[KATARIBE 17951] [HA06P]: 『午後のお茶会』

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Date: Tue, 8 Feb 2000 13:24:05 +0900 (JST)
From: ソード  <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 17951] [HA06P]: 『午後のお茶会』 
To: kataribe-ml@trpg.net
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2000年02月08日:13時24分04秒
Sub:[HA06P]:『午後のお茶会』:
From:ソード


こんにちは、ソードです。

 直紀さんとユラさんとお茶会がしたい食いしん坊の美都です(笑)

 直紀さん、ユラさんをお借りしております。

 過去のEPを参照できなかったので、台詞のチェックをよろしくお願いしま
す。>なおなみさん、勇魚さん

#いや……一番記憶にあるのが「明けない……」なので(笑))


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エピソード『午後のお茶会』
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登場人物
布施美都(ふせ・みと)
    1999年5月より以前の記憶、記録の無い娘。グリーングラスの居
    候。

小滝ユラ

柳直紀

初夏の午後
----------
 美都     :(いそいそ……)

 店番をしつつ、おやつを用意する。今日は、ユラも学校が無い。
 3時のおやつに、ユラが焼いたクッキーを食べようという事だった。
 初夏とはいえ、身体を動かしていると暑い。Tシャツの衿をぱたぱたさせて
空気を胸元に送り込む。

 ??     :「こんにちわぁ〜」

 美都よりも頭一つ程度低い、くせっけの短めのかわいらしい女性だ。

 美都     :「あ、いらっしゃいませ」
 直紀     :「あ、貴方が布施さん? 柳直紀です。ユラさん……いま
        :すか?」
 美都     :「布施美都です。ちょっと待っててくださいね」

 直紀の屈託の無い笑顔に軽く会釈を返してから、奥へ呼びかける。

 美都     :「ユラさーん。直紀さん、いらっしゃいましたよー」
 ユラ(奥)  :「はーい。いまできたから、上がってもらってー」
 美都     :「……だそうです」(にこっ)
 直紀     :「はい。じゃあ、お邪魔します」

 そう、今日は、ユラがクッキーを焼くという事で、直紀も電話で呼び出され
たのだ。
 ユラの突然の電話であったが、時間があれば足を運ぶのは苦ではない。


午後のお茶会
------------
 ユラ     :「おまたせっ」

 ユラが、良い匂いの焼き立てクッキーを皿に盛って奥から出て来る。
 既に、3人分の食器は用意されていた。

 美都     :「わぁ……いいにおい……」
 直紀     :「ほんと……この匂い……ハーブ?」
 ユラ     :「さすが直紀さんね。ちょっと混ぜてみたんだ」
 
 そう言いつつ、3人とも席に就く。

 美都     :「あ、お茶、色々持ってきましたけど……」

 まだ、グリーングラスに居候をしてから、数ヶ月。
 全てのハーブを覚えるまでには至っていない。

 ユラ     :「多分、ダージリンが合うと思う」
 美都     :「はいっ。お茶の入れ方は、自信着きました」(にこっ)

 ここに来た当初は、ひどいものであったが……。それはまあ過去の話である。

 ユラ     :「さ、いただきましょうか」
 直紀     :「そうね」
 ユラ&直紀&美都
        :「いただきます」

 穏やかな初夏の日差しの中、ハーブショップのお茶会が始まった。


お茶会のさなか
--------------

 一通りのクッキーとハーブティーを楽しみ、おしゃべりモードに入る3人。

 ユラ     :「あ……と、改めて紹介しとかないとね。こちら、布施美
        :都さん、私の同僚」
 美都     :「改めて始めましてっ。布施美都です」
 直紀     :「はじめまして。私、柳直紀。ユラさんには、時々お茶会
        :したり、ダンスを教えてもらったりしてるの」
 美都     :「そうなんですかぁ……私、ユラさんの踊りって、見た事
        :無い……」
 ユラ     :「今度、公演あるから、その時ね」
 美都     :「はいっ」
 直紀     :「美都さんは、学生さん?」
 美都     :「あ、今のところは、違います。ちょっと訳ありで引き取っ
        :てもらってますので……」
 直紀     :「わけあり?」
 美都     :「はい。……えーと、記憶喪失なんです。だもんで、身元
        :が分からないんですよね……」
 直紀     :「っと……悪い事聞いちゃったかな……」
 美都     :「いえっ。そんな事無いです。別に恥ずかしい事じゃない
        :ですし、隠しておく事じゃないですし……」
 直紀     :「そう……。ならいいけど」
 美都     :「だから、時々非常識な事しちゃって……ユラさんに迷惑
        :かけてばっかりで……」

 すこし、沈んだ表情になる。自分の過去が分からない事より、迷惑を掛けて
いることに罪悪感があるのだ。

 ユラ     :「そんなことないわよ。物覚え良いし、店番やってくれる
        :間に、クッキーも焼けるし」
 直紀     :「なるほど。この美味しいクッキーは、美都ちゃんのおか
        :げでもあるのね」
 美都     :「そんな……」
 ユラ     :「それに、面白い話も豊富になるわよ。この前の料理なん
        :てね……」
 直紀     :「ふむふむ……」
 美都     :「あっ……(赤面)。ユラさんっ。それはっ」

 たのしげにすぎる時間だった。
 美都にとって、また一つの新しい時間。
 ユラにとって、共に生活する守るべもの。
 その二人の絆を見つつ、自分の友人としての位置を見直す直紀。

 3人とも、午後の日差しのお茶会はゆるりとした時間のなか、すぎていった
のであった。


時系列
 1999年7月頃

解説
 美都が居候を始めて数ヶ月。
 ユラの友人の直紀と3人で、お茶会をする事になった。

*********************

 いちおう、これで完結です。

 初夏……となっていますが、別に季節はこだわっておりませんので、都合が
悪ければ変更しましょう。

 直紀さんの「現在、ユラさんの舞台を見たのがきっかけで踊りに興味を抱
き、近くのダンススタジオに通い、よく痣を作っている(^^;」が、いつ頃なの
か……ってのが、ちょっぴり気になっております。


 では……また。



    

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