Goto (kataribe-ml ML) HTML Log homepage
Date: Fri, 28 Jan 2000 15:13:04 +0900 (JST)
From: ji-guy@dike.dricas.com
Subject: [KATARIBE 17766] [HA06P] 『吉武敗北 !! 』
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <200001280613.PAA02532@mailsv1.dricas.com>
X-Mail-Count: 17766
吉GUY@それは苦しい闘いでした です
*************************************************
『吉武敗北!!』
===========
登場人物
-------
金元吉武(かなもと・よしたけ)
:貧乏な人。まだまだ未熟な武術家。
タイムリミット
------------
残り時間3分。壁に掛けられた時計が刻々と時を刻む。
吉武 :「(己の力を見誤ったということか……)」
『障害』を前にして一人呟く。腹部に重圧感。脳が「これ以上は無理だ。」と
信号をよこす。
自分でも判る。明らかに速度が落ちている。意志とはうらはらに動きが鈍い。
気力を振り絞っても、肉体の感覚に逆らうことはできない。
残り時間1分。焦りは時の流れを遅らせない。
吉武 :「(……これまでか)」
覚悟は決めた。いや、挑んだときからこうなることもあり得ると覚悟はしてい
た。
敗北を受け入れる。
時間切れを示すブザーが鳴る。
その20分前
---------
それはちょっとした気まぐれだった。
その日はいろいろあって、朝から何も食べていなかった。
つまり、その日は食費に1円も使っていないということだった。
その日は、もう日も暮れていた。
吉武 :「(……たまには外食でもするか…)」
思い付きで通りがかりのカレー屋に入る。店員のチェーンの店らしいマニュア
ルな感じの対応を受け、カウンターの席につく。
吉武 :「(ええと、一番安いのは……)」
メニューを眺める。だいたいどれも600円前後ぐらいの価格である。
吉武 :「(チョット高いな………………ん?!)」
メニューの一番下に目が行く。
メニュー :1300gカレー 1400円 ただし、20分以内に食べれば無料
吉武 :「(…タダか……)」
腹一杯食えてタダとくれば、こんなにおいしい話は無い。しかし、失敗した場
合の1400円という価格は吉武の一日の生活日を見事にブッちぎっている。いや、
二日分かも。ともかくリスクは大きい。
吉武 :「…この『1300gカレー』というのをお願いします。」
店員のお姉さん:「『1300g』挑戦ですね。かしこまりました(にこ)」
危険を知ってあえて挑むのが漢である(笑)
店員はにこやかにルールを解説する。
店員のお姉さん:「挑戦されている間は、席を立ったり、お手洗いに行かれ
:たりなさってはいけません。ルーが足りない場合は、お申
:しつけ下されば、無料で追加いたします。ルーは残されて
:もけっこうですが、ご飯は一粒残らずお召し上がり下さ
:い。制限時間終了時にお口の中にご飯が残っている場合は
:失格です(にこにこ)」
吉武 :「わかりました。」
店員のお姉さん:「あと、今回完食なされた場合、次回のご来店からは、
:どのチェーン店で『1300gカレー』を完食なさっても無料
:サービスはございません。それから、今回完食なされた場
:合、記念撮影があります。よろしいでしょうか?」
吉武 :「…ああ、はい、わかりました。」
店員のお姉さん:「それではがんばってください(にこ)」
吉武 :「(…写真を撮られるのか…不精髭剃っときゃ良かった…)」
などと考えているうちは、まだまだ食いきれると思っていたのである。
つわものが夢のあと
---------------
巨大な皿にご飯が山と盛られ、波々とかけられたカレールーを見ても、
吉武 :「(…ああ、食いきれる。)」
と思っていたのであるが、20分という時間は短かった。
結果、食べ終えたのは10分オーバーの30分後であった。
金を払う以上、残すのはもったいないし、初めから完食する気だったので、文
字どおり、一粒残らず食べきった。
店員は空になった皿を賞賛したが、負けは負けである。
重い腹を抱え、ヨタヨタとレジへ歩く。その足取りはペンギンのようである。
下手に動くと中身が飛び出しそうだ。
店員 :「またの挑戦をお待ちしております。」
吉武 :「(むう……俺もまだまだだな……(げふう))」
時系列
-----
2000年1月下旬
解説
----
己の力量を見誤ってはいけません。
**************************************************
とゆーわけで、私もいちいいぴいくりああぁぁぁぁっ!!!
吉GUY@いや、もー、味わっているよゆーなどありませんでした
ji-guy@dike.dricas.com