> それに基づいて、日常に回帰させる(それはもう、居る限りの分身の
>渾身の力を使っても)場所が、
>書店瑞鶴である、と、考えています。

 これまでの文中で、E.Rさんが『パワープレイヤー』と言う言葉を一般的に
否定的に使われる意味で使用しているのだとすると、D16が『瑞鶴の記述がパ
ワープレイヤー』と呼んだこと自体が、E.Rさんの感情を害する事となります。
 しかし、D16としては、できることできないこと、それらを明確にし、数値
データを与えたことで、オフラインで狭間世界をはじめての人と遊ぶ際に、
世界観の共有を、フレーバーのみならずルール上での理解も出来るようにな
ったことを高く評価するために、『パワープレイヤー』と言う言葉を用いま
した。
 けっして、揶揄するつもりでは無く評価する対象として用いたつもりです。

 大前提としての「日常回帰」ですがそのことにD16は何も挑戦するつもりは
ありません。
 現在は開店休業中のベーカリー楠はまさにそのような場所であったと考え
ています。
 「狭間」という言葉のとおりPC達は異能により『日常』から半歩踏み出す
ことのできる存在ですが、それでもなお、もしくはだからこそ日常を愛し、
守り、帰ってゆく。その為の場所としてベーカリー楠などがあると思います。
 そして、守ろうとする行為そのものがEPになった例も幾つかあると思いま
す。

>> この設定方法は明らかにフレーバーではなく、システムメカニクスなんで
>>すよね。
>> 何が出来る、何が出来ない。
>> 出来るとしたらこのような状況。
>> 出来ないとしたらこのような状況。
>> それに対して数値的なデータを入れている。
>
> 故に。
> 狭間06に属する(つまり、そもそも世界作成者が日常回帰を基本として
>考えている)瑞鶴と言う場所を、
>「世界作成者の意図を汲んだ上で、それなりに自分の位置を設定しようとしている
>PL」的な立場から考えている、と、思っていただきたい。

 そのことは了解しているつもりです。
『「世界作成者の意図を汲んだ上で、それなりに自分の位置を設定しようと
しているPL」』
 その意図を実際のデータとして表記するということ、その行為が瑞鶴の数値
的表現であったと最初D16は考えたのです。

> フレーバー重視です、要するに(苦笑)

 はい、全くそのとおりです。
 世界を共通理解しやすくするために数値データを用いること、それは、誤解
無くフレーバーを理解してもらう為の効果的アプローチの一つであり、ここに
いたってルール、データとフレーバーは世界観記述という目的の元に融合しま
す。
 ですから、フレーバーを理解してほしいということについてはD16はE.Rさん
の意図を了解したと思っています。

> その上で。
> まあ全体に、「日常回帰よりもそれを多少踏み出したほうが面白いじゃないか」と
>考える方たち用に、狭間06内で「ある意味力づくにでも日常回帰を行なわせる」という
>前提での「力(数値)」を、使っているものと考えていただければ幸いです。

 はい、その様に理解しているつもりです。
 しかし、D16がメイルで書いたように吹利という場所が他のキャンペーンでも
使用されていること等を考えると、『日常回帰を力づくにでも行わせる』とい
うのはあくまでHA06においてもしくは、技能値でそれを行えるレベルでの話と
なります。
 すると、瑞鶴が『日常回帰を行う場所』足りうるには、ルール的表現以外の
要素による物が必要となります。そして、それこそが世界との絆であるとD16は
考えます。
 ルールは起こりうることを示す。公平に無私的に示す。
 しかし、起こさせない為にPC達は行動する。
 ルールがその場所を、単に『日常回帰を行う場所』と示すだけで無く、そこに
いる者がその日常を維持するために行動する。
 だからこそ、その日常は尊いし、物語がそこに生まれる。

 そう、考えます。

> つまり。
> E.Rの述べた「条件」は。
> 普通に本屋さんに来て普通に本買う人には全然問題にならない条件です。
> それ以上の「何か特殊なこと(日常から外れたこと)」を起こす場合、
>それを、「日常に戻す」という為の、「数値」であります。
>
> 故に。
> フレーバーを重視するが故に、パワーを使う。
> つもりでいたので(苦笑)

 はい、全く正しく、D16にとっては理想的なルール運用と考えます。

> というか、己の世界規定は、基本としてそうです。
> そして、多分、その世界内で動く場合の、基準もまたそうです。
>
> ちょっと、誤解があるようなので、一言。
>
> では。

 その誤解を招いたのはD16の舌足らずな物言いと、不適切な例示でした
 そのことが、E.Rさんに深い不快感を与えたことを改めてお詫びします。

 それでは。

 
D16
e-mail:yanagida@gaia.fr.a.u-tokyo.ac.jp
    

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