[KATARIBE 17939] [HA06P]: 『真冬の夜の夢』(仮)

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Date: Sun, 06 Feb 2000 08:30:56 +0900
From: Miyachi <soutou@mc.neweb.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 17939] [HA06P]: 『真冬の夜の夢』(仮)
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ど〜も。
総統です。

 ハリさんと夢の話をしたついでに書きました。

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エピソード『真冬の夜の夢』(仮)
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こんな夢をみた……
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 気がつくと、公園に立っていた。辺りは沢山の人で賑わっていて、少し騒がし
い。どうやらフリーマーケットが開かれているようだ。通行人に声をかけ、盛ん
に売り込む者もあれば、暇を持て余して、売り物として並べていた文庫本を読ん
でいる者もいる。
 正直、こういう活気のある場所は苦手だ。さっさと出よう。
 人込みをかき分けて進んでいくと、出口らしきゲートが見えた。そこに向おう
と一歩踏み出したその時。ふいに襟首を掴まれた。

 前野     :「せっかく、通りかかったんだから見ていってくれてもい
          いじゃないですか。」

 振り返ると黒服が立っていた。サングラスを確認するまでも無く前野だ。私は
どうにもこの男が苦手なのだ。そもそも、実力の底が知れない。鋼鉄製の閂をぶ
った斬るかと思えば、収集したデータから部下を創造したりもするのだ。

 前野:     「何を考え込んでいるんですか?」

 いや、別にどうだってよろしい。しかし、なんでフリーマーケットなんぞして
いるのだろう? 屋敷で大掃除でもしたのだろうか。

 前野     :「ちょうど平田さんの好きそうな品があるんです。ほら、
          これですよ。」

 前野が手にしていたのは、手のひらにすっぽり収まるほどの十字型の鉄片。表
面は赤く塗装されている。まあ、一般人にはその程度の価値しかないだろう。し
かし、しかしだ。私のような違いのわかる人間にとっては、のどから手が出るほ
ど欲しい品なのだ。
 すなわち、鉄十字勲章。しかも、見る限りどうみても本物。年月を経た金属の
もつ鈍い輝き、所々剥がれ落ちた赤い塗装。すべてがかつての持ち主とともに戦
場を駆け巡った証である。

 前野     :「気に入りましたか? 今なら250円でいいですよ。」

 250円……どこからそういう低い評価額が出てくるのかわからないが、これ
が250円だったら世の中間違っている。仮に精巧な偽物だとしても充分元が取
れるではないか。
 買いだ、買い。なんなら1ダース買うぞ。さっそく支払いを……

 ???    :「おい、起きろ。」

 やかましい。誰だか知らんが邪魔をするな。いま買い逃せば未来永劫手に入る
かどうかわからない逸品なんだぞ。

 ???    :「起きろよ。」

 無視して支払いを済ませようと、前野に向き直ると、彼はぼんやりと消えてい
くところだった。いや、彼だけでなく、風景すべてがぼんやりと霧のように……
……


逆ギレの代償
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 平田     :「………?」

 ???    :「やっと起きたか。」

 ソファーから上半身を起こし、状況がわからない様子で辺りを見回す平田。ど
うやら、日本聖書協会事務所で眠りこけていたようだ。しばらく考え込んでいた
平田だが、突然怒りの表情もあらわに声の主につかみかかる。

 平田     :「馬鹿者! なぜ、5分後に起こさないのだ!!」

 両手で襟を掴み、左右に締めつつぐいぐい押しつける。いくらなんでもやり過
ぎというものだ。

 ???    :「へぇ……そういう態度にでるか。(にっこり)」

 平田     :「げっ、翡翠!?」

 首を締められつつも、苦しそうな顔ひとつしないで満面の笑みを浮かべていた
のは、誰あろうあの翡翠であった。
 あわてて手を離す平田。

 平田     :「ま、まて、話せばわかる。(汗)」

 翡翠     :「もう一回、夢の世界に行ってくるか?(にっこり)」

 相変わらず笑顔のままで、ぼきぼきと指を鳴らす翡翠。

 平田     :「いや、その、『寝過ぎは体に良くない』と聖書にも書い
          てある事だし……(大汗)」

 翡翠     :「くくく、遠慮すんな。好きなだけ夢を見てきやがれ!」

 SE      :ずどん

 平田     :「がふっ!」

 インパクトブレーカーがガードする暇も無くボディーにつきささる。
 きれいな放物線を描いて空中を飛びながら、平田の意識も再びあっちの世界へ
と飛んでいった。

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 このまま終わってしまうか、もう2、3回夢をみてもらうか……悩むところで
す。
 夢ごと乱入してくれる方、歓迎(w

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総統<Nobuki miyachi>
E-mail : soutou@mc.neweb.ne.jp
ICQ : 51043006
URL : http://www.geocities.co.jp/Bookend/8749/
    

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