[KATARIBE 17766] [HA06P] 『吉武敗北 !! 』

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Date: Fri, 28 Jan 2000 15:13:04 +0900 (JST)
From: ji-guy@dike.dricas.com
Subject: [KATARIBE 17766] [HA06P] 『吉武敗北 !! 』
To: kataribe-ml@trpg.net
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 吉GUY@それは苦しい闘いでした です
 
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『吉武敗北!!』
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登場人物
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金元吉武(かなもと・よしたけ)
    :貧乏な人。まだまだ未熟な武術家。
 
タイムリミット
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 残り時間3分。壁に掛けられた時計が刻々と時を刻む。
 
 吉武     :「(己の力を見誤ったということか……)」
 
 『障害』を前にして一人呟く。腹部に重圧感。脳が「これ以上は無理だ。」と
信号をよこす。
 自分でも判る。明らかに速度が落ちている。意志とはうらはらに動きが鈍い。
気力を振り絞っても、肉体の感覚に逆らうことはできない。
 
 残り時間1分。焦りは時の流れを遅らせない。
 
 吉武     :「(……これまでか)」
 
 覚悟は決めた。いや、挑んだときからこうなることもあり得ると覚悟はしてい
た。
 
 敗北を受け入れる。
 
 時間切れを示すブザーが鳴る。
 
 
その20分前
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 それはちょっとした気まぐれだった。
 その日はいろいろあって、朝から何も食べていなかった。
 つまり、その日は食費に1円も使っていないということだった。
 その日は、もう日も暮れていた。
 
 吉武     :「(……たまには外食でもするか…)」
 
 思い付きで通りがかりのカレー屋に入る。店員のチェーンの店らしいマニュア
ルな感じの対応を受け、カウンターの席につく。
 
 吉武     :「(ええと、一番安いのは……)」
 
 メニューを眺める。だいたいどれも600円前後ぐらいの価格である。
 
 吉武     :「(チョット高いな………………ん?!)」 
 
 メニューの一番下に目が行く。
 
 メニュー   :1300gカレー 1400円 ただし、20分以内に食べれば無料
 吉武     :「(…タダか……)」
 
 腹一杯食えてタダとくれば、こんなにおいしい話は無い。しかし、失敗した場
合の1400円という価格は吉武の一日の生活日を見事にブッちぎっている。いや、
二日分かも。ともかくリスクは大きい。
 
 吉武     :「…この『1300gカレー』というのをお願いします。」
 店員のお姉さん:「『1300g』挑戦ですね。かしこまりました(にこ)」
 
 危険を知ってあえて挑むのが漢である(笑)
 店員はにこやかにルールを解説する。
 
 店員のお姉さん:「挑戦されている間は、席を立ったり、お手洗いに行かれ
        :たりなさってはいけません。ルーが足りない場合は、お申
        :しつけ下されば、無料で追加いたします。ルーは残されて
        :もけっこうですが、ご飯は一粒残らずお召し上がり下さ
        :い。制限時間終了時にお口の中にご飯が残っている場合は
        :失格です(にこにこ)」
 吉武     :「わかりました。」
 店員のお姉さん:「あと、今回完食なされた場合、次回のご来店からは、
        :どのチェーン店で『1300gカレー』を完食なさっても無料
        :サービスはございません。それから、今回完食なされた場
        :合、記念撮影があります。よろしいでしょうか?」
 吉武     :「…ああ、はい、わかりました。」
 店員のお姉さん:「それではがんばってください(にこ)」
 吉武     :「(…写真を撮られるのか…不精髭剃っときゃ良かった…)」
 
 などと考えているうちは、まだまだ食いきれると思っていたのである。
 
 
つわものが夢のあと
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 巨大な皿にご飯が山と盛られ、波々とかけられたカレールーを見ても、
 
 吉武     :「(…ああ、食いきれる。)」
 
 と思っていたのであるが、20分という時間は短かった。
 結果、食べ終えたのは10分オーバーの30分後であった。
 金を払う以上、残すのはもったいないし、初めから完食する気だったので、文
字どおり、一粒残らず食べきった。
 店員は空になった皿を賞賛したが、負けは負けである。
 
 重い腹を抱え、ヨタヨタとレジへ歩く。その足取りはペンギンのようである。
下手に動くと中身が飛び出しそうだ。
 
 店員     :「またの挑戦をお待ちしております。」
 吉武     :「(むう……俺もまだまだだな……(げふう))」
 
 
 
時系列
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2000年1月下旬
 
解説
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己の力量を見誤ってはいけません。
 
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 とゆーわけで、私もいちいいぴいくりああぁぁぁぁっ!!!
 
 
 
 吉GUY@いや、もー、味わっているよゆーなどありませんでした
 ji-guy@dike.dricas.com
    

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