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Date: Mon, 31 Jan 2000 17:32:39 +0900 (JST)
From: ソード <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 17791] [HA06P]: 『かぐや姫にはなりたくない』
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <200001310832.RAA04314@www.mahoroba.ne.jp>
X-Mail-Count: 17791
2000年01月31日:17時32分39秒
Sub:[HA06P]:『かぐや姫にはなりたくない』:
From:ソード
こんにちは、ソードです。
去年の10月頃のIRCのログのEP化です。
もう、化石化してそうですが……(汗)
キャラクタータイプから、登場人物を書いて見ました。チェックお願いしま
す。
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エピソード『かぐや姫にはなりたくない』
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登場人物
向坂次郎(さきさか・つぎお)
うれないものかき
前野みかん(まえの・みかん)
いぬチックな人狼娘
紫苑(しおん)
不定形生物
蒼月かける(あおつき・かける)
ねこみみふぇちな光使い
煌(こう)
電影猫娘
布施美都(ふせ・みと)
1999年5月より過去の記憶、記録を持たない少女。
八神敦(やつかみ・あつし)
スチャラカ錬金術師
月が綺麗な夜です
----------------
その日は、月が奇麗な夜だった。
最近は雨が少なく、空も冬へ向けて澄み切ってきている。
月の光が明るくて、星が見えなくなるほどに。
ベーカリーは、日が暮れてから閉店となる。
夕食の後なのか、最後に店を出るのは常連達。
店長に追い立てられ、店を出たところであった。
向坂 :「月が綺麗な夜です〜、っと」
みかん :「わお〜〜〜〜ん☆」
紫苑 :「にゃ〜(それはちょっと違う気が〜)」
向坂 :「ねこ娘月に吠える、か。こっちこいこい」
みかん :「ねこじゃないの(ぷぅ)」
狼であるから、猫と言われては心外だろう。
しかし、それだからこそ向坂が持っている包みの中が容易に想像できた。
不平を述べつつも寄って行くみかん。
向坂 :「豪傑もこいこい。猫缶あるぞ〜〜」
豪傑とは、向坂が紫苑を呼ぶときの名前だ。紫苑は自覚しているらしく、豪
傑と呼ばれても反応する。
紫苑 :「にゃ〜」(とてとて)
かける :「ねこー」
かける :「ねこーねこー」
かける :「ねこーねこーねこー」
向坂 :「うっ」
煌 :(どろっぷきっく)
美都 :「……」(見上げてる)
かける :(ごろごろごろごろ)
かける :「なにすんだよ」
向坂 :「ほれ、団子だ団子。そのへんで買ってきた奴だけどな。
: 美都くんも見上げてないで食ったらどうだい」
みかん :「わぁい。だんごっだんごっ♪」
美都 :「あ、ありがとうございます」
店内では広げられなかった包みを披露する。
常連の皆も、それを見て集まって来る。
紫苑 :「にゃ」
向坂 :(きこきこ)
向坂 :「ほーれ、豪傑にはつくねの団子だ」
かける :「だんごっっだんごだんご3……」
煌 :(延髄斬り)
かける :「ぐぇ」
八神 :「(ボーッ)」(月を見上げてる)
向坂 :「おやぁ、やっかみ青年もかい。ほりほり、こいこい。
:まだまだあるぜ」
八神 :「んじゃ、いただきます」
そういって、だんごを手に取る。
かける :「いててて……私にもいただけますか」
向坂 :「かける青年はねこみみが食料じゃなかったのか?」
その言葉に、言葉に詰まったのか気を悪くしたのかは、本人以外には分から
ない。
向坂 :「冗談だよ……ほれ、食え」(煌と二人分の団子を皿に載
:せて渡す。ちなみにみたらし)
かける :「ありがとうございます(煌に向かって皿を差し出す)ほら」
煌 :「いっただっきま〜す」
向坂、懸想する
--------------
紫苑 :「(はぐはぐ……つるん……ぽて)……」
向坂 :「む?」
紫苑 :「に〜(さくさく)」
向坂が下を見ると、つくねだんご相手に格闘している紫苑。どうやら、食べ
にくいらしい。
向坂 :「む、食え食え」
かける :「猫だ」
美都 :「……はい」(紫苑の食べる手伝い)
向坂 :「食いにくいか……ならこうするかな」(団子の串で残りの
:つくねを4つに割って紫苑の前に出し直す)
紫苑 :「にゃ〜(はぐはぐ)」
美都が紫苑の食べているつくね団子(丸ごと)の前に、向坂の手が伸びて来
る。
当然、二人ともしゃがみ込んで紫苑の相手をしている。
美都 :「あ……よかったね(にこ)」
紫苑 :「にゃ(すりすり)」(二人の手に)
向坂 :「やー、かわいいのぅ、こうしてると」
美都 :「あ……」
紫苑が擦り寄る事で、手を引っ込められなくなった美都。隣にしゃがんでい
る向坂の肩が触れ、ぬくもりが伝わって来る。
肩が触れ合っているのだから、顔の距離も近い。
向坂 :「これがあの日本美人にかわるんだからな〜〜、
:変なもんだよな、美都さ……」
隣を見て、驚くほど近くに顔があるのに気づいた。目が合い、初めてお互い
の距離を認識する。
かける :「らぶりげだね」
美都 :「あ、ごめんなさい」
向坂 :「ああ、こりゃどうも」
かけるのからかうような声に我に返り、立ち上がる美都。
夜の寒さが少しだけきつく感じられた。
美都 :(右手を左手でつかみ、胸に置いて月を見上げる)
向坂 :「……かぐや姫だな、まるっきり」
ふたり
------
かける :「ねこー」(紫苑を抱き上げる)
紫苑の周囲の人垣が無くなったところを見計らい、かけるが行動を起こす。
かける :「ねこーねこー」(なんとなく頭の上に乗っけてみる)
紫苑 :「にゃ〜」(がり)
かける :「ねこーねこーねこー(がりっ)いてっ」
紫苑 :(ぴょんと跳んで美都の肩に乗る)
煌 :「愚かもんが( ̄▽ ̄)」
横には、常に暴走を止めようと待機している煌。
美都 :「あ……」(にこ)
紫苑 :「にゃ〜」(ぺろ)
美都 :「……」(手でなでながら自分も頬擦り)
向坂 :「ほり、振られた同士で最後の団子でも食おう、かける青
:年」
かける :「そーだね(はむはむ)」
月を見上げる猫と娘を見ながら、残りのだんごに手をつける。
美都 :「えへ……くすぐったい……」
かける :「猫と娘……略して猫娘」
八神 :(はむはむ)<だんご食い中
向坂 :「まー、なんだかんだ言って青年と煌くんもいつも一緒で
:はないか。羨ましい限りだぞ(にやにや)」(かけるを肘で
:突つく)
かける :「うぐぅ。そーでもないよ」
美都 :「……おふたりは、つきあってられるのですか?」
くるりと振り返り、煌とかけるに向かって問う。
向坂 :「結局、そうみたいだな(くすくす)」
煌 :「ぜんぜん( ̄▽ ̄)」
向坂のからかう声と、煌の否定の声が重なった。
かける :「うぐぅ」
八神 :「取りつくしま無し(笑)」
美都 :「そうですか……でも、なんか息が合ってるっていうか、
:うらやましいです」
紫苑 :「に〜」
向坂 :「まったくだ。独り身には夜風が身に染みるぜ……
:(にやにや)」
かける :「……寒い」
紫苑 :「にゃ〜」
美都 :「……」(すりすり)
向坂 :「美都くんには豪傑がいるではないか」
美都 :「え……ごうけつ……って、この猫の事ですか?」
向坂 :「ああ。下手な恋人同士より熱熱に見えるぜ(苦笑)」
かける :「なんで豪傑なんですか?」
向坂 :「ん? ああ、こいつ、酒飲んだからさ、初めて見た時」
かける :「ふつーのひとがみたら猫かわいがりしているだけのよう
:なきがする……」
向坂 :「そうかぁ? それだけじゃないように見えるがな……」
かける :「ふつーのねこは変態しませんよ(^^;」
向坂 :「まぁ、そうだなぁ」
かぐや姫
--------
紫苑 :「にゃ〜(お月がまん丸)」
美都 :「月……きれいだね……」
向坂とかけるが話し始めたのを見て、また月を見上げ直す美都。
向坂 :(ぼそっ)「……ほんとに月に帰っちまいそうだ……」
美都 :「え? ……やだなぁ、そんなことないですよ(にこ)」
いつも、ベーカリーやグリーングラスでは見せない、心を隠す為の笑い。
美都の言葉を、美都自信が一番信用していなかった。
向坂 :「あ、聞こえてたか」(頭をコロンボ風にぼりぼり掻く)
:「(じゃあ、その切なそうな笑いは何なんだよ……)」
美都 :「きれいな月って、なんか……吸い込まれそうですよ
:ね……」
向坂 :「そうだなぁ」
かける :「月……あおーん」
三度、月を見上げる美都。それにつられ、皆がしばし月を眺める。
美都 :「今まで育ててくださってありがとうございました。
: わたしは、月に参らねばなりません……」
突然、月を見上げながら芝居がかった様子で口に出す。
向坂 :「……」
とくん……と、向坂の何かが胸の奥で反応した。
向坂 :「行かないでくださいかぐや姫。私との約束は
:どうなさるのですか」
言葉は芝居じみているが、言葉に偽りはない。本気に取られないと確信して
の、本音。
美都 :「……えへへ……次の台詞、忘れちゃいました(にこ)」
振り返って舌を出して笑う。
しかし、その瞳はいつもの明るさはなく
ただ、切なく……。
紫苑 :「にゃ〜」(すりすり)
美都 :「うん……」(すりすり)
向坂 :「……台詞はともあれ、行っちまうんだよな、かぐや姫は
:さ」
かける :「うん」
美都 :「彼女には……どうしても行かなきゃいけない理由があっ
:たんでしょうね……」
かける :「ふみゅ」
向坂 :「もったいないよな、こんな美人をみすみす月にやっちま
:うなんてなぁ」
美都 :「あたしは、今はここにいたいなぁ……」
自分の事をいわれているのを自覚しているのかいないのか、ポツリと口から
出た言葉。
わずか半年の記憶。
過去の記憶が無いだけに、この街、人は簡単には捨てられない。
しかし、過去を探し、過去が見つかったとしたら……。
向坂 :「いたければ、ずっと居られるように努力しなきゃなぁ。
:月からのお迎えに連れて行かれないように。かわいい恋人
:の為にもな。な、豪傑」
かける :「紫苑ってよんであげようよ……」
向坂 :「そうだな(くすくす)月のお迎えに美都くん取られない
:ようにしろよ、紫苑」
後ろから美都と紫苑にちかづき、紫苑をちょんとつつく。
紫苑 :「にゃ」
行かないで
----------
かける :「……紫苑が月行きになったりして」
美都 :(紫苑を抱き寄せる様にして)「……行っちゃやだからね」
向坂 :「あははは、一緒に行っちまうかもなぁ、確かに。ちっこ
:いからなぁ」
美都 :「やだっ!」
後ろから紫苑をつつきながら言う向坂へ振り向いて、美都が声を荒げる。
向坂 :「?」
かける :「?」
向坂もかけるも、一瞬面食らう。ただの冗談。雑談に過剰なまでの反応され
たのだから、無理はない。
美都 :「紫苑ちゃんは一緒にいかないっ。月になんかいかない!」
たとえ、自分はいかねばならないとしても
美都 :「いくんならっ……わたしひとりで……」(ぼろぼろぼろ)
連れて逝くわけにはいかない
八神 :「ありゃりゃ、泣いちゃった(^^;」
かける :「いーじーめーたー」
向坂 :「………そうだな。おっさんが悪かったよ。ごめん」
紫苑 :「にゃ」(涙をなめ取る)
美都 :「あ……ごめん……なさい……」
紫苑の泣き声とほおの感触で、我に返る。
自分でも理解できない感情に支配された。かぐや姫など、御伽噺に過ぎない
のに。
美都 :「あたし……(ひっく)かえります……。おだんご、ありが
:とう……」
向坂 :「(なんかあるんだな……調べてみる、か、これも)……送
:るか?」
美都 :「すぐ……そこですから」
そういうと、斜向かいのハーブショップ、グリーングラスの裏口へ向かう。
もう閉店時間は過ぎているのだ。
紫苑 :(ぶわっと人間形態)
裏口に入った所で、猫から変じる紫苑。
美都 :「あ……紫苑ちゃん……」
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えーと、以前にチェックのお願いをして、パソコン入れ替えの折に埋もれて
しまったようで……。
復旧作業の後、Webへ掲載の依頼をしたいと思います。
では……また。