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Date: Tue, 28 Dec 1999 01:22:02 +0900 (JST)
From: "E.R" <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 17171] [WP01P] :「メサイア…ホログラフ」
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <199912271622.BAA93679@www.mahoroba.ne.jp>
X-Mail-Count: 17171
99年12月28日:01時22分01秒
Sub:[WP01P]:「メサイア…ホログラフ」:
From:E.R
こんにちは、E.R@これを流したら帰るぞ です。
西生駒にクリスマス。
06にクリスマス。
んでもって、終末の住人にクリスマス。
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「メサイア…ホログラフ」
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不思議なもので、24日のイブの方がやたらめったら派手に祝われるが。
本来………
譲 :「今も、クリスマスですよね(笑)」
直人 :「それは、そうですね(笑)」
優 :「はい、どうぞ」
優がクリスマスのケーキを一皿持ってくる。
BGMは……
譲 :「あ、今日はメサイアなんですか」
直人 :「クリスマスですからね(苦笑)」
クリスマス。25日の午前中。
妙に、日の光が明るい。
メサイアのハレルヤコーラス。
有名なメロディをなぞる、前奏に乗って。
譲 :「あ…………駄目だ(苦笑)」
直人 :「え?」
譲 :「この曲、つい泣くんです(苦笑)」
直人 :「……………泣く?」
ハレルヤ、という言葉を幾重にも重ねた音の広がり。
確かに、非常に感動的な曲なのだが。
譲 :「小さい頃から、この曲は、聴くと必ず泣いてたんで、親
:も何事かと思ったらしいんですけどね」
直人 :「………ふむ」
珈琲を一口飲むと、譲は小首を傾げるようにした。
譲 :「…この曲を作った時のヘンデルのことを、ちょっと調べ
:たことがあるんです」
直人 :「それで……」
譲 :「作った曲が不評だったりなんだりで、相当落ちこんでい
:た時に、この曲の歌詞を見て、作曲を始めて…ある時、誰
:かが覗きこんだら、泣きながら五線譜を埋めてたそうです」
王の王、と。
高く繰り返される和音の中で、譲はちょっと照れくさそうに目元をこすった。
譲 :「変な話ですが…なんか、それ知って納得しました。僕が
:何故この曲を聴いて、泣くのか」
直人 :「……感情同期ですか?」
譲 :「ええ……ヘンデルの……作曲していた時のヘンデルの、
:その感情に同期しているんじゃないかな、と」
直人 :「……あり得ますかね、そういうことが」
譲 :「うーん……」
苦笑。
譲 :「曲って…本当に優れた曲って、その作曲者のその時の感
:情を、ホログラフみたいに再現するんじゃないのかな、と
:思うんです。勿論完全では無いだろうし、そのまま聴き手
:に全て伝わるわけでもないだろうけど……」
直人 :「伝わって、しまう訳ですね(苦笑)」
譲 :「多分」
永遠から永遠に……と。
広がる音。
広がる………感情。
譲 :「でも……もし、そうだとしたら、この人は…」
ちょっと、言葉を選んで。
譲 :「………なんて、幸福なんだろうな、って思いますね(笑)」
直人 :「……」
譲 :「歓喜なんです。歓喜と…感動」
溢れてくるのは。
泣きながら埋められた五線譜を再現した曲から溢れてくるのは。
直人 :「………だから…」
譲 :「泣いちゃうんですよ、つい(苦笑)」
最後の音を、大きく伸ばして、曲が終わる。
深い金色の、大きな波が、音の余韻のように月影の中を満たす。
直人 :「……もう一回、聴きますか?」
譲 :「…お願いします(苦笑)」
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というわけで。
この数日、聞きっぱなし(笑)>メサイア
この余話は、実際どこかの本で読みました(笑)
というわけで、ではでは。