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Date: Mon, 10 Jan 2000 00:57:05 +0900
From: NaoNami<ikegami@kt.rim.or.jp>
Subject: [KATARIBE 17413] [HA06P] :「みずたまり」完成版
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <200001091559.AAA04571@mail1.rim.or.jp>
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なおなみです。
文を直して第二弾ー
メール容量増やしてすみません(^^;
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エピソード 『みずたまり』
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登場人物
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柳直紀(やぎ・なおき)
:やっとこさ筋肉痛地獄から解放されたOL。
:踊りはまだまだ初心者。
猫
:この辺りに生息しているらしい。
帰り道
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ありがとうございました、失礼しまーす。
声とちょっと遅れてドアがぱたんと閉まる。扉にはダンススタジオの文字。
職場と家のちょうど真ん中辺りにある、ここに通いはじめて半年が経った。
湿り気のある匂い。
雨が降っていたのか草葉が濡れている。
街の灯りと街灯が道を照らす。冬は日が落ちるのが早い。
空を見上げるように、うーーーーんっとひとつ伸びをする。
直紀 :「…ってってぇ」
肩を回す度、首を回す度にごきごきと音が聞こえる。
一番始めにスタジオから戻ってきたときは、「ひどかった」としか形容が出
来なかった。全身の筋肉痛が一週間とれず、階段を下りるときの痛みには閉口
した。しかし二週間も通い続けると、殆ど筋肉痛は起きなくなっていた。
…ヒトの身体って結構驚異的だなぁ。
などと思いながら駅へと足は進む。
角を曲がると街灯の影になる一本道がある。
広い道のそこここに大小様々な水たまりがある。大きい水たまりをぴょい、
とまたぐ。
直紀 :「……んーー」
少し考えると、きょろきょろと周りを見渡す。
背骨がまっすぐになるように腰と胸に手を置き、形を確かめるように背を撫
でる。首筋が伸びているのが分かる。
上から頭を糸で引っ張られるようなイメージ。
うん、大丈夫
姿勢はそのままで肩の力を抜き ふ、と息をはく。
足先まで注意を払い、地面を掴むように蹴る。
いち、に、さん
いち、に、さん
手は柔らかく、やわらかく、肩肘張らない
足はまっすぐ、まっすぐ、注意して
ぱんっと足があがると気持ちいい。
水たまりを飛び越え飛び越え、着地すると同時に視線があう。
まん丸のビー玉のような目。白い毛並み。
直紀 :「こんばんわ」
答えるように猫がにぃ、と鳴いた。
見られていたと思うと何だか気恥ずかしい。照れ隠しのように ぽり、と顎
の下をかく。
猫の方は別に気にした様子もなく、明後日の方を向き うーーん、と伸びひ
とつすると ひょい、と垣根の向こうに消えた。
直紀 :「それでは、ごきげんよう(笑)」
ぺこりと垣根の向こうに芝居がかった礼をして帰路についた。
時系列
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1999年11月頃
解説
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誰もいない帰り道だと思わず踊ってしまう…
そんなダンサーの心がなんとなく分かった瞬間、の話(^^;
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こんなかんじで、ではー
なおなみでしたっ!
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:suigen@geocities.co.jp<ぽすぺ始めました☆>
−新刊情報之巻 出張版−(笑)
12月20日:極東十二華仙・袷花幻汝、登場
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