[KATARIBE 17416] [HA06P]: サンタは命がけ

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Date: Mon, 10 Jan 2000 12:46:37 +0900
From: nobuki miyachi <soutou@mc.neweb.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 17416] [HA06P]: サンタは命がけ
To: kataribe-ml@trpg.net
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ど〜も。
総統です。

 はるか彼方に過ぎ去ったクリスマスネタです。

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『サンタは命がけ』
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登場人物
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平田阿戸(ひらた・あど)
    :駄目ハンター。銃器依存症。
 
老人(ろうじん)
    :ただの老人……らしい。(w


物騒なサンタ
------------

平田:「はぁはぁ……」

 平田が暗い地下道を走っている。すっかりアゴがあがっているので至極情け無
い有様だ。しかも、いつものSSコートではなくて、赤い生地と袖口の白いふさ
ふさ…まるでサンタのような格好である。

SE:ひたひたひた

平田:「この! しつこいぞ、軟体野郎!!」

SE:ぼぼぼぼぼぼぼぼっ

 振り向きざまに、フルオートでなぎ払う。サイレンサー付きのPDWだ。
 後ろから近づいていたのは人型のスライムとでも言うべき物体(生物?)だっ
た。

SE:ぼちょぼちょぼちょ……

 被弾した部分が波うち、飛沫が飛び散る。スライムは人型を失い、水のように
床に広がった。しかし、注意してみれば、再びもとの形状にもどろうと、ピクピ
ク動いているのが見て取れるだろう。

平田:「撃っても撃っても生き返りやがる! こんな話は聞いてねぇぞ!」

SE:カチッ

 曲がり角に差し掛かったところで、懐から取り出した手榴弾のピンをくわえて
引き抜き、後方に投擲する。そして、横に飛び、伏せる。

SE:ぼふっ しゅあぁぁぁぁ

 音は大きくない。投擲した手榴弾はテルミット弾だったのだ。かわりに猛烈な
熱気が辺りに広がる。アルミの粉末を燃焼させるテルミット弾は、爆発の代わり
に2000度近い熱を発生させ、敵を焼き尽くす。
 熱気が去るまで待ち、スライムが間違い無く蒸発した事を確認して床にへたり
込む。

平田:「はぁはぁはぁ……くそっ、俺は運動不足なんだ、畜生め! あのジジイ
帰ったら覚えてやがれ。」

 ここで時間は昨日の午後に遡る。


老人あらわる
------------

平田:「ふぁ〜あ。」

 もそりと布団から起きあがると、大きく背伸びをする。

SE:ごきごきっ

 と、背骨を鳴らしたりもする。

平田:「…………」

 散らかった自分の部屋を見まわし、時計に目をやる。時間は17:31分。

平田:「ふむ。よく寝たな。」

 この男、朝、雪が降っているのを見た途端、「ほう、ホワイトクリスマスにな
るな。」などといった風情のある言葉をちらりとも思いつかず、「……今日は休
みだな。」とつぶやいて、再び眠り込んでしまったのである。そしてそのままこ
の時間まで眠りつづけていたのだ。太陽の出ていない日はお休みなのである。

平田:「さて、食料でも仕入れてくるか。」

 平田はもそもそと起きあがり、パジャマの上からいつものSSコートを着る
と、近くのコンビニへと向かった。

 数分後。

 酒とつまみ(メシはどうした!メシは!?)をぶら下げて、平田が戻ってく
る。

SE:ガチャ

 ドアを開け、コンビニの袋を下駄箱の上に置いた。そして、靴を脱いで前を見
ると……見知らぬ老人が立っていた。

平田:「!?」

 反射的に、コートの裏にベルトで固定してあるバックアップの拳銃を抜く。コ
ンパクトガバだ。そのまま、老人の頭をポイントしようとした瞬間。老人は一歩
踏み込んで、軽く挨拶でもするような調子で、平田の右手を払った。

SE:ガンッ ゴトンッ

 銃は壁にぶつかって床に落ちた。平田は銃を構えた格好のまま、動けないでい
た。老人の動きが速いのではない。単に動きが速い相手なら、人間離れした速さ
の連中を良く知っている。老人が老人らしい速さで動いて平田の銃を叩き落した
のだ。平田の動揺ぶりは、傍目にも可哀想なほどである。

老人:「いやはや、ものも言わずに銃を抜くとは物騒な。」

平田:「………」

 呆れたように言う老人を前に、平田は無言である。というより、動揺しきって
何を言っていいかわからない。

老人:「頼みたい事があるだけだ。そういきり立ちなさんな。」

 老人はポンと平田の肩に手を置いた。


騙されてる?
------------

 結局、老人の言うままに吹利へと車を走らせることになった。

老人:「ほっほっほ。実は自動車に乗るのははじめてなんじゃ。これは、あれじ
ゃろ、ジープとかいうやつじゃろ?」

 道すがら老人が嬉しそうに言った。

平田:「………そうだ。」

老人:「やれやれ、愛想の無い男だのう。ハンターという奴はみんなそうなんか
の?」

SE:キキキキー!

 思わずハンドル操作を誤った。あやうくガードレールを突き破って反対車線に
つっこむところだ。

平田:「………老人。」

老人:「なんだな?」

平田:「只者じゃないということは、部屋での事で嫌というほどわかったが。い
ったい何者だ?」

老人:「ほっほっ。ただの老人じゃ。」

平田:「ハンターの素性は滅多なことでは調べられないはずだ。教会も極秘にし
ている。どうやって調べたんだ?」

老人:「なあに、教会には知り合いがおっての。」

 事も無げに老人は言う。

老人:「それよりあれだ。これからやってもらう仕事について話そうかの。」

平田:「なにをやらせる気だ?」

老人:「なに、おぬしなら簡単なことよ。ある家に一歳になる子供がおる。そこ
にプレゼントを届けてくれれば良い。」

平田:「……サンタの真似事をやれと?」

老人:「真似事ではない。サンタとして働くのじゃ。吸血鬼を殺してまわるだけ
が、神の代理人としての仕事ではあるまい。」

 老人は少々憤慨した様子だ。

平田:(神の代理人……ね。)

 平田の心境は複雑だ。神の存在など考えたことも無い。

老人:「まあ、おぬしのように二日酔いの時しか神に祈らんような男に与えられ
た、数少ない善行を行うチャンスだと思えばよかろうて。」

 老人はからからと笑った。その屈託の無い笑い声を聞いて、平田はあきらめて
サンタをやることにした。

平田:(まあ、いいさ。今日はクリスマスイブだ。たまにはこういう仕事もいい
だろう。)

 しかし、この仕事、実はいつもとあまり変わらない内容だという事に、平田は
まだ気付かない。


任務開始
--------

老人:「この家のようだのう。」

 何処から取り出したのか、老人の手にはリボンの結ばれた箱があった。そし
て、リボンのが生き物のように動き、目の前の民家を指し示している。

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 ここで一旦切ります。プレゼントの配達先は……超科学要塞水島邸です。(w
 老人はこういうキャラでいいのか、吉GUYさん助言よろしくおねがいしますで
す。

ではまた。

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総統<Nobuki miyachi>
E-mail : soutou@mc.neweb.ne.jp
ICQ : 51043006
URL : http://www.geocities.co.jp/Bookend/8749/
    

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