[KATARIBE 17425] [HA06P]: 「無責任な話」( Re: [HA06][EP]: 『棲めば都』)

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Date: Tue, 11 Jan 2000 01:13:40 +0900 (JST)
From: 勇魚  <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 17425] [HA06P]: 「無責任な話」( Re:  [HA06][EP]: 『棲めば都』) 
To: kataribe-ml@trpg.net
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2000年01月11日:01時13分40秒
Sub:[HA06P]:「無責任な話」(Re:  [HA06][EP]: 『棲めば都』):
From:勇魚


こんにちは、勇魚です。
灰枝さん、こんにちはです。

…なんかこう、知り合いが固まるのはよろしくないのですが、
全然会えないのもさみしいなぁ、というわけで。

とりあえず、繋ぎだけつけておきますね。

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「無責任な話」

吹利学校・大学部学食。
ドアがばたんと開いて、数人がどやどやと駆け込んで来た。
それぞれが肩にひっかけた白衣にナースサンダル。
昼のピークを遥かに過ぎても食堂内に残っていた何人かが、ちらりと
そちらを見て、微かに眉をしかめた。

ユラ    :「よかったぁ。今日はなんとかセーフだね」
友人1   :「ほんとほんと。これだから被験者が人間だと面倒な
       のよね。待たされるし文句云われるし長引くし…」
友人2   :「挙げ句の果てに病院食堂終っちゃうし。もーう、やっ
       てらんないわよねぇ」

普通、そういう話題を大声でするものではない。
周囲が鼻に皺をよせるのも、こちらはまるで構わず、きゅう、と伸び
をひとつ。
…と。

ユラ    :「…ッ痛ぁ…」
一     :「白衣で食堂うろついてんじゃねーよ」

蹴飛ばされた足首をさすりながらユラが振り向いた視線の先で、うど
んのどんぶりから顔をあげた男がひとり。

一     :「…やぁ」
ユラ    :「あれめずらしい。パンの耳以外のもの食べてる」
一     :「栄養は補給できるうちに、する」
ユラ    :「おや、バイトの口でも?」
一     :「単発だけどね」
ユラ    :「…ふぅん…」

数分後、ユラは一の前に陣取って鯖の味噌煮をつついていた。

ユラ    :「…引っ越し早々、タヌキねぇ」

タヌキの被害分、バイト代引かれなくてよかったじゃん、と笑う。

一     :「でさ、その先輩が、湯飲みでそいつを」
ユラ    :「湯飲みにしといてよかったじゃない。もしそのひとが
       刃物や武器を投げてたら、タヌキくん死んじゃうから、
       そしたらあんたが大変だもの」
一     :「…なんで?処理なら困らんと思うぞ。あのひとどうせ
       喰っちゃうから」
ユラ    :「喰っちゃったらそれっきりじゃないさ。お手伝いして
       くれるほうがコストパフォーマンスがいいってもんで」

それに、タヌキが死んじゃってたら、あれこれ片付けたり本のカバーか
けたり草むしりしたり、あんたが仰せつかってたと思うけどさ。

ユラ    :「でも、ひょっとしたらそっちのがいいのか。あんた暫
       くバイト先確保できるわけで」
一     :「…俺はタヌキと一緒かい」
ユラ    :「全然」
一     :「ネヅミと一緒、とか云ったら殴るからな」
ユラ    :「…あら」

しらばっくれた顔をして横を向いた。
…酷い話である。

一     :「そういやさぁ、宝貝をつくるのと漢方薬って、基礎は
       一緒なのか?」
ユラ    :「…いんや。系統が違う。…というか、基礎の途中で枝
       別れする。でも、なんで?」
一     :「いや、その先輩の蔵書の整理手伝ってたらさ」

ユラの部屋でも見たようなものがいろいろと混ざっていたのだとか。

ユラ    :「…ああ、でもあのへんの道具作りってのはさぁ」

もともと仙薬作るための鍋釜作りに端を発してるわけで、と続け、茶を
啜る。
…どうも認識がずれているような気がしないでもない。

ユラ    :「あ、でもその方、腕いいわけね、結構。…ってことは」

最近生薬の黒焼き用の炉が耐用年数切れで崩壊したのを作り直してくれ
ないかなぁ、と至極脳天気な方向に話は流れていった。

ユラ    :「それじゃさ、今度、本気で炉の直すの頼みたいからさ。
       いずれ紹介してよ」

ひょっとしたらいいお仲間かもしれないし、と言い残して、ユラは席を
立った。

一     :「………」

どっちがどっちの仲間でも俺はいやだ、と一は思ったのだった。

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というわけで。
勝手なことをいってますが、まぁ題名通り、ということで、
御容赦のほどを。

ではまた。




    

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