Goto (kataribe-ml ML) HTML Log homepage
Date: Mon, 17 Jan 2000 17:26:17 +0900 (JST)
From: ji-guy@dike.dricas.com
Subject: [KATARIBE 17545] Re:[HA06P] 『吉武のメリークリスマス』
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <200001170826.RAA19315@mailsv1.dricas.com>
X-Mail-Count: 17545
吉GUY@新発売 です。
今更ながらにクリスマスの続きです。良いのでしょうか?(←ってもー流して
るやん)
内容はハリさんにふられた無道邸ねたです、いちおー。
**************************************************
スープとサンドイッチと手袋
----------------------
いいかげんウンザリしている。
これで何軒目だったか…数えるのはもう止めた。
この邸宅にも包みのリボンに導かれるまま侵入した。
…どうも気に入らない。
…ずっと何かに観られているような。
…落ち着かない感覚。
…胸糞が悪い。
吉武 :「……」
何が悪いという訳ではないが、何かがひっかかる。
この屋敷の持つ雰囲気が吉武を逆撫でする。
警戒しながら忍び足で屋敷の廊下を歩く。
リボンに従い進むと、居間にたどり着いた。
吉武 :「……」
居間の中央には大きなクリスマスツリー。
その傍にテーブルとイス。
リボン :くいくい
包みのリボンはそこを指している。
吉武 :「(…子供部屋じゃないのか…)」
テーブルの上にはポットとマグカップ、ラップのかけられた皿にはサンドイッ
チ、そして手袋。
手袋に添えられた手紙を手にとる。
手紙 :「さんたさん、ごくろうさま。くりすますぷれぜんと
です。」
吉武 :「……」
ああ、この子は愛されて育っているんだろうな。
手紙と置かれた品からそういうことを考える余地を、吉武はこの一晩のうちに
持つようになっていた。
吉武 :「……(苦笑)」
鼻から息を漏らす。そんなことを考える自分をおかしく思う。
ポットとサンドイッチに目が行く。
吉武 :「(…偽物でなければ…だ)」
疑うことは忘れない。
安易に人を信じることは、それだけで死に近づく。
そういう考えを叩き込まれる世界にいた。
他人に出された食べ物に毒が入っていると疑うのが当たり前…だった。
吉武 :「(…だが)」
自分の立場を考える。
吉武 :「(今の俺がくたばっても…誰も…………ない…か…)」
無責任に死ぬことが許されなかったあの頃とは違う。
SE :(腹の音)
ロクに食いもせず、寒空の中、夜通し跳び廻った。体は凍え、腹は減っている
…その疲労はかなりのものだ。
吉武 :「(それに…空腹と消耗で戦闘力を失ったままうろつくのは
: 自殺行為……とかな…)」
武術家として本気なのか冗談なのか自分でもよく判らない言い訳をして、サン
ドイッチを一つ頬張る。
昔の自分ならやらない行為。護るものが無ければ自棄にもなれる。
食えば死ぬかもしれないが、食わなければ飢えて死ぬ…などと冗談でオーバー
に考える。
少なくとも賭けをしている気分は何処かにあった。
一度口にすれば、後は関を切った様に…
暖かいスープを飲み干し、サンドイッチを平らげた後に出てきた言葉は
吉武 :「(ごちそうさま)」
感謝の言葉だった。
***************************************************
斬!
続きが無ければ、この場面の描写はここまでです。
…ってか、この書き方では、この場面で無道邸の方々の乱入は無理だったかな
ぁ。
この後の吉武の行動は、テーブルの上にプレゼントを置いてすぐに立ち去る予
定です。
さて、場面の続きやサンタ訪問のリクエストが無ければ、次あたりでこのEPの
吉武の部分は決着をつけよ〜かと思っています。
吉GUY@西部の漢、20%増量(当社比)
ji-guy@dike.dricas.com