[KATARIBE 17937] [HA06P] 『目覚めれば風見アパート』

Goto (kataribe-ml ML) HTML Log homepage


Index: [Article Count Order] [Thread]

Date: Tue, 8 Feb 2000 04:41:46 +0900
From: gallows <gallows@trpg.net>
Subject: [KATARIBE 17937] [HA06P] 『目覚めれば風見アパート』
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <20000207194148.17760@mail.trpg.net>
X-Mail-Count: 17937

gallowsです。語り部総本部三万ヒット記念ってわけでもないですがチャット
ログをEPにしてみたり。
こっからさきの展開はさっぱわからないんで乱入大歓迎です。よろしくー。

目覚めれば風見アパート
======================
登場人物
--------
比企鐘継(ひき・かねつぐ)
  奈良に住むエセ錬金術師。今はフリーター。里見鏡介の従兄弟。
水島翡翠(みずしま・ひすい)
  

鐘継、翡翠を拾う。
-----------------
 犬だとか猫だとか、たまに変なものを拾う時がある。別にたいした事じゃあ
ないしそりゃ見てみぬふりする事もあるのだが、この日は人を拾ってしまった。
そしておそらくそれは騒動の火種になりそうなこと請け合いだ。

 鐘継     :「……うーむ。どうしよ、これ」
 翡翠     :「ぐー(ふてっ)」

 ビルとビルとの間で泥酔している、本当に目立たない街の隙間だ。気付かな
ければそれまでだったのだが、残念ながらそこは鐘継の散歩コースとかぶって
いたりする。時間にして午前十二時。繁華街とは言え人もまばらだし、今日は
とても寒いともなればそうそう放っておく事も出来なくなってしまった。

 鐘継     :「交番に届けたったら1割もらえるか、けけけ」

 などとぼけてみても誰も突っ込むものはいない。とりあえず溺れたものよろ
しく仰向けにして上体を起こしてみる。

 翡翠     :「なにしやがるこのやろ〜」
 鐘継     :「あー、嬢ちゃん。大丈夫か?」
 翡翠     :「だいじょぶだぜー、どうせ悪役だし〜」
 鐘継     :「わけわからんのう。ッテ、こいつ重ッ!(ずっしり)」
 翡翠     :「しつれーだな」 

 何しろ相手は全身サイボーグだったりする。普段は制御装置によって人並の
重さにまで軽くしているが、泥酔の為か今はそれが効いていなかった。とりあ
えず肉体的特徴より社会的身分がわかるようなものが必要と考え、ざっと見て
回るも、案の定身分を証明するようなものはない。

 翡翠     :「ほらほら、かるくなりましたよ〜」

 度胸が座ってるというかなんというか、今度は鐘継の肩に掴まってきた。制
御機構も復帰させたようで十分鐘継の許容範囲である。

 翡翠     :「おら〜おもいか〜」

 とりあえずおぶうようにして引きずっていく。完全におぶえないのは鐘継よ
り随分背が高いからだ。

 鐘継     :「変なもん拾ってもたなあ(ずるずる) でー、家近いん
        :か?」
 翡翠     :「いえかぁ、俺の帰る家なんてないさー」
 鐘継     :「なんや、家出少女やったんかー?(ずるずる)」
 翡翠     :「そうそういえでいえで、ぎゃはははは」
 鐘継     :「けけけ、気に入ったわ。とりあえずアパートつれてった
        :ろ」

 風見アパートが一番近かったのでとりあえずそこに連れていく事にする。前
もって住人である従兄弟に電話しておけば中にくらい入れてもらえるはずだ。
 鐘継は家がこの吹利から若干遠いだけに帰れないという状況はよく陥るのだ
が、それが役にたった。手順よく段取りを踏んで、拾った少女をとりあえず廊
下に寝かし付ける。知るものぞ知る風見アパートの万年カレーの前あたりだ。
一応気休め程度には暖かい。

 鐘継     :「とりあえず布団だけ借りてきたる。そっからはようしら
        :んけどな」

 いつものニヤニヤ笑いを浮かべて従兄弟に布団を借りに行くのだった。(ち
なみに結構迷惑に思われているってのは内緒だ。)

翡翠、風見アパートに置いてかれる
--------------------------------
 そして結局朝が来た。やっぱり拾った少女はそこにいる。

 翡翠     :「くー」
 鐘継     :「かかか、よう寝るのう」

 小声で笑いながら翡翠の毛布を、ぽんぽんと叩く。そしてそれを合図に鐘継
はたちあがった。他の住人が起き出すより前にここを出ないと色々めんどうく
さそうだ。幸い従兄弟には人を拾った話はしていないし、なにより彼は起きる
のが遅い。

 鐘継     :「じゃ、あとはアパートの連中に任せるとして退散しよ」

 などと呟いて無責任にも口笛を吹きながらさっさと出ていってしまう。
 そして数十分後……

 翡翠     :「どこだここ……」

解説
----

時系列
------
 ある冬の寒い夜。なんとなく暇だったので家出した翡翠にまつわる話。

###########################################
とりあえずここまでっす。最初に起きてくるのは誰でしょ。
翡翠さんはなるたけ前日の記録が吹っ飛んでる方が話も膨らみやすいかなー
とか思うんですが、そのへんはリューさんにおまかせしまっす。

でわー。

##
    

Goto (kataribe-ml ML) HTML Log homepage