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Date: Wed, 26 Jan 2000 22:24:45 +0900 (JST)
From: 銀佳 <una-yuya@mb.kcom.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 17731] [HA06P] 『粉雪の舞う中で』 ( 仮)
To: 語り部ML <kataribe-ml@trpg.net>
Message-Id: <948893085.4294080337@tokyo9-24.kcom.ne.jp>
X-Mail-Count: 17731
銀佳@現実逃避は偉大だなぁ(おひ)です。
学校風景のEPです。
染木先生、それに高校生組(除く璃慧ちゃん)をお借りしました。
修正など宜しく願います。
とくに、男性陣(苦笑)
#ちなみに若干当てつけ有り(苦笑)
このEP内では、クラス分けは男子と女子で綺麗に分かれています(苦笑)
高校の設定、正式には決まってなかったように思いますが……
とりあえず、こういうことで <おひ
ちなみに、一年生の必修科目および染木先生の受け持ちは化学……で、
いいのでしょうか?
突っ込みなど、よろしくお願い致します m(_ _)m
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エピソード『粉雪の舞う中で』(仮)
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登場人物
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雪丘望(ゆきおか・のぞむ)
白月悠(しらつき・はるか)
染木忍(そめき・しのぶ)
如月刹那(きさらぎ・せつな)
兼沢圭人(かねさわ・けいと)
滝川健一(たきがわ・けんいち)
禁忌
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一月ももう終わりかけた、そんな日に。
ちらちらと雪華の舞う吹利学校高等部のグラウンドでは、教師と生徒との間
でこんな会話が交わされていた。
体育教師 :「授業をはじめる前に。
:今日は、タブーとなる言葉がある」
生徒たち :「……(やーな予感)」
着替えのときから寒くて寒くて。
着ていた服を脱ぐのも嫌で、着替えるのも嫌だった彼らの脳裏を、同時によ
ぎった言葉…………
体育教師 :「『寒い』もしくはそれに準ずる言葉を口にしたものは、
:一回ごとに、腕立て五回!」
生徒たち :「えーっ!」
体育教師 :「周りで口にした人間がいたら、遠慮なくちくれ!」
生徒たち :「……へっ?(汗)」
体育教師 :「ただしっ!」
生徒たち :「…………?」
体育教師 :「風景描写は、認める」
生徒たち :「…………(だから何だって言うんだよ(汗))」
彼らの間を、冷たい空気が無情にすりぬけていった。
氷の刃と言葉の刃
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サッカーの時間に、雪が降るということが、そもそもの間違いなのだ。
ちらちら降ってはすぐにやみ、またしばらくして降りはじめる、その繰り返
しのため、足元がぬかるんだりすることはない。
けれど……空気は、凍りつきそうなほどに冷たい。
ふと吹く風でさえも、氷の刃のように感じられるほど。
また、一陣。
悠 :「……望くーん、寒いよお(TT)」
望 :「あっ(しっ、とひとさし指をくちびるの前に立てる)」
幸いにも教師の耳には届いていなかったらしい。
体育教師 :「おい、いまそこの、言ったな? 腕立てせえ!」
別の生徒の禁忌破りを取り締まっている。
悠 :「…………なんか、悪いかも…………」
望 :「……いいんじゃないかなぁ(乾いた笑み)」
とりあえずの自衛手段として、ジャージの上着をさらにしっかりと羽織る。
体育教師 :「ほな、今日の授業の予定の話すっから、
:……お前ら、ひとっところに寄れ」
生徒たち :「…………は?」
体育教師 :「おしくらまんじゅうせえ、とゆうとんのや!」
……いちおう、いまが寒いということは理解しているらしい。
言われた通りひとところに集まり、身を寄せ合う。
けれど、まじめに話を聞いている人間など、そういるはずもない。
誰か :「ちらちら舞ってるあの白いものはなにかなぁ……」
誰か :「……なんにも見えない、なんにも聞こえないっ」
誰か :「そうだよねえ、気のせいだよねえ(とーいめ)」
………………
純白とブラジル体操
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体育教師 :「さて、今日は念入りにウォーミングアップやな」
ウォーミングアップ。
その言葉で、誰もがやはり同じものを連想した。
ぎぎいっ、と、隣のコートで活動に勤しむ生徒たちのほうに顔を向ける。
体育教師 :「走れーっ」
そんな様子にはお構いなしに、ランニングが始まった。
体育教師 :「はい、歩いてよーし……ほな、手を上下に振れっ」
こんな調子で生徒たちが手を上げ下げし……サイドステップやもも上げ、そ
の他奇妙な動作をしているのを見て、隣のコートの使用者たちは大爆笑。
サッカーの盛んな国……ブラジルで盛んに行われている体操ということだが
……これがブラジルで行われているのを見たことがあるという人間は、ひとり
もいない。
望 :「……璃慧、やっぱりこないねえ(なんとなく虚ろ)」
悠 :「そだねー……まさかこれがあったから休んだ……
:なんてことはないよね(汗)」
望 :「さあ……」
また、一陣。
悠 :「やっぱり、さ……(ふるふるっ)」
望 :「あ……ゆき……(虚ろな声)」
さっきまでやんでいた雪が、またちらちらと降りはじめた。
風に乗って吹きつけてくる雪は、迷惑以外の何物でもない。
望 :「粉雪の舞う中でブラジル体操か……(とーいめ)」
悠 :「雪が降ってるのって、絵的には綺麗だけど……
:もうやだ(TT)」
第三者的意見
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ところかわって、化学実験室にて。
染木 :「あら……?」
ふと外をよぎったものに、授業中とわかっていても心惹かれる。
染木 :「雪ね……さっきやんだと思ったのに」
舞い降りていくちいさな雪華に、思いを馳せて。
しばし、時間を忘れる。
誰か :「先生……先生っ」
染木 :「あ、なにっ?」
生徒の呼ぶ声に、ふと我に返る。
刹那 :「エタノール、足りないんですけどぉ」
染木 :「あ、はいはい、いま足すわね」
圭人 :「ふっ、甘いなバンダナ、足りないならば
:俺たちの班では余っていたものを」
刹那 :「バンダナって呼ぶなぁ! 毛糸のくせにっ」
健一 :「……どっちもどっちだね」
染木 :「はいはい、追加のエタノールね」
ビーカーにきっちりと測られた透明な液体が刹那に手渡される。
それを班まで持っていく途中。
圭人 :「しっかし、こうして実験とかしてると
:この部屋って暑いよなぁ」
健一 :「外で健全に運動のほうがお好みかい?」
刹那 :「……寒そうだからやだなぁ」
圭人 :「誰もそうは言ってないだろ……
:それに、いつもだいたい半袖のお前には
:言われたくないぞ、バンダナ(邪笑)」
刹那 :「だから、バンダナっていうなぁ(TT)
:さすがにこんな雪の降る中、外で運動は……」
やだよ、と言いかけた刹那の視線が窓の外へ注がれる。
視線の先には、グラウンド。
健一 :「なんかいいものでも見えるのか?」
刹那 :「……こんな天気でも外で体育するんだねぇ(^^;;;」
圭人 :「ん?」(ひょい)
三人揃って覗きこんだグラウンドでは、どこかのクラスが奇怪な体操の真っ
最中。
刹那 :「ってゆーか……あれ、なに(^^;;;」
圭人 :「あーなんだあいつらか……ってことは、
:ブラジル体操とかいうやつじゃないのか?」
健一 :「詳しいな…………(汗)」
刹那 :「へー(汗)」
目をさらに細めて窓の外を見る圭人。
圭人 :「ああでも、あいつがいないな」
健一 :「ん?」
刹那 :「あ、ほんとだ、輝がいない」
健一 :「ほー、遠目でよく判るなぁ(にやにや)」
刹那 :「……なんだよ、それ(汗)」
圭人 :「さーな」
一瞬の間。そして、ざあっとまた一陣。
梢が揺らぎ、木々がざわめく。
健一 :「寒そーだな」
刹那 :「そだねぇ」
圭人 :「全くだ」
……それだけかい。
生徒 :「おーい、刹那っ、エタノールまだか?」
刹那 :「あっごめん、いま行く! じゃ、実験に戻るね」
圭人 :「おう」
染木 :「……君たちも、サボってないで、
:とっとと実験に戻りなさいっ」
時系列
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1月も終わりかけた、とある日。
雪がちらちらと降る、そんな冷たい一日でした。
解説
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珍しくIRCにも出没せずに、璃慧ちゃんがお休みした日のお話です。
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これで1EPクリア〜♪
ではでは。
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銀佳
una-yuya@mb.kcom.ne.jp
http://www.geocities.co.jp/Bookend/4229
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