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Date: Sun, 06 Feb 2000 15:36:34 +0900
From: Toyolili from ThinkPad <toyolili@trpg.net>
Subject: [KATARIBE 17915] [HA06P] 「思い出は永遠に」(再送)
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <389D16723A2.3E0CTOYOLILI@mail.trpg.net>
In-Reply-To: <200002060305.MAA19753@mail.geocities.co.jp>
References: <389AF35FD2.74A9TOYOLILI@mail.trpg.net> <200002060305.MAA19753@mail.geocities.co.jp>
X-Mail-Count: 17915
2000020615:00
るりるりの指摘をようやく理解(爆)
ごめんよ、察しの悪い兄で(爆)
で、るりるりの修正個所を修正してさらに再送……
On Sun, 06 Feb 2000 12:12:01 +0900
瑠璃 <lurimu@geocities.co.jp> wrote:
> > 規約に従って再送……まだ間違ってませんように(爆)
> 名前のところの空白が二個多いよ〜。
> #……ごめん、説明ちょっと分かりづらかったかも(謎)
これをこう、勘違いしまくった次第(W
今思えばるりるりの説明はちゃんとしていたように思うが、
いかんせん、しばらくやってないうちに規約が変わっていた
こともしらんかった、オレのアホが悪いねんって(爆)
> > 1EPクリア必須なので、書いてみよう……
> ………………(とーいめ)
> …………まー、ぼちぼちいこう(汗)
気張らなくていいと思うけどー(汗)
そも、そのあたりの敷居が高いというイメージを打破せんと、
例の企画……はっ(自爆)
> なんか良かった〜(笑)
> ……でも、璃慧ちゃん何かいたんだろ?(^^;
EP内では言及してないけど、「ともだち」の話をアレンジしたような
お話のつもり。
それ読んで、涙腺の緩い竜胆さんは感激した次第(爆)<身も蓋もない
> ……そーいえば、しろぴょんとのキャラチャもEP化してないなあ(とーいめ)
> では〜(ひるりら)
うっ……
#るりるり(彫像猫の方)とシロぴょんって、外見そっくりなんやねー。
#さっき気づいた。
EP:「思い出は永遠に」
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登場人物
--------
豊秋竜胆(とよあき・りんどう):
:エーテル使いで吸血姫のファミレス店長代理。
:猫煩悩。
白月悠(しらつき・はるか)
水瀬璃慧(みなせ・あきえ):
:言霊使いの高校生。もの書きが趣味&将来の夢。
:悠の親友でもある。
登場人外
--------
シロぴょん:
:化け猫。齢二歳を迎え、相変わらず落ち着きがない。
:名前の通り真っ白。目は金色(笑)
るりるり:真っ白な毛並みと瑠璃色の双眸を持った小さな猫。
:本来の姿は大理石の彫像
とある休日に
------------
竜胆 :「寒ーい(汗)」
シロぴょん :「あるじー……家、帰りたいニャ〜」
手袋にダウンジャケットにマフラー。
自分なりに防寒装備を整えて、出てきたつもりだったのだが。
日頃、空調完備の職場で働いている竜胆と、空調完備の部屋でのうのうと、
ごろごろしている猫のコンビは、自らの予想が甘かったと、後悔していた。
竜胆 :「だめ。珍しく早起き出来たんだから、冬の風情を堪能す
:るまでは、帰らないの」
シロぴょん :「ウチはたっぷり、堪能しました……」
ダウンジャケットの胸元から顔を出しているシロぴょん。
猫をダウンジャケットの内に入れてなお、盆地、吹利の冬は底冷えする。
竜胆 :「あたしはまだ堪能してないの。ほれ、河原に行くぞ」
シロぴょん :「ニャ〜」
河原にて
--------
平日のお昼過ぎ……むしろ、夕方に近い時間。
前日夜番だった竜胆の「早起き」は、どうやら普通の「早起き」とは、数時
間の誤差があるようだった。
日はすっかり西に傾いて、あちらこちらが、黄色く染まりつつあった。
商店街を抜ける間、通りすがりの中学生や高校生に、「可愛いね」などと言
われて、シロぴょんはすっかりご機嫌だった。
もちろん、猫煩悩の竜胆も上機嫌だ。
シロぴょん :「あるじ、冬の風情はまだかニャ〜」
竜胆 :「きっと河原にはあるよ、うん」
所詮思いつきで行動しているにすぎないから、発見できる保証はない。
未だ雪解け水が流入していないせいか、水量は以前見た夏頃と比べると、少
なく思えた。
シロぴょん :「あるじ、あるじ、下ろしてっ」
竜胆 :「はいはい」
下りていたはずの霜は、もちろん解けてなくなっている。
そして、風は冷たいものの、朝から晴れていたせいか、地面も乾いていた。
竜胆がシロぴょんを下ろしてやると、犬のように喜んで、少し走ってはごろ
ごろと寝そべり、また走るといった謎の動作を繰り返す。
竜胆 :「犬みたい」
くすくすと笑って、竜胆はしばらく堤防の上を歩く。
見知った二つの後ろ姿を見つけるのに、さほど時間はかからなかった。
竜胆 :「あっきえちゃん、はっるかちゃんっ」
三人
----
名前を呼ばれた二人の少女は、ほぼ同時に振り返った。
璃慧 :「あっ、竜胆さん」
悠 :「あ……こんにちは……」
ぺこっとおじぎする悠。
二人は河原の斜面に座って、話し込んでいたようだった。
竜胆 :「なにしてるのー?」
竜胆はすたすたと傍らに歩み寄って、しゃがみ込む。
幸い、そこだけ湿っているという、イヤな事態にはならなかった。
璃慧 :「えっと、あの……(あせあせ)」
悠 :「璃慧ちゃんが書いた小説を……読ませてもらってたの」
少し顔をあげて、悠が言う。
恥ずかしいのか、璃慧は首と手を非同期で振って。
璃慧 :「た、たいした話じゃないの、本当(汗)」
否定する。
竜胆 :「小説書くんだ。音楽もやって、小説まで書くなんて、す
:ごいね」
竜胆の感嘆した様子にも、まだ首を振る。
璃慧 :「すごくないって(汗) オーケストラの方は初めてそん
:なに経ってないし、これだって……。人にみせられたよう
:なもんじゃないよお。書き直ししなきゃなー(とーいめ)」
悠 :「そうなの?」
璃慧 :「う……」
竜胆 :「あたし、物書きも音楽も全然だめだから、うらやましい
:よ、うん」
少し離れたところでは、シロぴょんが、まだ走ったり転がったりしていた。
物語
----
悠 :「あ……猫」
璃慧 :「え? 本当だ」
悠 :「竜胆さんにも……読んでもらおうよ、このお話」
璃慧 :「え……、でも下手だし(汗)」
竜胆 :「よかったら、読ませて欲しいな」
しばらく逡巡して、璃慧がうなずく。
悠が、手にしていた、ホッチキス止めの用紙を竜胆に手渡した。
物言わず読み進める竜胆の姿を、複雑な表情で見守る璃慧。
悠は、穏やかで優しく微笑んだまま、やはり見守っている。
竜胆 :「……」
璃慧 :「……」
悠 :「……」
読み終えて。
竜胆は、しばらく黙りこくっていた。
璃慧 :「……ま、まだ、プロットに書き足した程度だし(汗)」
悠 :「……いいよね?」
竜胆 :「なんか……嬉しくなってきたの」
顔を上げて、竜胆は続ける。
竜胆 :「遠くに行っちゃったけど……やっぱり、璃慧ちゃんも、
:悠ちゃんも、あの子たちの、友達なんだって……」
璃慧 :「当たり前、だよ……」
悠 :「私も、それ読んで……嬉しくなったよ」
竜胆 :「そのお話……あの子たちにも、読ませてあげないとね」
璃慧 :「……うん」
ちょっと恥ずかしそうに、それでもしっかりとうなずいてみせる。
しばらく、静かで穏やかな時が流れた。
無言だったが、意識はある程度、共有していたような感覚。
それが、歌声であると、認識したのは、ややあってから。
歌声
----
悠 :「……」
どこまでも透明な風に乗って。
どこまでも流れて、空に広がっていきそうな歌声だった。
竜胆 :「……」
璃慧 :「……」
歌声はしばらく続いて、やがて消える。
二人が、小さく拍手する。
悠は、きょとん、とした表情で二人を交互に見ていたが、やがて恥ずかしそ
うに、下を向いてしまった。
悠 :「……(赤)」
竜胆 :「今の歌……聞かせてあげたいな。MDかなんかに録って」
璃慧 :「うんうん」
悠 :「……だめ……」
小さく首を横に振る悠。
竜胆 :「じゃ、せめて詞だけでも……ね?」
悠 :「……」
小さく、うなずく悠。
竜胆 :「それじゃ、あたしも……あたしなりの表現をしないとダ
:メかな……」
璃慧 :「え?」
悠 :「?」
竜胆 :「三人分、そろってないと……あたしだけ何にもなしじゃ、
:かっこわるいじゃない。そうだ、今からちょっと、時間あ
:る?」
立ち上がって訊ねる。
璃慧 :「まだ、平気かな」
悠 :(こっくし)
やはり、小さくうなずく悠。
竜胆 :「それじゃ、公園行こう? るりるりに会いに、さ」
璃慧 :「あ、うん、賛成〜☆ でも、いるかなあ?」
悠 :「うん……いるかな?」
公園で
------
公園につく頃には、すでに日はかなり落ちかけていた。
水銀灯はすでに点っていたが、周囲を照らせるほどには、明るくなっていな
かった。
璃慧 :「このあたりに、よくいるんだけど……るりるりー、いるー
:?」
悠 :「るりるりー」
竜胆は、猫缶を買ってくるといって、離れていた。
竜胆の飼い猫、シロぴょんは、悠にだっこされて、きょろきょろしている。
にゃあ
小さく鳴いて、植え込みから一匹の猫が現れた。
璃慧 :「あっ、いたー。るりるり、おいでー」
るりるり :「みゃ〜〜」
とてとて、と小走りにやってくるるりるり。
シロぴょんが片手をあげるような仕草を見せると、るりるりも、にゃん、と
鳴いて答える。
璃慧 :「今の……挨拶してるのかな? ……まさかねえ」
悠 :「私は挨拶してたんだと思うけど……」
シロぴょんを下ろす悠。
二匹の猫は、向かい合うように座った。
竜胆 :「お待たせ〜、猫缶買ってきたよ。あ、るりるり、居たん
:だ〜。ひさしぶり〜」
るりるり :「にゃあっ」
早速猫缶を袋から出す竜胆。
きちんと二つ買っている。
竜胆 :「璃慧ちゃんたちからあげて」
そして、手渡す。
写真
----
二人がそれぞれ、猫缶を置くと、二匹はそれはもう嬉しそうに猫缶を平らげ
た。さすがは猫皇帝といったところか。
竜胆 :「みんなでさ、写真撮って……それも一緒に送ろうと思う
:んだけど……写真、嫌い?」
璃慧 :「……みんなって」
竜胆 :「るりるりと、璃慧ちゃんと、悠ちゃんと、あたし」
悠 :「……うん。るりるりが、きっかけだったんだもんね」
璃慧 :「……いいけど、カメラは?」
竜胆 :「じゃーん。デジカメ〜」
ダウンジャケットのポケットから、取り出して。
璃慧 :「……みんなでって……揃ってる写真、誰が撮るの?」
竜胆 :「……あ(汗)」
悠 :「……くす」
璃慧の冷静な「つっこみ」に、硬直する竜胆。
竜胆 :「せ、セルフタイマーあるから、大丈夫だって、うん」
届け
----
手紙をポストに入れて、竜胆は空を見上げた。
璃慧と悠と、るりるりと。
撮った写真は、きちんとプリントアウトして同封した。
璃慧の小説も、悠の詩も。
竜胆 :「空はつながってる……んだよね」
ありふれた表現に、竜胆は苦笑する。
文才も、歌心もない自分では、これが精一杯。
「体を治して、早く帰っておいでね。璃慧ちゃんも、悠ちゃんも、るりるりも
待ってるから。あ、もちろん、あたしも待ってるからね」
かたん、と、ポストの蓋が閉まる音が響いた。
風はまだ冷たく、見上げた空は、あいにく薄雲っていた。
竜胆 :「春になったら……行こうかな」
時系列
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冬のある日。
それなりに親しくなっているみたいです。
オンラインセッション「ともだち」以降
「ふぁらんどーる」以降
「ふぁらんどーるの打ち上げ(仮)」以降
#……なんか催促してるみたい(汗)
解説
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#とよリリ主観による璃慧ちゃん&悠ちゃん像(爆)
……はおいといて。
大切なともだちとの思い出。
三人の共通の思い出を、三者三様の形で。
覚えている限り、それは永遠。
忘れないように、思い出すように。
永遠を、永遠にとどめておくために。
$$
とよリリ
toyolili@trpg.net
lili_sc28@pdx.ne.jp
http://www.trpg.net/user/toyolili/
Love is not dead!