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Date: Tue, 28 Dec 1999 14:09:03 +0900
From: 瑠璃 <lurimu@geocities.co.jp>
Subject: [KATARIBE 17186] Re: [HA06P] 『朽葉色のセーター(仮)』 〜序〜
To: kataribe-ml@trpg.net
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こんにちは〜 瑠璃です。
えっと、オフ会で某氏に催促されたものです(苦笑)
#ふわちょこ、読みたいな〜(邪笑)
地の文、璃慧口調に直したんで、最初っから流しまーすっ。
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『朽葉色のセーター(仮)』 〜序〜
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登場人物
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水瀬璃慧(みなせ・あきえ):
:言霊使いの女子高生。創作が趣味。インターネットにはまっている。
:瀬川輝(せがわ・ひかる)というPNやHNを使う。
狭淵美樹(さぶち・みき):
:
平塚花澄(ひらつか・かすみ):
:
富良名裕也(ふらな・ゆうや):
:
偶然? それとも……
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師走。
外は風が吹き荒れていたが、店内は心地良い暖かさに包まれていた。
もうすっかり、馴染みになったこの書店。
そういえば、あの人が教えてくれてところだった――。
璃慧 :「えっと……」
いるのはいつもとは違う本棚の前。
背表紙の上、目を走らせながら思う。
璃慧 :(ったく、何で今まで気づかなかったかなあ……)
そう、もう12月なのだ。つまり、クリスマスもあともうすぐ。
去年までは縁もなかった日だけれど、でも今年は…………。
璃慧 :(こんな時でもないと、送れないもんね)
久しぶりに何か編んで、プレゼントしよう。そう思ったのだが。
何を作ろうか、決めかねて。
試験前の逃避力も手伝ってか、気がついたらふらっとここまで来ていた。
瑞鶴の本棚の前まで。
時たま手を伸ばして、ぱらっとめくってみては、また戻して。
そんな繰り返しで、時間は過ぎていく。
しばらくして、手にしたのは、朽葉色のセーターが表紙の雑誌。
璃慧 :(あ、なんかイメージに合うかも……)
と、取り出して眺めていると。
不意に。ガラガラっと、硝子戸が開く。
吹きこんできた冷たい木枯らしに、そちら側を振り向くと。
レジに居る女性に軽く挨拶しながら入ってきたのは、長身痩躯の男性。
………………
美樹 :「あ、どもです」
軽く会釈をして、中に入ってくる。
まだ、こっちには気づいていないみたいだけど……
璃慧 :(え……??!! かむにゃ……)
別に普通にしていればいいのだろうに、慌てて手にしていた本を棚に戻した。
頬、熱くなっているみたい。
感覚はあるけれど、実感はない。それくらい、動転していた。
美樹 :「おや、輝さん。どもです」
気づいて、声をかけてきてくれた。
璃慧 :「あ、かむにゃ…………」
ちらっと、あたしの前の棚を見て。
美樹 :「おや、服飾関係ですか。次の小説の資料ですか?」
などと、全く外れたことをにこやかに聞いてくる。
頬が火照っていることには、幸い気がついていないみたい。
璃慧 :「う、うん。ちょっと気になったものだからっ」
美樹 :「服装関係の設定は、わたしもあまり強くはないんで、色
:色と悩むんですよ」
と、肩越しにひょろっとした腕が伸びてきた。
璃慧 :(あ……さっきの……)
その腕が取り出したのは、朽葉色のセーターの雑誌。
美樹 :「ん、こういう感じの本は資料として結構使えますよね」
(題未定)
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ぱたぱたぱた、と。
軽い足音と同時に硝子戸が開く音が聞こえた。
フラナ :「こんにちはぁ(^^)」
花澄 :「いらっしゃい、フラナくん」
フラナ :「寒かったぁ〜(ごしごし)」
人なつっこい笑みを浮かべたその少年――確か、フラナさん――は、袖で頬
をこすりながら店の奥に入っていく。
美樹 :「おや、フラナ君。どーもです」
フラナ :「あ、美樹さん、璃慧ちゃんこんにちはっ(^^)」
璃慧 :「こんにちは(しりすぼみ)」
もう何度も顔を合わせているのに、声が小さくなってしまうのはなかなかな
おらない……
フラナ :「あれ、美樹さん編物するの?」
かむにゃが手にしている本を見て、目を丸くしてた。
美樹 :「あぁ、これですか。物書きの資料に使えるかなとか思っ
:て、輝さんと話してたんです」
そんなのんきな答えをしながら、会釈をしているけれど……
フラナ :「へぇ、うちのねーちゃんなんか毎年編物してるんだよ」
美樹 :「それは、すごいですねぇ」
フラナ :「完成しないんだけどね〜(笑) 毎年クリスマスに完成さ
:せるって言っててちっとも出来上がったことないもん」
美樹 :「クリスマスプレゼント用ですか……なるほど、そういう
:用途もありましたねぇ(うむうむ)」
どことなくちぐはぐで、とぼけた感じの二人の会話を耳にしながら、瞳はか
むにゃの手にある本を、じっとみつめてた。
璃慧 :「……(うう、どうしようあの本)」
花澄 :「その本、如何です?(苦笑)」
先日も親切にしてくれた店員さんが、レジから出て、声をかけてくれる。
花澄 :「美樹さんのお知り合いですか」
そう言われて、かむにゃもやっと気付いたみたいで。
美樹 :「えぇ、ネットの方の知り合いでして。……水瀬さん、
:こちら、ここの店長の妹さんの平塚花澄さん。こちら、輝
:さん……じゃなかった、水瀬璃慧さん。輝さんってのはペ
:ンネームの方ですね。えっとフラナ君は知ってるのかな?」
ちょっと早手回しに紹介してくれるとこは、net上のかむにゃと変わらない。
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いじょうが修正。
で、続けます。
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璃慧 :「うん。ほら、前に話したじゃん。このまえちょっと、資
:料探してた時にお世話になった人」
向き直って。
璃慧 :「その節はどーも(ぺこっ)」
フラナ :「ううん。あ、どう? 書き上がった?」
璃慧 :「うーんと、とりあえず一話目は(苦笑) 一体いつ書き
:終わるかわかんないですけどね(にこっ)」
彼の人懐っこい笑顔、どこか安心させてくれた。
璃慧 :「あ、そーだ。かむにゃに見せたっけ?」
美樹 :「えっと……、見てないと思います」
璃慧 :「じゃ、後で送るねっ」
美樹 :「あ、どもです」
ちょっと雑談が続いて。
そろそろ、帰らなきゃ。そんな時間。
でも、かむにゃはまだそばにいた。
璃慧 :(うーん……どーしよ(滝汗)
:…………明日でもいっか…………)
彼の目の前で。平然と買えるほど、強くはない。
璃慧 :(……弱いよなあ……)
自分の弱さ。
悔しくもある。歯がゆくもある。
でも、どうしようもなくて。
ただ、少しずつ、少しずつ、強くなろうとするしかない。
いつかは。
いつかは、強くなろう。
璃慧 :(いつかは……)
そのときが、告白できる時かもしれない。
そんなこと思って、ちょっと苦笑。
璃慧 :「あ、じゃ、そろそろ帰るね」
と、かむにゃの方を向いて。
笑って。
……作り笑いも、大分上手くなってきたと思う。
偽ること……時にはそれも、強さなのかもしれない。
美樹 :「あ、ではまた」
璃慧 :「また、ネットででも(にこっ)」
フラナさんと花澄さんの方に、小さく会釈して。
帰路を急いだ。
だんだん熱くなってくる頬。
真っ赤になっているであろうそれは、凍てつく冬の風のせいにして。
璃慧 :(さ、いこっか)
考え出すと、動けなくなるから。
明日は、買いにいこう。
ただ、それだけ思って、駈けだした。
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…………勢いで書いたんで、滅茶苦茶だ〜(爆)
他のキャラの反応書ききれなかったんで、どんどん書き加えてくださいっ。
つーことで、
であであ〜。
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瑠璃(Lurimu)
YHayamine@aol.com
lurimu@geocities.co.jp(ポスぺ入れました〜)
翼ひろげて 〜夢幻界への誘い〜
http://members.aol.com:/lurimu/wing/index.htm
(http://www.geocities.co.jp/Bookend/1229に移転中)